住まいから、持続可能な水循環を考える 大雨時の排水配慮、協力意向は高い一方で実践には課題

―戸建て居住者調査から見えた、排水配慮と雨水活用への関心―

積水化学工業株式会社

 積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:吉田匡秀)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:太田真人、千代田区内神田1-14-10)は、東京大学大学院新領域創成科学研究科 佐藤弘泰教授(※1)の協力のもと、2026年5~6月にかけて、住まいにおける排水への配慮や雨水活用に関する意識・実態調査を実施しました。

 近年、気候変動の影響による豪雨の増加・激甚化や、都市化に伴う雨水浸透能力の低下、上下水道設備の老朽化など、水に関する課題は多岐にわたっています。安心・安全な暮らしを支えていくためには、様々な対策を重ねていくことが重要です。

 当研究所では、住まいを取り巻く水環境を俯瞰し、暮らしの安心と持続可能性の向上に向けた研究を進めています。その一環として、2024年には「断水への備え」に関する実態調査(※2)を実施しました。今回の調査ではさらに「住まいからの排水」に着目し、生活者の意識や行動実態から、住まいにおける排水配慮の実践に向けた示唆を得ることを目的としました。

 調査の結果、大雨時や災害時の排水への配慮は十分に定着していないものの、その必要性や効果を伝えることで、実践意向の向上につながる可能性が示されました。一方で、排水配慮の必要性を理解していても、実践には一定のハードルがあることも明らかになりました。これからの住まいには、水を使うだけでなく、貯めて活かし、流し方にも配慮する視点が求められます。そのためには、そうした取り組みを無理なく実践できる仕組みを整えること、そして、住まいからできることを一つずつ重ねていくことが重要だと考えています。

調査結果のポイント

1.水に関する不安は 「使う水」 に向く。排水の苦労経験者では 「流す水」 への意識も。  

2.日常の排水マナーは定着。大雨時の排水配慮は協力意向が高い一方、実践には課題。

3.雨水活用は日常利用に高い関心。排水の苦労経験者では流出抑制にも関心。

■調査概要

〈生活者の排水への配慮・雨水活用に関する意識・実態調査〉

調査目的:今後の住まいにおける水との関わり方への示唆を得る

調査エリア:全国(地域・人口密度別人口構成比に準じて回収)

調査方法:インターネット調査

調査時期:2026年5月29日~2026年6月2日

調査対象:戸建住宅(持ち家)に居住する20~69歳の男女

回答者数:1,583名

回答者構成:水に関する苦労経験の有無・内容別に4区分で回収

■調査結果

1.水に関する不安は 「使う水」 に向く。排水の苦労経験者では 「流す水」 への意識も。 

 水に関する不安は全体的に高く、特に、「上下水道料金の値上がり」「災害時の水利用」など、生活に必要な水をこれまで通り使い続けられるかに関する不安が高くみられました。これに対し、「大雨時の排水・浸水」に関する不安は、相対的に低い結果となりました。

 また、水に関する苦労経験者(断水・排水の苦労経験)は、いずれの項目でも未経験者より不安が高く、排水の苦労経験者(浸水・冠水、災害時等の排水困難、排水設備や浄化槽の不具合、悪臭など)では、「大雨時の排水・浸水」への不安も7割程度と高い傾向がみられました。こうした違いから、実際の苦労経験が、その後のリスク認識に影響していることがうかがえます。

 これらの結果から、水に関する不安は「使う水」に向きやすく、住まいから「流す水」に関する課題

は相対的に意識されにくいと考えられます。排水の苦労経験者にみられる不安の傾向を踏まえると、住まいから「流す水」にも目を向ける必要性が示唆されます。

【水に関する不安】

2.日常の排水マナーは定着。大雨時の排水配慮は協力意向が高い一方、実践には課題。 

 排水配慮に関する認知と行動については、排水の苦労経験者の方が未経験者より、認知・行動ともにやや高い傾向がみられましたが、その差は大きくありませんでした。

 項目別に見ると、「水に溶けないものや異物を流さない」「調理後の油を流さない」などの日常の排水マナーは、認知が9割前後と高く、実践も7~8割程度みられ、比較的定着していることがうかがえます。

 一方、雨どいや排水マスの清掃など排水周りの維持管理や、大雨時・災害時の排水配慮では、認知に比べて実践率が低い傾向が見られました。特に、大雨時・災害時の排水配慮については、認知が5割程度であったのに対し、実際に行動している人は2割前後にとどまり、排水の苦労経験者においても実践率は高くありませんでした。

 また、排水配慮が下水道への負荷軽減につながることを示したうえで実施意向を尋ねたところ、大雨時・災害時の排水配慮については、「今後は行動したい」が6割前後を占めました。一方で、「行動したいが難しい」が一定数みられたことからも、必要性や効果への理解が進んでも、大雨時・災害時の排水配慮を実際の行動に結び付けることは容易ではない状況がうかがえました。

【排水配慮に関する認知と行動】

3.雨水活用は日常利用に高い関心。排水の苦労経験者では流出抑制にも関心。

 排水配慮の一つとして、雨水を一時的に貯留し活用する取り組みがあります。近年、自治体においても大雨による内水氾濫の抑制を目的に、雨水タンクの設置支援など、雨水活用を通じて流出抑制につなげる取り組みが進められています。

 そこで、本調査では雨水活用に対する生活者の意識についても確認しました。雨水を一時的に貯めて活用できる場合に魅力を感じる使い方を尋ねたところ、「植物の水やり」「暑さ対策(打ち水など)」「庭・外回りの掃除」など日常利用への関心が高く、「防火用水」「災害時の生活水」といった防災用途についても、日常利用と比べると低い水準ではあるものの一定の関心がみられました。

 一方で、「地面に浸透させる」「豪雨時の下水道への流出抑制」など、流出抑制につながる活用への関心は相対的に低い結果でした。その中でも、排水の苦労経験者ではこうした使い方にも一定の関心がみられ、「雨水を受け止めて流出を抑える役割」にも価値を感じている傾向がうかがえました。

 これらの結果から、日常利用という実感しやすいメリットを入口として、排水インフラへの負荷軽減効果など雨水活用がもつ多様な価値への理解を広げていくことが重要と考えられます。

 また、排水配慮の必要性を理解していても実践には一定のハードルがあることから、生活者の意識や行動だけに頼るのではなく、水を適切に管理する取り組みを無理なく日常に取り入れられる環境や仕組みの必要性も高まっていくものと考えられます。

【雨水活用に魅力を感じる使い方】

※1 佐藤・風間研究室ホームページ 

   https://www.wwmlab.info/

※2 災害頻発化で重要性が増す「断水への備え」の実態調査|株式会社住環境研究所(2024/12/11公表)

   https://www.jkk-info.jp/research/detail/65/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
住宅・マンション
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

積水化学工業株式会社

53フォロワー

RSS
URL
https://www.sekisui.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
大阪市北区西天満2丁目4番4号
電話番号
03-6748-6460
代表者名
清水 郁輔
上場
東証プライム
資本金
1000億200万円
設立
1947年03月