『平成26年版 パートタイマー白書』を本日発行 「若年非正規雇用」の実態に関する調査発表
調査で分かった若者層と企業をつなぐ「非正規雇用者の正社員化」の可能性
株式会社アイデム(本社:新宿区新宿/代表取締役社長:椛山 亮)の研究部門である「アイデム 人と仕事研究所」は、この度、個人1,527名と企業1,398社を対象に「若年非正規雇用」に関する調査を行い、本日5月29日(木)、その調査結果を発表しました。
当社では、1997年(平成9年)からパート・アルバイト等の非正規雇用に関する調査を行い、毎年、『パートタイマー白書』として発表しています。今年は、非正規雇用の中でも20代から30代の若者層に焦点を定め調査を行いました。
その結果、若年層の生活の実状、非正規雇用に至る経緯、正規雇用への意向などが浮き彫りになるとともに、企業側では若年層の働き手が不足し、正社員化への高い意向が明らかになりました。
本ニュースリリースは、本日発行した『平成26年度版 パートタイマー白書』(全48項目・71ページ)の中から抜粋した発表です。
当社では、1997年(平成9年)からパート・アルバイト等の非正規雇用に関する調査を行い、毎年、『パートタイマー白書』として発表しています。今年は、非正規雇用の中でも20代から30代の若者層に焦点を定め調査を行いました。
その結果、若年層の生活の実状、非正規雇用に至る経緯、正規雇用への意向などが浮き彫りになるとともに、企業側では若年層の働き手が不足し、正社員化への高い意向が明らかになりました。
本ニュースリリースは、本日発行した『平成26年度版 パートタイマー白書』(全48項目・71ページ)の中から抜粋した発表です。
- 非正規の若者の実態
本項目における調査では、23歳から39歳までの未婚の男女を対象に実施し、現在正社員(正職員)、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員のいずれかで働く人に限定しています。また、大学卒業後から現在に至るまでの正規雇用・非正規雇用での就労経験ごとに【A】大学卒業後の初職が非正規雇用で、現在に至るまで1度も正規雇用で就労した経験がない人、【B】大学卒業後の初職は非正規雇用だが、その後正規雇用で就労した経験のある人、【C】大学卒業後の初職が正規雇用で、現在に至るまでも一貫して正規雇用で就労している人に分け、それぞれの割合がおおむね同じになるように調整して調査を行っています。
◆非正規雇用者の年収は「300万円未満」が全体の9割に達し、うち「103万円以下」が3割で最多
23歳から39歳までの未婚の男女に、昨年1年間の年収を聞いたところ、多かった年収帯は「200万円~300万円未満」が25.2%、「300万円~400万円未満」が19.9%となりました。現在の雇用形態別で見ると、現在正規雇用で働いている人の最多年収帯は「300万円~400万円未満」で29.5%であるのに対し、現在非正規雇用の人では「103万円以下」が最も多く29.1%、続いて「200万円~300万円未満」23.1%との結果となっています。現在非正規雇用者の年収を全体的に見ると「300万円未満」の割合は9割にもおよび、非正規雇用で働いている人の年収の低さが顕著に表れています。
◆非正規雇用者(正規雇用経験なし)の約6割が「自活できず」
23歳から39歳までの未婚の男女に、自身の生活費は誰がどのくらい拠出しているのかを、「自分一人で全て拠出している」、「自分一人で大部分を拠出しているが、家族や同居人(パートナー等)など自分以外の人も一部拠出している」、「家族や同居人(パートナー等)など自分以外の人が大部分または全部を拠出している」の3段階で聞きました。就労経験別に見てみると、「家族や同居人(パートナー等)など自分以外の人が大部分または全部を拠出している」は、【A】初職が非正規雇用(正規雇用経験なし)の人では57.1%と約6割に上りました。【B】では39.4%、【C】では29.3%となっており、双方とも「自分一人で全て拠出している」という回答が最多となっていることから、特に、【A】において生活の自立度が低いことが見て取れます。
◆就職活動をした初職非正規雇用の6~8割が「内定0社」
大学卒業後に初めて就いた仕事が非正規雇用だった【A】と【B】の人にその理由を聞くと、「正社員での職が得られなかったから」が51.9%に上りました。また、当時就職活動を行った人に内定社数を尋ねると、【C】初職から現在まで正規雇用のみの人では、95%以上が1社以上の内定を獲得できているのに対し、【A】初職が非正規雇用(正規雇用経験なし)の人の80.7%、【B】初職が非正規雇用(正規雇用経験あり)の人の62.8%が、内定が「0社」だったことがわかりました。
◆現在非正規雇用の6割が「正規雇用で働きたい」
23歳から39歳までの未婚の男女のうち現在非正規雇用で働いている人に、将来的に正規雇用で働きたいかを聞きました。「働きたい」59.9%、「働きたくない」11.6%、「わからない」28.5%と、約6割が「働きたい」という意向を持っていることが明らかになりました。男女別で見ると、女性は男性よりも「働きたい」の回答割合が約10ポイント低く、その分「働きたくない」の割合が高くなっています。
- 企業調査から見える若年非正規雇用者の正社員化への可能性
◆企業における「正社員の不足感」は20代・30代で強い
企業に、自社の正社員とパート・アルバイトの過不足感を年代別に聞いたところ、正社員においては、20代が「不足」と感じている企業は56.3%、30代では47.3%なり、他の世代よりも突出して不足感が強くなりました。年代が上がるにつれて、不足感は少なくなっています。パート・アルバイトにおいても、若い年代の方が不足感が強くなっていますが、正社員と比べるとその回答割合は低く、正社員の方がより強い不足感があることがうかがえます。
◆若年非正規雇用者を自社の正社員として「積極的に雇い入れたい」が約7割20代・30代の非正規雇用の労働者を自社の正社員として雇い入れることについてどのように考えているかを聞いたところ、「積極的に雇い入れたい」18.7%、「どちらかと言えば積極的に雇い入れたい」51.0%、「雇い入れることにはどちらかと言えば消極的である」23.8%、「雇い入れることには消極的である」6.4%となり、約7割の企業に積極的に雇い入れる意向があることが明らかになりました。
◆正社員登用・転換制度が「ある」企業は6割
企業に、自社で働く非正規雇用の従業員を正社員に登用・転換する制度があるか聞いたところ、正社員登用・転換制度が「ある」企業が60.7%、「ない」企業が39.3%でした。従業員規模別に見ると、従業員規模が大きくなるにつれて、正社員登用・転換制度が「ある」企業の割合が高くなっています。従業員規模が「6~29人」の企業と「1,000人以上」の企業の差は30ポイントに上り、大企業では制度として整備されている様子がうかがえます。
◆20代よりも30代の方が“職業経験”を厳しく見られる
企業に、前職が非正規雇用だった20代・30代の労働者を自社の正社員として採用するとしたら、何を重視するか聞きました。「本人の性格・人柄」は、20代と30 代の双方で最も重視されており、それぞれ76.9%、73.2%に上っています。続く「今までの職業経験と自社の業務の関連性」では、20代に対しては43.6%、30代に対しては49.4%、「今までの職業経験の一貫性」では、20代に対して31.6%、30代に対して37.0%、「正社員での就労経験」では、20 代に対して28.0%、30代に対して35.2%の企業が重視すると回答しました。20代に対する重視項目と30代に対する重視項目を比べると、今までの職業経験に関連する項目の重視率は30代の方が高くなる傾向にあり、企業がその経歴をより厳しく見ていることがうかがえます。
本ニュースリリースは、『平成26年度版 パートタイマー白書』(48項目・71ページ)の中から抜粋した発表です。
本白書をご希望の方は、以下の広報担当までお問い合わせください。冊子を郵送にてお送りします。
または、以下のアイデム人と仕事研究所ウェブサイトよりダウンロードしてください。
http://apj.aidem.co.jp/cgi/index.cgi?c=data_examine_list
<発表内容ならびに取材に関する問い合わせ>
広報担当/望月・栗木・浜道 電話:03-5269-8780 Email:kouhousitu@aidem.co.jp
<アイデム人と仕事研究所について>
1971年に設立したアイデムは求人広告事業を展開し、創業以来、求人と求職の双方の視点から市場を見続けてきました。1993年には「アイデム人と仕事研究所」を立ち上げ、パート・アルバイトを中心とした労働力の活用・戦力化に関する研究を進め、企業と労働者双方への調査を毎年行っています。
<株式会社アイデム 会社概要>
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新聞折込求人紙「しごと情報アイデム」、求人フリーペーパー「ジョブアイデム」企画・発行
【人材紹介事業】「Aidem Smart Agent(新卒・転職)」
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