経済的に困難な子育て世帯の<中高生の教育費負担>実態調査   制服・指定品など入学時費用が高額化

家計圧迫する私費負担が明らかに 高 1 保護者の約半数が「就学を続けられない可能性」など、切実な中高生や保護者の声も~「授業費以外に対する経済的支援の拡充」や「購入品の選択肢の拡大」を文科省へ提言~

子ども支援の国際 NGO である公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:井田純一郎、本 部:東京都千代田区、以下セーブ・ザ・チルドレン)は、経済的や生活上の困難がある世帯を対象に、中学・高 校の入学に関わる費用の一部を支給する「子ども給付金 ~新入学サポート 2025~」を実施しました。こ の度、本給付金の利用世帯に対し、中学・高校の卒業・入学にかかった具体的な費用や、政府への要望に関 するアンケート結果をまとめた報告書を、本日 10 月 30 日(木)に発表します。

2025 年 8 月に実施した本調査では、卒業・入学にかかる費用が前年より高額化傾向にあり、授業料以 外に家計を圧迫する私費負担の実態が浮き彫りとなりました。 さらに、高 1 保護者の約半数が「経済的な理由により就学を続けられない可能性がある」と回答。中高生 の約 8 割が「親がお金のやりくりに苦労していた」と回答し、学校教育に関わる家庭の経済的負担の深刻さ が明らかになっています。

セーブ・ザ・チルドレンは、困難な状況にある子どもの“学ぶ権利”を保障するため、「授業料以外の費用に 対する経済的支援の拡充」「学用品の備品化、購入品の選択肢の拡大」といった提言も報告書内にまとめ、 文部科学省をはじめとした関係省庁に提出します。

■主な調査結果

有効回答数は、経済的に困難な状況にある、全国 46 都道府県の保護者(大半がひとり親世帯・女性)436 人と、中高生 148 人。

➢ 卒業・新入学、入学後に就学のためにかかった費用について、「制服代」「卒業アルバム代」「教科書・教材費」 「パソコン・タブレット代」で 2024 年度調査より金額が上昇。特に制服代は中 1、高 1 どちらも約 1 万円 上昇していた(表 1)。

➢ パソコン・タブレットについて、高 1 は国公立で 49.2%、私立で 61.5%が、購入・リースが必要だったと 回答(グラフ 1)した。その際の補助金・助成金については、「あった」という回答が国公立で 41.9%、私立 で1.7%のみであった(グラフ 2)。

高 1 の保護者に高校入学時の心配事をたずねたところ、「経済的な理由により就学を続けられない可能 性がある」という回答が 45.0%だった(グラフ 3)。また、高校の就学継続に負担となっている費用をき いたところ、半数が「通学時の昼食費」「学校納付金」「制服・指定品の購入費」を選択。

中高生に中学や高校入学時の悩み事をたずねたところ、「親がお金のやりくりに苦労していた」という回 答が79.7%で、「中学校の入学準備にお金がかかってしまったので、生活が更に苦しくなってしまった」 という自由記述もあった。

卒業・新入学時に必要な支援は保護者、中高生どちらも約 7 割が「制服・運動着などを安く買えるようにすること」と回答し、最多(グラフ 4)。ほかに、「学校に必要な教科書や副教材は学校が用意すること」「学校指定品をなくして、安い商品を選べるようにすること」も半数以上が選択した。

調査結果報告書:https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/report-shinnyugaku_riyo2025.pdf

<主な調査結果>(表・グラフ)

<本調査結果を受けての国や関係省庁、自治体への提言について>

調査結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、困難な状況にある子どもの“学ぶ権利”を保障するため、下記 5 点を国や関係省庁、自治体に対し提言していきます。

1. 就学援助や高校生奨学給付金など、授業料以外の費用に対する経済的支援の拡充

2.学用品の備品化、購入品の選択肢の拡大、私費負担は援助額内に

3.高校入学前の準備金の創設

4.高校の授業料の立て替え払いの実態把握と、真に立て替えのない運用へ

5.高校のパソコン・タブレット代の無償貸与・補助の都道府県ごとの詳細な実態把握

「経済的に困難な子育て世帯の中学・高校の就学費用負担に関する実態調査」概要

■ 調査対象:セーブ・ザ・チルドレンが実施した「子ども給付金 ~新入学サポート 2025~」利用世帯
■ 調査方法:利用世帯に対し、オンラインアンケートを案内し任意回答
■ 調査機関:2025 年 8 月 1 日~8 月 17 日
■ 有効回答数:保護者 436 人、中高生 148 人
■ 調査協力:千葉工業大学 福嶋尚子准教授 (調査票・報告書への助言、講評) 専門:教育行政学

セーブ・ザ・チルドレンの子ども支援事業 「子ども給付金 ~新入学サポート~」について 

セーブ・ザ・チルドレンの子ども支援事業 「子ども給付金 ~新入学サポート~」について 特定の生活上の困難があり、かつ経済的に困難な状況に ある世帯で、当団体が定める申請条件を満たす世帯を対象に、 中学・高校の入学に関わる費用の一部を支援しています(子ども 1 人につき、中学入学時 3 万円、高校入学時に 5 万円を給付、返還の必要なし)。 東北地域で就学支援のため 2016 年に開始し、2022 年からは対象地域を全国へ拡大。2022 年から 2025 年までに、のべ、3,640 人が同給付金を利用しています。 

【詳細 URL】 https://www.savechildren.or.jp/lp/kodomosupport2025/ (※申請条件ほか詳細)

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会社概要

URL
http://www.savechildren.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4階
電話番号
03-6859-0070
代表者名
井田 純一郎 
上場
未上場
資本金
-
設立
1986年05月