【新型コロナウイルス感染拡大に伴う22年新卒エンジニアの採用市場動向】コロナ禍でのオンライン選考によって、約4割の企業が応募者数増加
理系・情報系学生の需要が更に高まる傾向に
<調査サマリー>
- 約5社に1社が採用時期を早期化、そのうち9割以上が「1~3ヶ月」ほど早く採用を開始
- 8割の企業がオンライン選考を導入、そのうち4割以上の企業で応募者数が増加
- オンライン選考のデメリット、「候補者の雰囲気や表情が伝わりにくい」
- 採用ターゲット、3社に1社が「理系・情報系学生」に注力
1.約5社に1社が採用時期を早期化、そのうち9割以上が「1~3ヶ月」ほど早く採用を開始
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全体の20.5%が新卒採用時期は例年よりも「早くなった」という結果になりました。採用終了目標時期は、全体の約25%が2021年4月までと回答しています。また、採用時期が早期化した企業のほとんどが、例年よりも「1~3ヶ月」早まったことが分かりました。
一方で、採用時期が例年よりも「遅くなった」と回答したのは全体の23.8%となりました。そのうちの約7割が「1~3ヶ月」、約2割が「6ヶ月以上」採用を延期しています。これは、対面での選考から、オンライン選考への移行や社内体制の見直しなどが、晩期化の要因として考えられます。
全体の55.7%が、採用時期に「変化がなかった」と回答しました。約半数の学生が、就職活動の動き出しが早期化している*1一方で、半数以上の企業が採用活動時期は例年通りに実施していることが見受けられます。
※1.レバテックルーキー【2020年9月発表】22年新卒エンジニア希望学生の就活動向調査https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000338.000010591.html
2.8割の企業がオンライン選考を導入、そのうち4割以上の企業で応募者数が増加
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、新卒採用を行っている企業の8割がオンライン選考を導入していることが明らかになりました。
オンライン選考のメリットの1位には、「採用予算のコストが削減できた(34.0%)」があげられ、「採用にかかる作業効率が上がった(21.8%)」「地方の優秀な人材と出会えるようになった(18.8%)」「全体の母集団が増えた(14.7%)」と続きます。
実際にオンライン選考を導入したことで、約4割の企業が例年よりも応募者の数が増えたと回答。従来の採用よりも効率的になっていることが見受けられます。選考のオンライン化によって、地方学生の応募増加や説明会や座談会等の参加障壁が下がったことが、背景として考えられます。上記のメリットから、新型コロナウイルス収束後もオンライン選考を継続する企業も多くなりそうです。
3.オンライン選考のデメリット、「候補者の雰囲気や表情が伝わりにくい」
オンライン選考のデメリットとして一番多くあげられたのは、「候補者の雰囲気や表情が伝わりにくい(42.6%)」となり、次いで「正確に候補者をジャッジできているのか分からない(20.3%)」と続きます。
オンライン選考実施において最も不安だったことは、「対面したときのギャップ(22.3%)」、次いで「相手の雰囲気が読み取れない(18.8%)」、「自社の雰囲気が伝わらない(14.7%)」となりました。
メラビアンの法則*では、コミュニケーションにおける相手への印象を決定する情報として、「視聴情報(55.0%)」、「聴覚情報(38.0%)」が大半の割合を占め、「言語情報(7%)」が、最も少ないと提唱されています。選考のオンライン化により、言語情報以外の相手の表情や声のトーンといった、伝わりづらい部分が大きなデメリットとして考えられます。
※1.1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、話し手が聞き手に与える影響を、研究と実験に基づいて数値化したもの。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。
4.採用ターゲット、3社に1社が「理系・情報系学生」に注力
コロナ禍での22年新卒採用において、21卒採用と比べて採用人数が減ったと回答したのは全体の23.8%でした。おおよそ4社に1社が、採用人数を削減しています。
全体の33.6%の企業が、採用ターゲットとして「理系・情報系学生の割合を増やした」かつ「理系・情報系学生に絞った」と回答しました。全体の16.7%の企業で、採用ターゲットのスキル要件が上がったことが分かります。
今回の調査結果より、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ITエンジニアの採用対象学部は、理系・情報系のアカデミックなプログラミング学生経験がある学生や、スキルの高い学生の需要が高まっていることが明らかになりました。
<事業責任者泉澤からの一言>
政府による緊急事態宣言が2021年3月7日まで延長し、新型コロナウイルス感染拡大の収束の目処が経っていない状況の中、多くの企業が採用活動にオンラインを導入していることが明らかになりました。また、採用ターゲットの要件が上がった企業も見受けられました。
オンライン選考は、対面での選考と比べて候補者の雰囲気が伝わりにくいなどのデメリットがある一方で、採用コスト削減や母集団の増加などのメリットも複数挙げられます。
今後、新型コロナウイルスが収束した場合でも、オンライン選考を継続する企業も多いのではないでしょうか。
<調査概要>
調査対象:新卒エンジニアを採用する企業の新卒採用担当者244名
集計期間:2021年1月15日~2021年1月21日
調査方法:Webアンケート調査
有効回答数:244名
レバテック株式会社
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