注意力は呼吸法で高められる ― 認知心理学の手法で実証―
千葉大学大学院人文科学研究院 一川誠 教授が率いる認知心理学の研究チームは、物体の動きの変化に対する人の呼吸が与える影響を調べ、動きの変化に早く反応できるのは息を吐いている時であることを初めて科学的に実証しました。これにより、武道などの指導でこれまで経験的に言われてきた息を吐くことの重要性が、認知心理学の観点からも正しいことが確認されました。今回の研究成果は、日本視覚学会の学術誌『Vision(ヴィジョン)』31号で発表されました。
- 研究の背景
- 研究手法
内発的注意要件での課題の流れ
実験では、16人の大学生を対象に、画面上の左右どちらかの四角の枠の中に提示される×印の位置をなるべく速く答えてもらう課題を用いました。
課題には、瞬間的に枠の明るさが変化する手がかりで強制的に注意を惹きつける外発的注意条件と、矢印による手がかりで意識的に注意を向けさせる内発的注意条件を設けました。また、これらの手がかりがターゲットに対して間違っている場合と正しい場合の2条件を設けました。呼吸については、呼吸の仕方(吸う時・吐く時)× タイミング(呼吸中・呼吸後)の4条件を設けました。
- 研究の成果
正しい手がかりの時に反応が早まる呼吸
間違った手がかりの時に反応が遅れる呼吸
- 研究者のコメント
- 研究プロジェクトについて
- 論文タイトルと著者
著者:小池 俊徳、一川 誠
掲載誌:VISION Vol. 31, No. 3, 87–100, 2019, DOI : doi.org/10.24636/vision.31.3_87 ,
千葉大学学術成果リポジトリ:https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/106275/
一川教授インタビュー記事を以下URLよりご覧いただけます。
http://igpr.chiba-u.jp/info/20190725.html
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