【銀座 蔦屋書店】脳科学者・評論家の中野信子が科学とアートの関係性を探る個展「『数学的崇高』についての脳科学的考察」をFOAM CONTEMPORARYにて9月16日(金)より開催
会期中の9月17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)には脳波測定イベントを実施
Nobuko Nakano「Sternstunde 01」2022
- 概要
脳科学者・評論家として多方面で活躍する中野信子がアーティストとして取り組んだ個展「『数学的崇高』についての脳科学的考察」を9月16日(金)から9月28日(水)の期間に開催いたします。
人間はどのような脳の処理によって複雑な社会性を処理しているのか、人間の進化に芸術はどのように寄与しているのかを探るべく、中野が分類した脳波をアートとして可視化させる試みで、観る者にさまざまな視座を提供します。本展において中野は、従来美学領域で議論されてきた「数学的崇高」をテーマに取り上げました。人間の脳だけが特異的に持つこの認知機能について、その複雑性と解像度をめぐる考察を脳科学から分析し、鑑賞者と共に思考を深める機会を提供する試みを展開していきます。
本展では、実際に測定した作家自身の脳波データを元にデザインした作品や、人間とは認知構造の異なるAIに、人間との差異が際立つキーワードを入力した結果、生成されたイメージを、StareReap 2.5(株式会社リコーによる立体印刷技術)により作成した作品など、約20点をご紹介します。
※StareReap(ステアリープ)|デジタル技術を用いてさまざまな凹凸 ・テクスチャー表現をインクジェット技術により可能とした、株式会社リコー発のアートプロジェクト。
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/28647-1800070831.html
- 展覧会に寄せて
「数学的崇高」についての脳科学的考察
「心は自然の美しいものについての情感的判断においては平静な観照の状態にあるのに、自然のうちの崇高なものの表象においては動かされているのを感ずる。(中略)構想力にとっての法外なものはいわば(中略)深淵であって、構想力はそこで自分自身を喪失しないかと恐れるのである。しかしそれでもこのものは、超感性的なものについての理性の理念にとっては法外ではなく、構想力のこうした努力を生み出す点で合法則的である
―― イマヌエル・カント『判断力批判』
日常的な経験の領域を超えたものを、私たちが好むのはなぜでしょうか。
「崇高」は、しばしば美であるものと相対ないしは凌駕する何かとして認知されます。
批判期のカント崇高論では、崇高は「数学的」と「力学的」に区別され、数学的崇高論では、人間の数学的認知の限界を超えた宇宙のありようが呈示されたとき、それを補完する理論理性の偉大さを崇高と呼んでいます。
脳科学では、人間の数学的認知の限界が既に複数の研究から示されています。この分野の第一人者であるスタニスラス・ドゥアーヌは、5という限界を持つ特殊な数認知構造を持つアマゾンの少数民族を対象に、人間がどのように限界を超えた数を処理しているのかを明らかにしてきました。
私たちの脳は物理的な実質を持ち、その計算能力には限界があります。
その向こうにあるものを、なぜ私たちは見ようとし、それに魅せられてしまうのか。
本展では、人間の脳が持つ認知機能における「数学的崇高」について、なぜそれがこのように大きな領域を必要とし、複雑に発達してきたのかをめぐる考察の一助として、人間の脳機能をシンプルに可視化した作品と、AIが生成する複雑な無限についての作品を対置します。
人間の脳が生成する共通の神経基盤の象徴としてのかたちと、AIの生成するパターン。
立体印刷技術との競演が織りなす、思考実験の世界をぜひお楽しみください。
中野 信子
- 「『数学的崇⾼』についての脳科学的考察」開催記念 脳波測定イベント
本展の開催を記念して、予約制の脳波測定会を行います。ご来場者には脳の状態を可視化するヘッドバンドを装着していただき、特別なシステムを通してリアルタイムで測定したデータを、その場の展示空間に投影いたします。またご希望の方には、測定した⾃⾝の脳波を、ビジュアル化した世界に1点だけのアート作品として別途ご購⼊いただけます。全作品は「StareReap 2.5」にて作成いたします。
■脳波測定体験金額|1人/1000円(税込)
※中野信子は「脳波測定イベント」には参加いたしません。
■脳波測定をビジュアル化したオーダー作品 販売価格
440,000円~550,000円(税込)
■開催日時
9月17日(土)、9月18日(日)、9月24日(土)、9月25日(日)
11:00~19:00 ※30分入れ替え制、各日16枠、1枠3名まで
お申込み方法の詳細は下記URLをご確認ください。
イベント申込URL|https://eventmanager-plus.jp/get/64f783800599a07ed49727ec591e9cdb65cffa6e2e8dea1cfcfee7051b8f37f5
- 展示作品の販売について
店頭|9月16日(金)11:00より販売開始
オンラインストア|9月17日(土)12:00より販売開始
※オンライン上での販売は、⼀部作品のみの取り扱いとなります。
※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。
OIL by 美術⼿帖|https://oil.bijutsutecho.com/gallery/730
- アーティストプロフィール
中野 信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、評論家、医学博士。
東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。東日本国際大学教授、京都芸術大学客員教授。脳科学の専門分野からTVコメンテーターや執筆活動を行っている。東京藝術大学大学院国際藝術創造研究科(博士後期課程)にて科学とアートの関係性を探究し、来春に修了予定。2022年より脳波を使った展覧会のキュレーションも行っている。
- 展覧会詳細
展覧会名「『数学的崇高』についての脳科学的考察」
会期|2022年9月16日(金)~9月28日(水)
時間|11:00~19:00
※9月16日(金)は11時~15時、9月23日(金)は11時~17時までの一般公開とさせていただきます。
定休日|月曜日
会場|FOAM CONTEMPORARY
入場|無料
主催|銀座 蔦屋書店
協力|株式会社リコー、日東電工株式会社
お問い合わせ|03-3575-7755(営業時間内)/info.ginza@ccc.co.jp
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/28647-1800070831.html
- FOAM CONTEMPORARY
柔軟な企画内容をイメージする<液体(LIQUID)>と、従来のホワイトキューブとしての設備を完備した空間<個体(SOLID)>を掛け合わせ、中間的な様態“FOAM”という名のもと、⽇本のアートシーンを多⾓的に映し出す表現空間。
ロゴの最初の“O”は、泡をイメージさせるようにあえて形を崩しています。それは、⽇々変化していく現代のアートシーンそのものを表現しながら、アーティストの⾃由で柔軟な無限に存在する表現のイメージを表しています。
時代のアクチュアリティーに寄り添いながら、ライフサイクルを超えたところにあるアートの価値や醍醐味を探求、醸成する表現空間として、キャリアや年齢を問わず注⽬すべき様々なアーティストを紹介していきます。
Instagram|https://www.instagram.com/foamcontemporary/
- 銀座 蔦屋書店
本を介してアートと⽇本⽂化と暮らしをつなぎ、「アートのある暮らし」を提案します。
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- CCCアートラボ
私たちは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中でアートに関する事業を行う企画集団です。「アートがある生活の提案」を通じてアートを身近にし、誰かの人生をよりハッピーにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、専門的なアプローチで企画提案を行います。
https://www.ccc-artlab.jp/
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