「大規模災害時におけるシェアリング型燃料配送サービス」実現に向けた共同検証の実施
1.背景・目的
近年、異常気象・自然災害の多発により災害時の被害を抑え、早期に復旧させるための災害対策・事業継続への備えは日本経済の安定性の確保、安全・安心・健康な暮らしに向け、年々重要性を増しています。
特に、ライフラインとなる電力の確保は、災害発生時の早期復旧において重要な要素となりますが、非常用発電機を動かすための燃料確保に関するコストや保管スペース、日常管理の負担等より、災害時の長期停電への備えに対して、3日以上の備蓄を備えている企業は少ない実情があります。
加えて、重要継続業務の選定とその継続を念頭に置いた対策を実施している企業は少なく、例えば非常用発電機等の備えがあった場合においても、備蓄量の定量管理や緊急時における配電方法など、実務面においても多数の課題があります。
上記の課題に対し、レジリエンスラボが燃料会社と複数の会員企業との燃料配送契約を取りまとめ、シェアリング型サービスとして燃料を会員企業に供給することで、個別の燃料会社との専属配送契約が難しい企業においても、災害時の必要な燃料を確保することが可能になります。
また、シェアリングの活用により、会員企業一社当たりの費用負担の軽減や、燃料会社の備蓄拠点の活用による燃料管理・保管場所の確保が不要となることで、より多くの企業の重要業務継続を実現し、災害からの早期復興につながる効果が期待されます。
2.共同検証の概要
①実施概要:静岡県東部地域において、災害発生時の燃料配送を想定し、タンクローリーの出動および供給先での燃料の受け渡しを通じ、シェアリング型燃料配送サービスの実現可能性および課題の有無を検証しました。
②実施日時:2023年11月16日(木)13時~16時
③実施場所:静岡県東部地域
特種東海製紙株式会社 三島工場 様(静岡県駿東郡長泉町本宿501)
社会医療法人 志仁会 三島中央病院 様(静岡県三島市緑町1-3)
④協力
三和エナジー株式会社
専修大学 商学部 博士(工学)教授 岩尾 詠一郎 先生
大東文化大学 経営学部経営学科 博士(工学)准教授 清水 真人 先生
SOMPOリスクマネジメント株式会社
3.今後の展開
本検証によりシェアリング型燃料配送サービスの実効性を確認し、将来的には地域における企業同士の燃料のシェアリング・需要供給のマッチングを見据えた、相互扶助のプラットフォームとなるサービス構築を目指します。
また、企業のBCP策定、社内体制構築、重要継続業務における緊急時の必要電力算出など、レジリエンスラボにおける電力系統の知見に基づいた総合的なBCMコンサルティング業務に加えて、本サービスを始めとする実効性のあるソリューションにより、企業の防災・レジリエンス向上に寄与するワンストップサービスの提供を行います。
損保ジャパンは、保険データの活用とグループ会社におけるBCMの知見を通じて本サービスを支えるとともに、レジリエンスラボとの協業による新たなビジネスの創出と拡大を通じて、地域における防災レジリエンス向上に貢献し、「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」というパーパスの実現に向け取り組みます。
また、本共同検証から得られたデータからオーダーメイド型の保険新商品の研究、開発を行い、本サービスの持続的な提供の実現に向け支援していきます。
以上
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