避難所入所受付の所要時間を従来より最大約90%削減 神戸市と避難所入所受付のデジタル化を検証〜新機能導入で有事の混雑を解消〜
AI技術で混雑状況を可視化し、ムダな「待つ」をなくすサービスを提供する株式会社バカン(本社:東京都千代田区、代表取締役:河野剛進、以下「バカン」)と兵庫県神戸市は、2025年2月8日に、神戸市立渚中学校にて、神戸市 灘区・中央区在住の住民を対象に避難所入所受付のデジタル化の実証を実施したことをお知らせいたします。
■目的と背景
近年の自然災害増加に伴い、避難時の混雑を解消し、スムーズで安全な避難を実現するための災害対策の重要性が高まっています。バカンはこれまでも、避難所入所受付のデジタル化の実証実験や、リアルタイム混雑情報、避難所マップの提供等を行い、迅速かつ安全な避難を包括的にサポートしてきました。実際に、200以上の自治体で、避難所の混雑可視化に用いられています。
今回の実証実験では、バカンの避難所マネジメントシステムを使って、従来、紙の避難者カードに記入することで受け付けていた入所手続をデジタル化することで、迅速化し、入所時の混雑の解消、そしてその後の職員によるデータベース化の業務効率がどのくらい向上できるかを検証しました。


■実証実験の概要
実施日 :2025年2月8日(土)
対象者 :神戸市 灘区・中央区在住の住民
検証内容:避難所入所受付のデジタル化の実証
従来の紙の避難者カードへの記入を、アプリ※やマイナンバーカードリーダー、WEBフォームへの入力によってデジタル化し、避難者の入所受付開始から避難者名簿の集約、避難所状況報告までの所要時間の検証を行った。
※本検証は、自治体向け地域交流推進アプリ「tami tami」を用いて行った。

①アプリでのQR読取:避難者が事前にアプリ内で自身の情報を登録(マイナンバーカード読取りで登録、もしくは自身で入力して登録)の上、アプリカメラでQRコードを読み取る
②QR読取でWebフォームに入力:避難者が避難所入所時にカメラでQRを読み取り、WEBフォームから情報入力を行う
③カードリーダーでの読取:避難者がマイナンバーカードをカードリーダーにかざす
④現行の紙媒体への記入:避難者が避難者カードに記入し、職員がExcel等に転記
【検証結果】
従来の手法である避難者カード(紙)への記入は、後工程でのデータベース化を含め避難者あたり1分19秒を要するのに対し、アプリでは7秒、WEB及びマイナンバーカードでは16秒となりDXの優位性を確認できる結果となった。
このことから、デジタル化による避難所運営は、迅速性・効率性・利便性の観点から非常に優れており、災害対策の現場で大きな効果を発揮が見込まれる。特に緊急時には、一刻も早い対応が求められるため、このようなシステム導入は今後さらに重要性を増すことが考えられる。

また、避難者役48人に行った、スムーズな避難所入所受付ができたかのアンケートの結果では、デジタル化した各経路について概ねスムーズであると回答いただけており、マイナンバーカードリーダーは88.6%、アプリは83.9%と高評価であった。このことから、定性的な面においてもデジタル化することの優位性が確認できた。
■避難所マネジメントシステムについて
今回の実証に用いた避難所マネジメントシステムは、複数のサービスを統合し共通のプラットフォーム上で提供しております。スマートフォンアプリ「tami tami」は、日常における地域交流活性化を目的とした機能を搭載しながら、災害発生時においては避難の円滑化を目的に、スマホで入所手続を行える機能等を提供しています。また、避難所の所在や混雑状況の把握を可能とするWEBサービス「VACAN Maps」及び管理者向け機能「VACAN Console」では、避難所で集計された名簿の人数情報をもとに、避難所のリアルタイム混雑状況を自動的に可視化する機能を新たにリリースしております。
本機能により、避難所の入所者数と混雑状況がリアルタイムで管理画面とマップに反映され、職員や災害対策本部は追加作業なく状況を把握でき、住民も適切な避難先を選択できるようになります。

【機能詳細】
・避難所入所手続き
避難者及び避難者の家族等の基本4情報(氏名・住所・性別・生年月日)等を事前登録することで、災害発生時には、避難所に掲示されたQRを読み取るだけで入所受付が可能。
・避難所マップ
マップ上で自分の現在地や、その近くの避難所の位置と開設状況の確認できることに加え、避難所のリアルタイム混雑情報を配信。全国で200以上の自治体に導入済み。
・施設予約
施設ごとの複雑な予約に対応しており、公民館や体育館、スポーツ施設等にも対応可能。
・電子回覧板
掲示板機能を搭載しており、自治体から住民へのお知らせや、住民間でのコミュニティの作成などさまざまなコミュニケーションが可能。
■今後の展望
バカンは、避難所の混雑状況の配信に加えて、今回実証したマイナンバーカード等を活用した入退所管理機能及び避難者名簿の作成を起点として、物資必要量の予測・管理や、避難者データの外部システム連携などの機能を追加実装していく予定です。さらに、日常における公共施設の予約や観光・イベント情報の配信などフェーズフリー活用を目指し、安全でスムーズな避難をサポートするため、さらに多くの自治体と協力し、今後もさまざまな機能の開発を推進していきます。
■株式会社バカンについて
会社名:株式会社バカン
代表者:河野剛進
所在地:東京都千代田区麹町2-5-1 WeWork 半蔵門 PREX South 3F
設立:2016年6月
バカンは経済産業省が選定する官民による支援プログラムJ-Startup 2019選定企業です。AIを活用してレストラン街やカフェ、トイレ、観光地、避難所、投票所などあらゆる場所の空き状況を検知し、デジタルサイネージやスマートフォンに配信しています。また空き状況可視化だけでなく、混雑の抑制・管理なども行っており、空き/混雑データを起点とした「待つをなくす」DXサービスを幅広く提供しています。
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