1,100人に大調査!「実現してほしかった未成線ランキング(関東編)」をLIFULL HOME'Sが発表

計画されながらも実現せず、幻となった鉄道路線「未成線」。一都三県在住の1,100人に「実現してほしかった未成線」を大調査

株式会社LIFULL

事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、計画されながらも実現されていない鉄道路線「未成線」の関東人気No.1を決める「実現してほしかった未成線ランキング(関東編)」の結果を発表します。

LIFULL HOME'S PRESS記事:https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00300/



  • スタートアップだった鉄道会社。壮大な夢を胸に数々の未成線が誕生

1872年(明治5年)に新橋(旧:汐留駅)~横浜(現:桜木町駅)で日本初の鉄道が開通して以降、鉄路は全国に延び、特に好景気に沸いた大正時代には、次々に鉄道や軌道を敷設する免許・特許が申請されました。計画は目白押しとなり日本の鉄道網は大きく発展したものの、昭和恐慌などの影響で頓挫する計画も多く、同時に多くの未成線も生まれました。

 

戦後には、増大する通勤需要の受け皿となる路線やニュータウンへの乗り入れ路線が計画されますが、こちらも経済情勢の変化や需要の過大予測といった事情で、やはり未成線が誕生。しかし、鉄道は住まいや暮らしに大きく関わっており、「実現していれば便利だったかもしれない」未成線も多いのではないでしょうか。

 

LIFULL HOME'Sでは、関東の主要な12の「未成線」について、一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~60代男女1,100人にアンケート調査を実施しました。そのなかでも得票数の多かった「実現してほしかった未成線」TOP5を紹介します。



  • 東京山手急行電鉄に成田新幹線!? 実現してほしかった未成線ランキング(関東編)

 

  •  【1位】羽田空港と成田空港を15分で結ぶ「羽田・成田リニア新線構想」

羽田空港と成田空港の間は、電車であればエアポート快特・アクセス特急で約1時間40分、途中乗り換えが必要な京成スカイライナーを利用しても1時間10分以上はかかります。今回の調査で1位となったのは、そうした不便を解消する、羽田空港~成田空港をリニアモーターカーが約15分で結ぶ「羽田・成田リニア新線構想」です。

両空港間のアクセス強化はもちろん、首都圏各地からの空港アクセスも改善することで国際競争力をつけようというものですが、高額な事業費などから計画は具体化していません。また、横浜市・さいたま市と、首都圏第3の空港として横田飛行場への路線拡大も構想されていました。

 

<アンケートに寄せられた声>

・「乗り継ぎが楽になりそう」

・「成田空港が使いやすくなり、羽田空港の混雑緩和につながる」

・「インバウンド需要もあると思う」



  • 【2位】山手線の外側に環状線を計画した「東京山手急行電鉄」

大正時代には、山手線の外側に“第二の山手線”ともいえる環状鉄道「山手急行電鉄」が計画されましたが、昭和初期の不景気で資金が集まらず、実現しませんでした。郊外へ放射状に延びる路線同士をつなぐ計画だったことから、実現していれば、一度都心のターミナル駅を経由しなくてはならない移動の近道になっていたかもしれません。

 

<アンケートに寄せられた声>

・「東京西部は南北の移動が困難」

・「城東地区は縦の路線が無く不便」

・「満員電車の緩和にもなりそうだし、車の外環のように便利そう」

 


  • 【3位】東京駅と成田空港を新幹線が結ぶ「成田新幹線」

新幹線の未成線である「成田新幹線」は、都心から離れた成田空港へのアクセス路線として期待された路線でしたが、反対運動などによって実現しませんでした。起点となる東京駅は現在の京葉線地下ホームの場所にできる予定で、そこから30分で成田空港に到着する計画でした。今も、千葉県を走る北総鉄道の横には、成田新幹線が通る予定だった広大な土地が残されています。

 

<アンケートに寄せられた声>

・「これからは国際線の利便性が重要」

・「街から距離がある以上、特別感を持って移動をしたい」

・「都心への移動が容易になれば成田空港の稼働率も上がると思われる」

 

 

  • 【4位】葉山や三崎港へ電車でいける「湘南電気鉄道(現:京浜急行電鉄)三浦半島循環線」

浜急行電鉄の前身となる湘南電気鉄道が、神奈川県の三浦半島を循環する路線を計画しましたが、免許を取得した5日後に関東大震災が発生するなど逆風に見舞われ、そのほとんどが実現しませんでした。実現していれば、マグロの町として知られる三浦半島西南端の三崎港や、海と山に囲まれた自然豊かな葉山など、現在、車やバスでしか行けない場所へ電車で行けるはずでした。

 

<アンケートに寄せられた声>

・「三浦半島は車でないと回れないので不便」

・「三浦半島の交通渋滞も緩和されそう」

・「部活の遠征のときも、元々本数が少ないバスが渋滞でなかなか来なくて大変だった」



  • 【5位】国分寺から多摩川に沿って南下する「池上電気鉄道(現:東急電鉄)国分寺線」

池上電気鉄道は、現在の東急池上線を開通させた電鉄です。池上線に続いて、雪ヶ谷(現:雪が谷大塚)から国分寺に向けて路線を計画しますが、ライバル企業によって行く手を阻まれてしまいます。実現していれば、鉄道のない多摩川の東側が鉄道で結ばれるほか、JR中央線沿線から東京・城南エリアへの短絡ルートとなっていたかもしれません。

 

<アンケートに寄せられた声>

・「中央線の利用者として価値があると感じた」

・「東京の市部の南北を結ぶルートが不便だから」

・「埼玉の川越から国分寺までの南北は西武線でつながっている。もっと南進することができるなら、埼玉と神奈川をつなぐ重要な路線になりえそう」

 


  • 【6位以下】少し不便な移動が便利になりそうな路線も

2023年3月に東急・相鉄直通線が開業し、横浜市西部から東京都心部へのアクセスが大きく向上したように、東京都市圏は郊外鉄道と地下鉄の相互乗り入れなどで世界的にも充実した路線網を築いてきました。


TOP5にランクインした未成線以外にも、都営新宿線に直通することで千葉ニュータウン住民の通勤の足となるはずだった「千葉県営鉄道北千葉線」や、新京成線の都営浅草線への直通をめざした「新京成松戸柴又線」、中央線に乗り入れることで、小田急・京王に次ぐ第三の多摩ニュータウン通勤路線として計画された「西武多摩川線 多摩ニュータウン延伸」など、他社線への乗り入れを前提とした多くの路線が計画されていました。

 

そのほか、川崎市西部の新百合ヶ丘と川崎を結び、川崎市内の移動を便利にすることが期待された「川崎縦貫高速鉄道」や、東武大師線を延ばして西新井と上板橋を繋げる「東武西板線」といった、少し不便な移動が便利になりそうな路線も構想されていました。鉄道によって人の流れや街の役割は変わります。残念ながら未成線となったこれらが開業していれば、今とは少し違った都市の姿があったかもしれません。

 

  

  • 関東を拠点に活躍する鉄道系YouTuber「ひろき」さんのコメント

個人的に1位は「成田新幹線」だと予想していたので、意外な結果でした!

2位の「東京山手急行電鉄」に関しては、僕が通っていた「明治大学 和泉キャンパス」のすぐ傍の線路上に、線路を通すための用地が残っていたりします。


一見すると「ただの空き地」なのですが、ちゃんと調べると歴史があり、設置された理由があります。「もしもここに路線が通っていたら、新宿を通らずに最短ルートで帰れたなあ」「沿線は宅地化が進んで、今よりもっと家賃が高かったのかも」 なんて想像を膨らませながら歴史を学び、街を歩くと、見えている景色の奥行きが深まります。先人たちの意思決定の積み重ねによって、今の鉄道や街が形成されているということを実感し、当たり前の景色・日常をとても尊く感じました。

  

<プロフィール>

2020年明治大学文学部卒業。小学生の頃から鉄道が好きで、全国各地の列車を乗り回す。2019年に「ひろき / 鉄道Channel」を開設し、登録者は11万人以上に成長 (2023年7月時点) 。2023年6月には旅行チャンネルも開設し、鉄道会社や企業とのコラボにも精力的に取り組んでいる。

 

YouTube(登録者11.6万人 ※2023年7月時点):https://youtube.com/@Channel-uv2sg

Twitter(フォロワー2.4万人 ※2023年7月時点):https://twitter.com/guitar_journey_

 

 

  • LIFULL HOME'S PRESS編集部 渋谷雄大(しぶやたけひろ)のコメント

空港アクセスを担う未成線が上位に複数入りましたが、LCC(格安航空会社)の参入などで航空機の利用が身近になった昨今、計画時以上にこれらが「実現してほしかった」と思う人は増えているのではないでしょうか。

 

世界的な観光客の増加で、国際空港ではトランジット需要の取り込みも重要となっています。しかし、キャパシティが限界を迎えつつある羽田空港と成田空港は、両空港の国際線旅客数を足しても、香港空港など東アジアの主要空港よりも少ないのが現状です。もし「羽田・成田リニア新線構想」によって両空港が15分で結ばれれば、さながら同一空港内のターミナル間移動と同等の移動時間となります。これにより羽田空港と成田空港の一体的な利用が可能となり、トランジット需要の取り込みも期待できることから、日本の国際競争力向上をも期待させる夢のある未成線といえるでしょう。

 

また、関東には現在も多くの鉄道計画が存在します。鉄道が開通すれば一般的に不動産価格も上昇することから、それを見越して不動産を購入しようと考える人もいるはずです。しかし、今回調査した未成線のように計画はさまざまな事情で実現しないこともあります。鉄道の開業を期待して不動産を購入する際には、今計画がどの段階にあって実現の可能性はどの程度なのか、開業までの道程を把握したうえで情報を収集し、慎重に判断する必要があるでしょう。一方で、それらを知ることで夢のある不動産購入につなげることもできるといえます。

 

 

  • 調査概要

調査方法:インターネット調査

調査期間:2023年7月11日~7月13日

対象者:一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~60代男女

有効回答数:1,100人



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会社概要

株式会社LIFULL

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URL
https://lifull.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区麹町1-4-4
電話番号
03-6774-1600
代表者名
伊東祐司
上場
東証プライム
資本金
97億1600万円
設立
1997年03月