note、生成AIの社会実装を加速する国家プロジェクト「GENIAC」に採択

出版社やクリエイターに対価が還元される「RAGデータエコシステム」構築へ

note株式会社

経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する生成AI開発を推進するプロジェクト「GENIAC」に、noteが提案した事業が採択されました。noteは本事業を通じて、AI時代における公正なコンテンツ流通と、作り手に対価が還元される新しいエコシステムの実現を目指します。

本事業では、RAG(検索拡張生成)技術を活用し、出版社、学術団体、ウェブメディア等の持つ高品質なコンテンツを、AIが回答を生成する際に参照できるデータベースを構築します。これにより、生成AIサービス側は、RAGデータベースを参照しながらの回答が可能になるため、情報の正確性を飛躍的に高めることができます。コンテンツの権利者・事業者側も、AIによる参照履歴の取得が可能になるので、利用履歴に基づいた公正な対価還元を行えるようにできます。

また、そのために、コンテンツデータをAIで効率的に利用できるデータフォーマットの標準化や、具体的な活用のためのユースケース構築にも取り組みます。

こうした基盤の整備を通じて、クリエイター・メディア・AI事業者が公正に参加できる、AI時代における新たなコンテンツ流通のエコシステムの実現を目指します。

本事業は、株式会社KADOKAWA、株式会社ダイヤモンド社、一般社団法人学術著作権協会など、複数の関係団体とともに協力して推進していきます。現在も出版社やメディア、生成AI関連サービス開発企業との協議を進めており、パートナーは順次拡大していく予定です。

なお、スタート時のコンテンツの候補については、既存の著作権保護の観点から特に配慮が必要な「物語(フィクション)」等の領域ではなく、情報の正確性や出典の明示が価値となる「ニュース」「辞書」「実用書」「新書」「経済ビジネス」「マネー投資」などのファクト情報に限定し、権利処理を適正に行ったものに限るものとします。

本事業の概要

本事業は、経済産業省とNEDOが実施する、国内の生成AI開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」における、「生成AI開発加速に向けたデータ・生成AIの利活用に係る調査事業」として採択されました。本事業は事業期間1年・予算15億円以内(※2)として実施されます。

(※2)調査期間の延長や予算規模について別途認められた場合は、事業期間2年(ただし最長2027年12月まで)・予算上限20億円以内まで引き上げが可能。

GENIAC (METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/geniac/index.html

採択結果(NEDO)

https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100408.html

本事業においてnoteは、出版社、学術団体、ウェブメディア・クリエイター等が保有する高品質なコンテンツを集約したAI用のデータエコシステムを構築することを目指します。その過程で、多様なコンテンツを収集し、形式や利用方法の標準化を進め、ジャンル横断型の大規模RAGデータベースを整備します。

これにより、AI開発者・利用者は、インターネットだけでは得られない正確で信頼性の高いデータに継続的にアクセスできるようになります。また、コンテンツホルダーはRAGデータベースの利用履歴に基づいた公正な対価を得られるようになり、持続可能なエコシステムをつくることが可能になります。

本事業では、今後も参画いただける企業・団体を広く募集しています。ご関心をお持ちの方は、以下の窓口までお問い合わせください。

【本件に関するお問い合わせ先】
E-mail:ai-biz@note.jp

背景

生成AIの普及につれて、人々の情報への接し方や利用の仕方が変わりはじめています。調べ物をする際は、検索だけではなく、AIに聞くことも選択肢のひとつになりました。近い将来、生成AIは、あらゆる知的活動における欠かせないインフラになっていくと考えられます。

同時に、コンテンツの届け方やお金の流れといった業界構造も、大きく組み変わっていくことが予想されます。こうした変化の中、出版社や新聞社、ウェブメディアを含むメディア各社は、新しい創作のあり方や、ビジネスモデル全体をつくり直すことが求められています。

noteはこれまで「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに、クリエイターが安心して創作し、収益が得られる仕組みをつくってきました。AI活用の取り組みにおいても、創作を助けるAIツールの提供や、生成AIの学習に関する利用許諾、対価還元の仕組みづくりなどを進めてきました。

生成AIによって環境が大きく変わる中、クリエイターやメディアがAIを活用してものづくりを行い、そのコンテンツをAIの力を借りて広く届けていく。そうしたエコシステムをつくる必要があるとnoteは考えています。今回発表するRAGを活用した大規模データベースの取り組みは、その基盤となる仕組みのひとつです。

また、長期的に見れば、生成AIから日本語の知見が十分に参照されない状態が続く場合、国際的な知識社会のなかで、日本の文化や価値観が見えにくくなっていく懸念は否定できません。一方で、出版社や報道機関が長年にわたって蓄積してきた日本語の一次情報や専門的コンテンツが、生成AIを通じて適切に活用される環境が整えば、それらは日本の文化的アイデンティティを支える源泉として、言語や国境を越えて世界の知的基盤の中に組み込まれていきます。

今回の事業は、AI時代において、コンテンツがどのように参照され、流通し、その価値が著作権者にどう還元されるべきかという可能性を探る取り組みです。noteは本事業を通じて、メディア各社やAI開発事業者、そして経済産業省やNEDOなどとも連携しながら、こうした課題に対する具体的な解決策を提示していきたいと考えています。

経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 AI産業戦略室 室長 渡辺 琢也氏 コメント

生成AIは、生産性向上や新たな価値創出に向けた重要な基盤技術である一方で、権利の保護や生成情報の信頼性確保といった課題も指摘されています。経済産業省としては、高品質なコンテンツが安心してAIに活用される環境を整備することが重要であり、「GENIAC」プロジェクトにおける重点分野の一つと考えています。

今回採択したnote社には、クリエイターへの収益還元の仕組みづくりに継続して取り組んできた知見と、出版社・メディア・個人クリエイターなど多様なデータホルダーとのネットワークがあります。これらを活かし、クリエイターの創作活動と生成AIの持続的な発展につながるモデルが示されることを期待します。

note株式会社 代表取締役CEO 加藤 貞顕 コメント

クリエイターがデジタル環境で創作活動を続けていくためには、インターネット上にあたらしいエコシステムが必要である。これが、14年前に当社を創業したときの問題意識です。

noteのミッションは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というものです。文字通り、あらゆるひとが創作をして、それを継続できるエコシステムをつくることを目指して運営しています。現在、1000万人以上のクリエイター、多くのメディア、企業、学校、公共機関が使ってくださるようになりました。

今回のGENIACへの提案は、こうした取り組みの延長線上にあります。

AI技術が進展した社会で、どんなものづくりの環境が必要になるのか。その作品をどのように広く届けていくのか。そして、クリエイター、メディアのみなさんにとって必要な環境はどんなものになるのか。それらの問いを解決するための、具体的な方法として、クリエイター、メディア企業、AI事業者、経産省、NEDOと協力して、エコシステムづくりに取り組んでいきたいと思います。

note

noteはクリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームです。だれもが創作を楽しんで続けられるよう、安心できる雰囲気や、多様性を大切にしています。個人も法人も混ざり合って、好きなものを見つけたり、おもしろい人に出会えたりするチャンスが広がっています。2014年4月にサービスを開始し、約6407万件の作品が誕生。会員数は1052万人(2025年8月末時点)に達しています。

●URL:https://note.com/

●iOSアプリ:https://itunes.apple.com/jp/app/note-noto/id906581110

●Androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=mu.note

note株式会社

わたしたちは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに、表現と創作の仕組みづくりをしています。メディアプラットフォームnoteは、クリエイターのあらゆる創作活動を支援しています。クリエイターが思い思いのコンテンツを発表したり、メンバーシップでファンや仲間からの支援をうけたり、ストアでお店やブランドオーナーが商品を紹介したり、note proを活用して法人や団体が情報発信をしたりしています。

所在地:〒102-0083 東京都千代田区麹町6-6-2

設立日:2011年12月8日 代表取締役CEO:加藤貞顕 コーポレートサイト:https://note.jp

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会社概要

note株式会社

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URL
https://note.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区麹町6-6-2
電話番号
-
代表者名
加藤貞顕
上場
東証グロース
資本金
1億7635万円
設立
2011年12月