最適なモダナイゼーションの計画策定を生成AIで支援する「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」を提供開始

600社超の資産分析実績と大規模言語モデルで、ブラックボックス化したシステムを可視化

富士通株式会社

当社は、企業や組織のモダナイゼーション推進を強力に支援するため、お客様の情報システム資産の調査や分析、ブラックボックス化したアプリケーション構造や特性の可視化、さらに生成AIを活用した設計書生成により、現行システムの全体像を把握し、最適なモダナイゼーションの計画策定を実現する「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」を、2025年2月より日本国内向けに提供開始します。

老朽化、複雑化したレガシーシステムでは、多くの場合、システム設計を正確に把握できる有識者が不在でブラックボックス化しているため、現行システムの調査や分析が困難です。さらに、システム設計書が古い、もしくは一部欠落しているケースも多く、モダナイゼーション推進における大きな課題となっています。

「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」は、現行システムのアプリケーション構造や仕様を可視化する「資産分析・可視化サービス for アプリケーション資産」と、アプリケーション資産から設計書を生成する「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」で構成しています。過去600社以上のシステム資産を分析した当社の実績とノウハウに基づき、アプリケーション資産の全体把握から、新システムに移行すべき資産のスリム化と最適化、メインフレームからオープン環境への移行時の移植性の評価、さらには、生成AIを活用した設計書生成までをトータルに支援します。

「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」では、当社のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術を実装し、ソースコード内にコメントなどがなくても、資産分析データや既存の設計情報などの大量データから、人が理解しやすい設計書を生成できます。これにより、例えば、流通業のお客様のケースでは、人手による設計書生成に比べて約50%効率化できる見込みです。

当社は、モダナイゼーションを含むシステムインテグレーション(SI)において、要件定義から運用保守に渡る全ての領域で生成AIの活用を強力に推進しています。例えば、当社のシステムエンジニアが使用する開発ツールに生成AIを適用することで、従来手作業で行っていた設計、開発、テスト工程における設計書の執筆やソースコードの作成などの業務を効率化します。また、このほど、SIの初期工程(要件定義)における生成AI活用を実現する「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」をお客様向けに提供するなど、あらゆる形で生成AIによる生産性や品質向上につなげSIの変革を加速しています。

富士通のSI業務における生成AI活用領域

当社は、本サービスの提供により、お客様のアプリケーション資産の構造や特性に合わせた現行システムの分析や可視化を通して、お客様のモダナイゼーションを支援し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に貢献します。

「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」の概要

「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」は、アプリケーション資産の全体把握から、モダナイゼーション対象のアプリケーション資産の最適化、メインフレームからオープン環境へ移行する際の移植性の評価までを行う「資産分析・可視化サービス for アプリケーション資産」と、アプリケーション資産からプログラム仕様書(注1)やジョブフロー図(注2)などの設計書を生成する「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」で構成されています。

  1. 複雑なアプリケーション資産を可視化しスムーズな移行を支援する「資産分析・可視化サービス for アプリケーション資産」

    アプリケーション資産の全体把握、スリム化・最適化、移植性評価を支援します。アプリケーションの機能構造を可視化するソフトウェア地図を自動作成する技術により、アプリケーション資産をビルに見立てて、全体を地図形式で表現することで、アプリケーション資産全体の現状を短時間で直感的に把握できます。また、アプリケーション資産全体をプログラミング言語種別ごとに棚卸し、使用されていない資産および類似ソースコードを検出します。さらに、不足または重複している資産を検出することで、移行対象となる資産を明確化し、スリム化を図ります。移植性評価においては、アプリケーションに必要なメインフレームの機能を、モダナイゼーション実績に基づき標準化されたプロセスで効率的に選定し、その中からメインフレームからオープン環境への移行の際に障壁となる機能を抽出し、移植の難易度を評価します。

  2. 生成AIで高品質な設計書生成を支援する「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」
    解析ルールに基づき、機械的にソースコードを一行ずつ解析してシステムの構造を解明する従来の分析手法に、「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for Software Engineering」を組み合わせ、資産理解と設計書生成のさらなる高品質化を実現します。
    本技術では生成AIの一種であるLLM(大規模言語モデル)を活用して資産分析と設計情報生成を行います。具体的には、残存する設計情報や、既存のプログラム解析ツールもしくはLLMを活用したソースコードの静的解析(注3)結果(構文情報、制御フロー、データフロー、呼出関係など)を入力して、資産ナレッジグラフ(注4)を作成します。そこから独自のRAG(注5)機能を用いて設計情報生成の対象とその関連範囲を高度に検索して絞り込み、関連ナレッジグラフとして抽出し、ソースコードと合わせてLLMに入力することで、ソースコードのみで設計情報を生成する場合に比べ、約40%の品質改善を確認(注6)しました。
    また、本技術では、LLMの幻覚(ハルシネーション)を防ぐため、入力情報の絞り込みと、LLMの忘却を検知する機能を開発しました。これにより約95%の忘却防止かつ正確な設計情報生成が可能となり、人によるレビュー作業の効率化が期待できます。

設計情報生成フロー
「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for Software Engineering」を適用した場合の設計情報生成高品質化の例
「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」のメニュー一覧

今後について

当社は今後、生成AIを活用し、現行アプリケーションの仕様の確認やソースコード修正による影響範囲の確認を対話形式で可能にするなど、積極的に生成AIの適用範囲を拡大することで生産性向上を図り、お客様のモダナイゼーションの推進をより強力に支援し、DXの実現に貢献します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1 プログラム仕様書:

プログラムの目的や定義、構成などを記載した文書。

注2 ジョブフロー図:

バッチ処理の流れを図示した文書。

注3 静的解析:

ソフトウェアを実行せずに、ソフトウェア中のソースコードを分析するだけで問題点を検出する手法。

注4 ナレッジグラフ:

グラフ構造のデータモデルを使用する知識ベース。

注5 RAG:

Retrieval Augmented Generation。生成AIの能力を外部データソースと組み合わせて拡張する技術。

注6 約40%の品質改善を確認:

生成された設計情報を正確性、業務抽象性、網羅性で評価。

関連リンク

Fujitsu 資産分析・可視化サービス

Fujitsu Kozuchi

Fujitsu TECH BLOG

世界初! アプリケーション資産活用のためのソフトウェア地図作成技術を開発(2012年2月29日プレスリリース)

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

本件が貢献を目指す主なSDGs

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会社概要

富士通株式会社

59フォロワー

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URL
https://global.fujitsu/ja-jp
業種
情報通信
本社所在地
神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
電話番号
-
代表者名
時田 隆仁
上場
東証プライム
資本金
-
設立
1935年06月