UPDATER、蓄電池の再エネ属性を判別する充放電トラッキング技術確立を目指すプロジェクトを始動
最初の取り組みとして東京大学田中研究室と、蓄電池への充放電履歴を踏まえた電力属性の整理ロジック研究に着手
ビジネスで社会課題解決を目指す株式会社UPDATER(所在地:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司)は、蓄電池の充放電カラーリング(トラッキング)技術(※1)開発に向けたプロジェクトを開始したことをお知らせします。
本プロジェクトでは、蓄電池に充電された電力が「いつ」「どこで発電された電気なのか」を時間単位で判別・証明する技術の確立を目指します。これにより、蓄電池を経由した電力についても再生可能エネルギー由来であることを証明できるようになり、企業のRE100や24/7カーボンフリー電力(24/7 CFE)への対応の幅を広げる新たな基盤となることが期待できます。
技術確立の最初の取り組みとして東京大学 大学院工学系研究科 田中謙司研究室と蓄電池への充放電履歴を踏まえた電力の由来や属性情報を整理するロジックの研究に着手します。
UPDATERは世界で初めて電力トレーサビリティを商用化した実績を持ちます。本プロジェクトでは様々な関係者と協力の上、その知見を蓄電池領域へ拡張してまいります。

■背景
①再エネ普及の鍵となる蓄電池、しかし「再エネ由来」を証明できない
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、余剰電力を蓄え、必要なタイミングで活用できる蓄電池の重要性が高まっています。国内でも系統用蓄電池の導入計画は急増しており、2025年9月末時点での全国(沖縄除く)の系統用蓄電池の契約申込み容量は約2,400万kWに達し、前年比で約3.9倍という記録的な伸びを示しています(※2)。
一方で、蓄電池の放電電力が再生可能エネルギー由来であることを公的に証明する手段は整備されていません。そのため、太陽光発電などの再エネ電力を充電して放電した場合であっても、企業のRE100報告やGHGプロトコルにおける再エネ利用とすることができない状況があります(※3)。
さらに近年は、GHGプロトコルのスコープ2改訂において、使用した電力と同じ時間帯に発電された再エネ電力との一致を求める「Hourly Matching」の議論が進むなど(※4)、電力属性を時間単位で証明する仕組みの重要性が急速に高まっています。
②蓄電池は「いつ・どこから充電した電気か」を追跡しにくい
既存の電力トラッキング技術は、発電所から需要家への電力供給を追跡することを前提に設計されています。しかし蓄電池は、複数の電源から電気を受け取り、充放電を繰り返しながら系統と双方向に接続されるため、「どの発電所由来の電気をいつ充電し、いつ放電したか」を正確に把握することが技術的に容易ではありません。
この課題は世界的にも認識されており、時間単位の電力属性証書(グラニュラー証書)の国際標準化を推進する非営利団体EnergyTagは、蓄電池を経由した電力の属性管理についても国際標準の整備を進めています(※5)。
※2 経済産業省 資源エネルギー庁|系統用蓄電池をはじめとする発電等設備の迅速な系統連系に向けた対応について|2026年2月9日|https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/smart_power_grid_wg/pdf/007_01_01.pdf
※3 自然エネルギー財団|非化石証書の販売量が急増、電源不明の再エネ電力とCO2フリー電力に注意|2020年11月18日|https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20201118.php
※4 みずほリサーチ&テクノロジーズ|再エネ電力調達に係る3つの論点 GHGプロトコル Scope2ガイダンス改訂|2024年1月|https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/mhri/consulting/articles/2024-k0003/index.html
※5 EnergyTag|Homepage|2025年|https://energytag.org/
■プロジェクトの概要
今回のプロジェクトでは、蓄電池における充放電データと発電データを組み合わせることで、「どの時間帯に、どの発電所由来の電気を充電し、どれだけ放電したか」を判別・証明する技術的手法の確立を目指します。将来的には、発電所・系統・蓄電池・需要家をつなぐ電力データを時間単位で管理し、蓄電池を経由した電力についても再エネ属性を判別できるカラーリング技術を活用したトレーサビリティ基盤の構築を視野に入れています。

■東京大学田中研究室との研究
UPDATERは2020年より東京大学 大学院工学系研究科 田中謙司研究室と共同で家庭の電力データの再現や電力需給の分析に関する研究開発に取り組み、「電力需要データ生成AIモデル(※6)」を開発しました。今回はその連携をさらに発展させ、蓄電池に充電された電力を「いつ・どこで発電された電気として扱うか」を決めるアルゴリズム(以下、配分ロジック)の確立を共同で目指します。
蓄電池は複数の電源から電気を受け取り、充放電を繰り返します。このため、放電された電力が「いつ・どこで発電された電気か」を物理的に一意に特定することはできません。国際標準化の議論でもこの整理は残された課題であり、日本国内では制度・技術の両面で十分な検討が進んでいません。
研究では、蓄電池の充放電データと発電データを組み合わせ、配分ロジックの確立を目指します。将来的には、この研究成果をUPDATERがトラッキングシステムへ実装し、蓄電池を経由した電力についても再エネ属性を証明できる基盤の構築につなげます。

※6 UPDATER|東大×UPDATER、家庭の電力データを再現するAIモデルを共同開発し、利用可能とする“日本初”の試みを実施|2025年8月|https://www.updater.co.jp/news/pressrelease/20250829/
■研究概要
<研究機関>
東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 田中謙司研究室
<研究テーマ>
蓄電池への充放電履歴を踏まえた電力属性の整理ロジック研究
<研究内容>
蓄電池の充放電データと発電データを組み合わせ、電力属性の配分ロジックをモデル化・比較検証する
<研究体制>
UPDATERと東京大学 大学院工学系研究科 田中謙司研究室が共同で研究を推進。UPDATERが電力データ・実運用知見および技術・モデル設計を担い、東京大学が基礎研究・学術的検証を担当
<研究期間>
2026年6月~(成果発表は約1年後を予定)
■このプロジェクトが目指す未来
本研究が実現を目指しているのは、蓄電池を経由した電力についても、「どこで発電された再エネか」を時間単位で証明できる社会です。
この技術が確立されれば、企業は昼間に発電された太陽光の余剰電力を蓄電池に充電し、夜間に利用した場合でも、その再エネ属性を明確に証明できる可能性があります。これは、企業が取り組むRE100や24/7カーボンフリー電力への対応を後押しするだけでなく、蓄電池が持つ「時間をまたいで電気を届ける」という本来の価値を正しく評価する仕組みにつながります。
UPDATERはこれまで、独自のブロックチェーン技術「ENECTION 2.0」を通じて、発電所と需要家をつなぐ電力トレーサビリティを世界に先駆けて商用化してきました。本研究は、発電所から需要家までの電力トレーサビリティを、蓄電池を介したカラーリング(電力の属性管理)へと拡張する取り組みです。今後も技術開発と社会実装の両面から、日本の再エネ普及と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
■株式会社UPDATERについて
2021年10月1日にみんな電力株式会社から社名変更。法人・個人向けにトレーサビリティや透明性を軸にしたサービスを提供し、社会課題解決に取り組む。世界で初めて電力トレーサビリティを商用化した脱炭素事業「みんな電力」、労働市場をウェルビーイングで変革する「みんなワークス」、ブランドのエシカル度を評価・公表する「Shift C」、商品の背景やストーリーをもとに購買できるEC「TADORi」、人・社会・環境に配慮した商品を扱う「みんな商店」、土壌再生に向けた社会全体の行動変容を促す「みんな大地」などを展開。第4回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞、日本で3社のみのCDP認定再エネプロバイダー、エナジープロバイダーとしてB Corp認証を受けるなど受賞・認証多数。
株式会社UPDATER 会社概要
所在地:東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル8F
代表取締役:大石 英司
設立:2011年5月25日
資本金:1億5,382万5,500円(資本準備金1億9,773万9,500円)※2025年12月19日現在
事業内容:脱炭素事業「みんな電力」ほかウェルビーイング、生物多様性等のSXサービスを展開
コーポレートサイト:https://www.updater.co.jp/
■本件に関するお問い合わせ
<報道関係>
株式会社UPDATER 戦略広報部(豊島・上田・邉見)
TEL:03-6805-2228(平日11:00~15:00)
E-mail:pr@minden.co.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
