【銀座 蔦屋書店】人間国宝から気鋭作家までを一挙紹介した書籍、『陶芸の美─至高の名陶を訪ねる』(小林真理著)出版記念展を9月17日(土)より開催。
- 概要
このたび、芸術新聞社より8月14日に刊行された『陶芸の美─至高の名陶を訪ねる』の出版を記念して、陶芸作品の展⽰を開催します。約2ヶ月に渡り、4テーマを設け、本書で紹介している陶芸家の作品を展示・販売いたします。
本書では、人間国宝の巨匠から気鋭の若手作家50名の工房を訪ね、陶芸家のその人となり、陶芸に対する思いなどを紹介しています。全国には30箇所にも及ぶ代表的な陶磁器の産地があり、かつては六古窯(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前/2017年に日本遺産に認定)を中心に産地で盛んに稼働していました。現在では産地ごとの陶芸の特徴や作家性もだいぶ薄れ、それぞれの土地で独自の創作活動を展開している陶芸家が多くなっています。
今回は、展示を4期に分けていますが、それぞれにテーマを設け、日本の陶芸の起源から現代までの流れについて、それぞれの作品と共に深く知っていただける内容になっています。
1期では、六古窯にも数えられる備前焼の窯元の中でも三代続く藤原家を紹介します。まさに一子相伝とも言うべき技の伝承が現在まで続いている藤原家。当主の和の作品をはじめ、人間国宝の祖父・啓、父・雄の作品もそれぞれ展示販売いたします。
2期では、「用の美」として知られる益子焼の濱田窯、島岡製陶所の2つの窯を紹介します。現在は孫の濱田友緒、島岡桂が後継者となり、現代の益子焼を表現しています。
有田焼を紹介する3期は、人間国宝の井上萬二、その後継者の康徳、祐希の三代に渡る白磁の表現に触れる展示になっています。時代を超えて受け継がれてきたものをさらに進化させつつ、「白」の表現を見せてくれます。
最後の4期は、次世代の作家たちに焦点を当てます。出発が違う4名の作家たちの作品は、今回の展示の締めくくりとしてふさわしい内容になっています。
本書の中の陶芸家の思いを、作品とともに感じ取っていただけると幸いです。
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/humanities/28724-1046030905.html
- 会期ごとの詳細
第1期:備前つなぐ技 — 藤原啓・雄・和 三世代
期間:9⽉17⽇(⼟)〜9⽉30⽇(⾦)
土と炎の造形から生まれる備前焼は、日本人に愛されてきたやきもののひとつです。今回は親子三世代で作品を作り続ける陶芸家を紹介します。鎌倉時代のような健康的な自然美の初代・啓。南米の古代文明のかたちをアレンジし、豊潤なうつわを目指した2代目の雄。そして、窯を焚くときに月齢や潮の満ち引きなどを計り、成形した形がより自然であるようにと心掛け、焼成している和。それぞれの「備前」をご堪能ください。
第2期:「用の美」を受け継ぐ — 益子焼 濱田窯と島岡製陶所
期間:10⽉1⽇(⼟)〜10⽉14⽇(⾦)
日常から生まれる「用の美」を確立した濱田庄司、後継者の友緒。民藝運動を象徴するやきものでありながら、縄文文化に通じる「縄文象嵌(ぞうがん)」という作陶技法を創案した島岡達三、後継者の桂。江戸時代末頃から鉢や土瓶、水瓶を大量に生産し、民窯として発達してきた益子の中でも、今回は濱田家、島岡家のそれぞれの継承と現在についてスポットを当てます。
第3期:有田の愛する「白」 — 井上萬二・康徳・祐希
6世紀に中国ではじまった白磁は、日本に伝来し、独自に発展してきました。人間国宝・井上萬二は、「飾りのない白磁は形がすべて」といい、陶芸家には形を生み出すセンス、形にする技術、想像力豊かな人間性が必要だと語ります。3代目の祐希は、祖父、父がそれぞれ築いた有田の造形美を受け継ぎながら、独自の新たな境地を生み出そうとしています。
第4期:やきものの国 日本のこれから — 高橋朋子・谷穹・十六世松林豊斎・竹下鹿丸
期間:10⽉29⽇(⼟)〜11⽉11⽇(⾦)
第4期は土地、工房も異なる4名の若手作家の展示になります。
高橋朋子は、白磁の器胎に独自の方法で「金銀彩」を施し煌めきの中にも侘びた風情を持つ作品を生み出しています。
谷穹は、長年にわたり室町期の「古信楽」の技法を追究し、本来、信楽が持っていた崇高な美意識に迫る「蹲」や壺を制作しています。
朝日焼の当主・十六世松林豊斎は、代々受け継いできた「綺麗寂び」の精神を「月白釉」という新しい表現に進化させ、茶碗に現代的な風を吹き込んでいます。益子の竹下鹿丸は、自ら土を堀り、粘土を作ることで土の力を最大限に引き出し、土味豊かで繊細な焼き締めの作品を作り続けています。
それぞれの土地で生み出す個性的な作品には、次世代の力を感じます。
※出品作家は都合により変更になることがございます。ご了承ください。
- 書籍紹介
人間国宝の巨匠から気鋭の若手までをその工房に訪ね、陶芸家の名品と、その人となり、陶芸に対する思いなどをつぶさに紹介。 単なる作家名鑑でも作品集でもない、“日本の陶芸のいま”がわかる本。
著者|小林真理
出版社|芸術新聞社
発売⽇|2022年8⽉14⽇(水)
仕様|B5変型、208頁
ISBN|978-4875866503
定価|3,850円(税込)
- 販売について
※オンラインでは一部作品のみの取り扱いとなります。
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/humanities/28724-1046030905.html
- 展示詳細
会期:2022年 9⽉17⽇(⼟)〜11⽉11⽇(⾦)
1期:9⽉17⽇(⼟)〜9⽉30⽇(⾦) 備前つなぐ技 — 藤原啓・雄・和 三世代
2期:10⽉1⽇(⼟)〜10⽉14⽇(⾦)「用の美」を受け継ぐ — 益子焼 濱田窯と島岡製陶所
3期:10⽉15⽇(⼟)〜10⽉28⽇(⾦) 有田の愛する「白」 — 井上萬二・康徳・祐希
4期:10⽉29⽇(⼟)〜11⽉11⽇(⾦) やきものの国 日本のこれから — 高橋朋子・谷穹・十六世松林豊斎・竹下鹿丸
時間|当店Webサイトをご確認ください。
会場|銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前
入場|無料
協力|芸術新聞社
主催|銀座 蔦屋書店
お問い合わせ|03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/humanities/28724-1046030905.html
- 銀座 蔦屋書店
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