【報道参考資料】南アジア・報告書発表 世界最大の子ども人口地域に残る格差

5歳未満で亡くなる子どもは年間200万人以上

© UNICEF/2014/Thomas Nybo© UNICEF/2014/Thomas Nybo



※本信は ユニセフ本部の情報を、日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_75730.html でご覧いただけます


【2014年9月11日 ニューヨーク発】

9月11日、ユニセフは報告書「子どもたちの生活の改善を-未来を変えるために-南アジア
での子どもの権利25年(原題:Improving Children’s Lives-Transforming the
Future-25 years of Child Rights in South Asia:表紙を含め81ページ)」を発表。
南アジアではこの25年、子どもたちの保健と福祉に大きな進展があったとする一方で、
依然として格差が顕著であることを指摘しました。

ユニセフ・南アジア地域事務所代表のカリン・フルショフは「南アジアでは毎年、
200万人以上もの子どもが予防可能な病気により、5歳未満で死亡しています。また、
地域の子どもたちの35%以上は、慢性的な栄養不良(発育阻害)にあります」
と述べました。

本報告書は、この25年で、子どもの命や生活に直結する9つの主な問題において進展が
あったと分析し、さらに地域の子どもたちの生活を改善するための方策と提言も
述べています。

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主な調査結果は以下の通りです。
・南アジアでは、1歳未満の子ども約800万人が予防接種を受けていない

・南アジアでは、45%以上の少女が18歳未満で結婚、15歳未満で結婚する少女は18% ※1

・南アジアは、世界中で発育阻害(慢性的な栄養不良)の子どもが最も多い ※2

・南アジアで屋外排泄をする人は、約7億人 ※3

・南アジアでは、5歳未満の1億人近い子どもたちが、出生登録をされていない ※4


本報告書は、11月20日に迎える子どもの権利条約採択25周年を記念して、発表されました。
南アジアの国々では、子どもの権利条約を実現すべく、国内法が整備され、子どもの問題
を担当する省庁や監視機関も設置されてきました。

なかには、子どもの権利条約の柱である生存、教育、保護、参加を法的効力のある権利
とするために、積極的な法整備を行った国々もあります。しかし、広範囲にわたる貧困
や格差によって、南アジアでは、何百万人もの子どもたちがその尊厳を阻まれています。
子どもたちは、自身が持つ力を引き出し、自らの人生の選択肢を持つことができて
いません。

フルショフ代表は「子どもの権利条約25周年にあたり、我々は子どもたちとその母親が、
保健サービスや十分な栄養、適切なトイレを教授できるように、取り組まねばなりません。
また、質の保たれた教育や機会の創出も必要です。すでに我々は、南アジアの子どもたち
の生活を積極的に改善するためのノウハウと革新的なアプローチを持っており、実現は
可能です」と述べました。

ユニセフ・南アジア地域事務所は、子どもの権利条約25周年にあわせ、子どもの権利
キャンペーン“Generation@25”を発足。本キャンペーンでは、アフガニスタンの
女子教育を改善し、インドの発育阻害を予防し、ネパールでの屋外排泄をゼロにし、
バングラデシュのすべての子どもたちが出生登録されることを目指します。
キャンペーンサイトは http://www.generation25.org./




■参考情報:

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<世界の人口>
人口: 世界:70億4,082万人3,000人、
南アジア: 16億5,001万9,000人

18歳未満の子ども:  世界:22億1,367万7,000人、
南アジア: 6億5万1,000人

5歳未満の子ども:   世界: 6億5,209万3,000人、
南アジア: 1億6,758万人
出典:ユニセフ『世界子供白書2014 統計編』


※1 児童婚(18歳未満での結婚)について

世界で児童婚の割合が最も高い地域は南アジア
18歳までの結婚:世界34%、南アジア46%、15歳までの結婚:世界11%、南アジア18%
出典:ユニセフ『世界子供白書2014 統計編』

※2:発育阻害について

発育阻害は、日常的に栄養を十分に取れずに慢性栄養不良によって引き起こされ、
年齢相応の身長まで成長しない。その影響は、身体のみならず、子どもの学習能力や
認知能力など脳の成長にも及ぶ。世界では、1億6,500万人の子どもが発育阻害にあると
みられている。南アジアの子どもの38%は発育阻害にあり、アフガニスタンは世界で
発育阻害の割合が最も高く、59%に上る。
出典:ユニセフ『世界子供白書2014 統計編』

※3屋外排泄について

世界でトイレが使えない人は約25億人
(3分の2がアジア、4分の1がサハラ以南のアフリカ)
このうち、10億人が屋外排泄をしており、82%は10カ国が占めている
出典:ユニセフ・WHO 年次報告書『衛生施設と飲料水の前進:2014』

※4出生登録について

出生登録がないと、公的に存在を証明されないことから、保健や教育などの社会
サービスを受け損ねる可能性が高まる。
2012年時点で、出生登録されていない5歳未満の子どもは約2億3,000万人、つまり、
3人にひとりで、誕生後すぐに出生登録された赤ちゃんは世界全体でわずか約60%。
数値は地域によって大きく異なるが、最も低かったのは南アジアとサハラ砂漠以南の
アフリカ。
出典:
報告書『すべての子どもが生まれながらに持つ権利:出生登録における不平等と傾向』


■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Jean-Jacques Simon, ユニセフ・南アジア地域事務所(在カトマンズ),
Tel: +91 9910532314, jsimon@unicef.org
Sarah Nam, ユニセフ・南アジア地域事務所(在カトマンズ)
Tel: +977 9803892356 snam@unicef.org


■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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会社概要

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本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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