医療現場に多様な性への理解を示す“アライ”を。順天堂医院が研修を実施、受講した職員に「レインボーバッジ」を交付。

順天堂大学医学部附属順天堂医院(院長:髙橋和久)は、LGBTQsをはじめ患者さんの多様な性のあり方に配慮した院内環境づくりの一環として、2021年5月に有志職員を募りワーキンググループを立ち上げ、「アライ(Ally:LGBTQsなど性的少数者への支援者や理解者であることを示す)」の職員を増やす研修を8月より開始しました。

順天堂大学のロゴが入ったレインボーバッジ順天堂大学のロゴが入ったレインボーバッジ

今回の研修では、患者さんと最初に接する窓口業務の職員を中心に有志の参加者を募り、医師や看護師を含め計93名が参加しました。受講者にはアライであることを示すレインボーバッジが交付され、今後、レインボーバッジを付けた職員がいる総合受付には、レインボーフラッグも設置されます。研修会は今後も継続して実施し、外来・入院部門の職員へも参加を広げていく予定です。

医療現場で必要とされる多様な性への理解
病院の受診など医療に関わる場面は、LGBTQs当事者の方が困難に直面する状況のひとつと言われています。2021年4月に発表された調査(電通ダイバーシティ・ラボ)では、国内におけるLGBTQsの割合は8.9%と報告されています。しかし医療現場においては、LGBTQsをはじめ多様な性的指向・性自認(SOGI※)を有する方たちが受診・入院することを想定した環境整備がいまだ不十分です。例えば、性自認と戸籍上の性が異なるトランスジェンダーの方は、受付での保険証提示や待合室で名前を呼ばれる場面など、診察室に入る前から困難に直面します。診療の場面では、同性のパートナーがいるのに異性愛を想定した問診や言葉かけをされて、治療以前から大きな壁を感じるようなことが生じています。また、入院や緊急の治療が必要な時に、同性パートナーを家族として認めてもらえないかもしれないという不安を抱える当事者は多く、これはコロナ禍で改めて浮き彫りになった切実な問題でもあります。これらの中には、医療関係者が配慮することで変えられるものもあることから、多様な性のあり方について医療現場での理解を深めていくことが不可欠です。

※SOGI:SOGIとは「Sexual Orientation & Gender Identity」の頭文字を取ったもので、すべての人が持つ性的指向・性自認を表す言葉です。

研修会の概要
  1. 実施期間:2021年8月25日~10月6日(全10回実施)
  2. 参加人数:93名
順天堂医院では、多様な性のあり方に配慮した院内環境づくりを目指し、2021年5月に多職種にわたる有志職員で『SOGIをめぐる患者・家族・職員への配慮と対応ワーキンググループ』を立ち上げ、その活動の一歩として、院内にある多目的トイレへのレインボーステッカー掲示などを進めてきました。
今回の研修会もその取り組みの一環で、ワーキンググループリーダーの武田裕子教授(医学教育研究室)を中心に、LGBTQs当事者をゲストに招いて実施しました。研修会に参加した職員は、当事者の方との意見交換を通じて、多様な性への理解を深めるとともに、患者さんやそのご家族と接するうえで自分たちができることについて考えました。

有志の職員が集まって行われた研修会(右端が武田裕子教授)有志の職員が集まって行われた研修会(右端が武田裕子教授)

レインボーステッカーを掲示した多目的トイレレインボーステッカーを掲示した多目的トイレ

<研修参加者の感想>
  • 想像していた以上に、当事者の方々が生活しづらい思いをしていることを知りました。特に、LGBTQsなど性的少数者の方は健康格差にも晒されていることに衝撃を受けました。
  • 病院に足を運ぶということには、ただでさえ不安や辛さがあるなかで、病気や治療に関すること以外の心配事をひとつでも減らして、どのような方でも安心して来院できる病院でありたいと思いました。
  • 人は誰もが何らかの面で少数派であり当事者になり得るということ、また対応に正解はないという言葉が印象的でした。一概にこうすれば良いということではなく、一人ひとりに寄り添うことが大事だと思いました。
  • 病院として、理解しようとしているという思いが伝わり、より過ごしやすい環境を作っていくことができればと思います。

研修修了者(93名)にレインボーバッジを交付

髙橋院長(左から2番目)がレインボーバッジを交付髙橋院長(左から2番目)がレインボーバッジを交付

レインボーバッジを交付された受講者レインボーバッジを交付された受講者

研修修了者は名札にレインボーバッジを付けました研修修了者は名札にレインボーバッジを付けました

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