産炭国の石炭採掘・保安技術の向上に貢献
~平成29年度産炭国に対する石炭採掘・保安に関する技術移転事業の全工程を終了~
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:黒木啓介)は、平成29年度産炭国に対する石炭採掘・保安に関する技術移転事業の全工程を終了しました。
本事業は、我が国が保有する石炭採掘・保安技術を、今後、坑内掘りへの移行、深部化・奥部化が見込まれる産炭国に対して技術移転することで、当該国における石炭採掘・保安技術の向上を目的に実施しているものです。
本年度は、中国・ベトナム・インドネシアの3カ国を対象に、我が国への研修生受入(国内受入研修)および産炭国への専門家派遣による現地指導(海外派遣研修)を実施してきましたが、国内受入研修および海外派遣研修とも、2月までに全工程を無事終了しました。
また、カウンターパートである各国政府機関との事業報告会議(運営委員会)では、各国機関から、本研修事業による成果および謝意が述べられました。
■ 中国(国家安全生産監督管理総局国際交流合作センター)
本事業は、中国の炭鉱に多大な貢献・影響を与えており、本事業がスタートした2002年の炭鉱災害による死亡者数は6,995人が、2017年までに375人と、1/18にまで減少。この要因の一つとして、研修事業の貢献が挙げられる。
■ ベトナム(VINACOMIN:ベトナム石炭鉱物産業グループ)
ベトナム炭鉱の生産効率向上、死亡災害数の減少(2017年は7件9名)など、本事業はベトナム炭鉱において多大なる貢献。また、JOGMECとVINACOMINの協力・連携については、プロジェクトの実施に留まることなく、新たな価値を創出。研修生と釧路市民との交流をきっかけに、北海道庁・釧路市とベトナムとの活発な交流ができており、このような関係を促進していくことは大変重要なこと。釧路市は2017年7月、東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンに登録されたと伺った。
■ インドネシア(HRDCGMC:エネルギー鉱物資源人材開発庁 地質・鉱物・石炭人材開発センター)
炭鉱現場での現地指導を実施しているGDM炭鉱をインドネシアにおける坑内掘完全機械化採炭のモデル炭鉱と捉えており、本事業で採鉱・運搬・機械・電気・保安技術の5分野について重点的に指導を行ったことが、着実に商業生産に近づいていることに貢献しているものと高く評価している。
JOGMECは来年度以降も産炭国の石炭採掘・保安技術の向上に貢献するとともに、本研修事業を通じて産炭国との関係を強化し、我が国への安定的な石炭資源の供給確保に努めてまいります。
【参考】
■ 平成29年度事業の実績
【国内受入研修の実績】
中国 | ベトナム | インドネシア | |
保安監督官 | 30名 (3コース) | - | 4名 |
企業管理者 | 16名 (2コース) | 26名 (3コース) | 2名 |
技術者・講師 | 6名 (1コース) | 48名 (8コース) | 14名 |
52名 (6コース) | 74名 (11コース) | 20名 (2コース) |
【海外派遣研修の実績】
中国 | ベトナム | インドネシア | |
指導人数 | 824名 | 4,601名 | 3,017名 |
内容 | 吉林省、甘粛省の 2カ所において セミナー開催 (16日間) |
VINACOMIN傘下の 炭鉱会社にて現地 指導(5~2月) |
HRDCGMCが 指定した炭鉱・ 鉱山系学校にて 現地指導(9~2月) |
■ 参考写真
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http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_06_000366.html?mid=pr_180315
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