OKI、実装基板向けESD(静電気放電)耐性試験サービスを開始
業界初、TLP測定でESD特性の定量評価を実現
OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(社長 橋本 雅明、本社:東京都練馬区、以下OEG)は、TLP測定(注1)を用いた実装基板のESD(Electro-Statics Discharge;静電気放電)特性定量評価を業界で初めて実現した「実装基板向けESD耐性試験サービス」を2月より開始します。新サービスでは、家電・車載機器・産業機器など幅広い分野を対象とし、電子部品の選定から実装基板設計、規格試験検証までのESD耐性評価をワンストップでご提供します。これにより、実装基板設計者のESD保護回路設計をサポートし、高度化・複雑化する電子機器開発の期間短縮と信頼性向上に寄与します。
IoTの進展、EV(電気自動車)化による自動車搭載デバイスの高度化などにともない、電子部品やモジュールの微細化や構造の複雑化が進んでおり、デバイスや実装基板のESD耐性は低下しています。しかしながら従来のESD試験では実装基板のESD特性の定量評価ができず、ESD保護素子・保護回路を過大に実装することで対策していたため基板面積とコストが増加していたほか、耐性値に達しない場合の原因調査と再設計に時間がかかるなど、製品開発の課題となっていました。
OEGはこれまで、ウエハーやパッケージ状態のLSIに対して、TLP測定などデバイスレベル試験によるESD特性定量評価を実施してきました。今回新たに、実装基板や機器を対象としたシステムレベル試験規格IEC61000-4-2『静電気イミュニティ試験』(注2)に対応したTLP試験装置を導入し、今まで培ってきたTLP測定評価技術を実装基板へ応用することにより、実装基板のESD特性定量評価を実現し、ESD保護素子・保護回路の最適配置設計を可能にしました。これにより、TLP測定評価を用いたESD保護素子選定、実装基板のESD保護回路設計およびIEC61000-4-2『静電気イミュニティ試験』規格によるESD耐性の検証がワンストップで可能になり、実装基板設計者の負担軽減と製品開発期間・コストの削減を実現しました。
OEGは、今後もお客様のニーズに対応した測定、評価技術の向上や設備の充実を図り、電子部品・電子機器メーカーの設計・開発・製造上の問題解決を支援していきます。
販売計画
標準価格:個別見積り
販売目標:1億円/年
サービス提供開始時期:2020年2月3日
用語解説
注1:TLP(Transmission Line Pulse)測定
パルスをトランジスターや集積回路に印加し、ESD保護素子やESD保護回路の電圧(V)/電流(I)特性のデータを取得すること。
注2:IEC61000-4-2『静電気イミュニティ試験』規格
この規格では、帯電した操作者からの直接あるいは近接した物体を介しての静電気放電にさらされる電子機器に対する試験条件について規定されている。静電気放電試験の放電は2kV~15kVと電子機器が使用される環境条件により規定されている。
リリース関連リンク
「ESD保護回路開発支援」紹介サイト
https://www.oeg.co.jp/esd/esd_c.html
「TLP測定(Transmission Line Pulse)」紹介サイト
https://www.oeg.co.jp/esd/tlp.html
「静電気放電IEC61000-4-2」紹介サイト
https://www.oeg.co.jp/emc/esd.html
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