半世紀以上市民と共に歩んできた別府の「生活商店街」『べっぷ駅市場』を未来に繋ぐプロジェクト

九州旅客鉄道株式会社

2023年7月12日 17時19分

　JR別府駅（大分県別府市）は1966年に民衆駅＊1として高架化し、約1kmに渡り高架下商業施設が整備されました。その一部である『べっぷ駅市場（南高架下商店街）』は、開業当初から、精肉店・青果店・鮮魚店等の日常買い回り店舗が多く出店し、別府市民の生活商店街として親しまれてきました。しかし近年、店主の高齢化や郊外型ショッピングセンターの進出等の影響を受け空店舗が増加。竣工後57年が経過し、施設の老朽化も進んでいます。

　このような状況を受け、この度JR九州ビルマネジメント株式会社（本社：福岡市博多区、代表取締役社長執行役員：中野量太）は、株式会社ブルースタジオ（本社：東京都中央区、代表取締役：大地山博）の企画・建築設計監理監修・ブランディングのもと、半世紀以上続く『べっぷ駅市場』の生活文化を次世代に継承するためのリニューアルプロジェクトを実施致します。

　『べっぷ駅市場』は1960年代の開業時から今に至るまで、周辺地域に暮らす人々にとってかけがえのない「生活商店街」です。開業当初から今に至るまで親しまれている店舗もあり、駅市場の存在は別府の貴重な生活文化の一部とも言えます。また、別府市外からここを訪れる人にとっては、「別府のリアルな“暮らし”を体感できる場所」であり、数多くある別府の観光資源のうちの一つでもあります。

開業当初から営業を続けている惣菜店（写真：©︎宮川マロ）

1970年代の『べっぷ駅市場』の様子（写真：©︎FUJITA YOZO）

　駅市場では店主・客層の高齢化が進む一方で、近年、別府駅周辺には多くの分譲マンションが建設されており、若年世代の住人の流入が顕著となっています。本プロジェクトでは駅周辺に新しく住み始めた若年世代にも、『べっぷ駅市場』を身近な生活環境の一部として使いこなしてもらおうという意図があります。

　この度のリニューアルでは、『べっぷ駅市場』の特徴でもある「売り手と買い手の近さから生まれる濃密なコミュニケーション」を継承すべく、現状の中廊下型のヒューマンスケールな空間構成を活かして施設の建て替えを行います。また現在出店している店舗の多くは、そのままの空気感を損なうことなく継続出店頂くとともに、新規店舗誘致にあたっては生鮮三品を中心とした若い世代の営む食料品店や惣菜店などに声がけをし、リニューアル後の未来も別府市民の「生活商店街」として継続していくことを目指します。

　また、『べっぷ駅市場』のみならず別府のまちなかの新しい担い手を受け入れ育てていく場所として、シェアキッチン＊2やチャレンジショップ＊3など、新規創業者のチャレンジを促す区画を新設。さらに駅前広場からの動線整備を行うとともに、飲食店を中心としたエリアを増設致します。

現施設での営業は2023年末頃までを予定。その後段階的な工事を実施して参ります。工事期間中は隣接する施設において仮移転営業を行い、段階的な開業を予定しております。

最後に、2023年7月21日（金）から23日（日）の3日間、『べっぷ駅市場』を会場にしたマーケットイベント「線路シタの夜市」を開催します。現施設での最後のイベント開催となりますので、是非『べっぷ駅市場』の魅力を体感しにお越しください。…詳細はページ下部