Commune Community Lab、「コミュニティトレンド2025」を発表

キーワードは、信頼・SNS共生・AI活用・マイクロコミュニティ・経営戦略化

コミューン株式会社

2025年12月23日 09時00分

コミューン株式会社が運営するコミュニティに特化した研究機関「Commune Community Lab」は、2025年コミュニティの5大トレンドを解説する「コミュニティトレンド2025 by Commune Community Lab」を発表いたしました。

「コミュニティトレンド2025」詳細

背景

2025年、企業によるコミュニティ活用は大きく進展しました。

「コミュニティマーケティング白書2025-2026（速報版）」（※1）によると、「コミュニティマーケティング」という言葉の認知は約7割に達し、過半数（54%）がその必要性を感じていることが報告されました。

特にサブスクリプション型ビジネスなどではコミュニティ活用が先行しており、既存顧客から価値を共創する取り組みが広がっています。市場が成熟し広告や従来手法だけでは差別化が難しい現在、「顧客とともに価値を創る」コミュニティは企業にとって重要な資産になっています。

Commune Community Labでは、企業活動におけるコミュニティの活用をリサーチ・発信する専門機関として日々研究を進めており、2025年の5大トレンドを「コミュニティトレンド2025 by Commune Community Lab」としてまとめました。

コミュニティトレンド2025 by Commune Community Lab

「信頼」というコミュニティ選びの新基準

オンライン上には玉石混交の情報があふれ、フェイクニュースやAI生成コンテンツも増える中で、ユーザーは何を信用すべきか悩んでいます。「アクセンチュアライフトレンド2025」（※2）によると、62%の人々が「信頼」がブランドを選択する際に重要な要素であると答えています。ユーザーが参加するコミュニティを選ぶ際にも「信頼できる場かどうか」が新たな基準になります。
SNSとコミュニティの「共生」構造へのシフト

情報過多の時代、企業は効率的にファンとの関係を構築・維持するためにコミュニティの構造改革を進めています。具体的には、公開型のSNSとクローズドな自社コミュニティを使い分ける動きです。例えばグローバルではYouTubeが2025年に入ってコミュニティ機能を拡充し、新たな交流空間を設けました。「まずSNSで知ってもらい、濃いファンは自社コミュニティへ」という流れは今後ますます一般化するでしょう。
「AI」時代の効率化と人間らしさのバランス

コミュニティ運営にもAIの波が押し寄せており、2025年はAI活用が急速に定着した年といえます。例えば、コンテンツ要約やレコメンデーションなど、コミュニティマネージャーの日常業務を効率化します。一方で、海外では「テクノロジーが高度化する時代だからこそ、人間中心のコミュニティづくりへ回帰する動きが強まっている」という指摘もあります。効率化と温かみのバランスを取ることがこれからのテーマとなるでしょう。
興味や属性による「マイクロコミュニティ」

コミュニティが広がる一方で、より少人数で親密な「マイクロコミュニティ」への注目も高まっています。小さなコミュニティを複数育てることで、メンバーは自分のニーズに合った濃い情報交換ができます。より親密で焦点の定まった対話が可能になる分、参加者のエンゲージメントやロイヤルティが一層高まります。この流れと関連して、コミュニティの有料・限定化も注目されています。今後は「コミュニティ全体の活性度」だけでなく、きめ細かな関係構築をしていくことが重要になるでしょう。
コミュニティの「経営戦略化」

コミュニティ施策は一見すると直接の売上効果が見えにくい部分もありますが、2025年現在、多くの企業が顧客生涯価値（LTV）向上や解約率低減など定量的な成果を認めています。こうした価値が認知されるにつれ、企業内でのコミュニティの位置づけも変化し、全社横断で価値を生む戦略資産として扱われ始めました。コミュニティのROIは「目に見えにくい」と敬遠されがちでしたが、いまや測定可能な成果と経営インパクトが示され始めた段階と言えます。

詳細は「Commune Community Lab」コミュニティの現在地をリサーチし未来像を描くマガジンにて公開しています。

詳細▼

コミュニティトレンド2025｜キーワードは「信頼」「SNS共生」「AI活用」「マイクロコミュニティ」「経営戦略化」

https://note.com/chlorine0528/n/n9bc2dd043670

Commune Community Lab 所長黒田コメント

2025年におけるコミュニティの主要トレンドを国内外の視点から見てきました。キーワードは「信頼」「SNS共生」「AI活用」「マイクロコミュニティ」「経営戦略化」とさまざまです。コミュニティを取り巻く環境は大きく進化している様子が伺えます。

2025年現在、コミュニティ運営が企業にとって「当たり前」の戦略になりつつあるのは間違いありません。市場や技術がどれだけ変化しようとも、人は信頼できるつながりを求める存在です。その本質に立ち返りながら、新たなツールやアイデアも積極的に取り入れていきましょう。この記事を読んだみなさんは、自社コミュニティの可能性をぜひ再点検し、2025年のトレンドを追い風にしていただけたらと思います。

Commune Community Labとは

コミュニティに関するナレッジの生成や蓄積、発信を目的に作られた研究機関です。Communeのお客様に限らず、あらゆるコミュニティを研究対象とし、「コミュニティ」という属人性が高く再現性が低いと考えられている領域を科学します。研究成果は各種メディアや書籍、ワークショップ等でアウトリーチしています。略称「コミュラボ」、ハッシュタグ「#コミュラボ」。

黒田悠介（くろだゆうすけ）

コミューン株式会社の研究機関であるコミューンコミュニティラボ所長。

東京大学卒業後、マーケティング企業2社と起業を経て2013年にスローガン株式会社へ入社。2015年にはフリーランスとして独立し、2017年に日本最大級のフリーランスコミュニティである「FreelanceNow」や、問いでつながるコミュニティ「議論メシ」を相次いで立ち上げる。著書にコミュニティ論『コミュニティシフト』(個人出版)およびキャリア論『ライフピボット』(インプレス)、『コミュニティ経営の教科書』(翔泳社、共著:高田優哉)がある。