1970年代の全国の茅葺き民家261軒の貴重な写真集『新版 茅葺き民家』6月発売
在し日の、日本の原風景がここに。
高度成長の只中で、急激に姿を消していった日本各地の茅葺き民家の姿を収めた写真集。1970年代を中心に、人が実際に暮らしている日本各地の民家を訪ね、春夏秋冬の風景を収めた30年の旅の記録です。農耕、養蚕、牧馬など、地域の暮らしにあわせた民家の様子、民俗学・建築学の観点から見ることができる本書はとても貴重です。今ではもう見ることのできない、日本の原風景と人の営みを感じる261枚が収録されています。
岩手
昔から名馬の産地として有名な岩手。囲炉裏で馬の背を暖めて共に暮らした優しい造りの曲り家は、盛岡市から遠野にかけて広く見られました。
秋田
しばし見とれてしまうような、美しい線の流れで構成された屋根をもつ秋田の民家。豪農の家だけでなく、山あいの小さな家もそれなりに見事な両中門をもっていました。
福島
浜通り、中通り、会津と言われるように、地形の変化に従ってさまざまな姿の民家が見られました。
長野
寄棟の家が主だが、険しい山あいを行く甲州街道、中山道、深い渓谷沿いの千国街道(塩の道)、豪雪地を行く北国街道など、それぞれ特徴ある姿を見せてくれます。また北国街道では、豪雪に備えて屋根面積を少なくした越後風の建て方の家がありました。
岐阜
世界文化遺産に指定された合掌造りの民家。残雪が白く輝く白山を背景に、何層もある大きな合掌造りの家は見事です。
三重
東海道、伊勢街道、大和別街道、熊野街道と、多くの街道が行き交う平野部の亀山、上野、名張では、銀色に光る瓦屋根とよく手入れされた茅葺き屋根が混在する町家が見られました。
目次
民家を訪ねて
北海道/青森/岩手/宮城/秋田/山形/福島/茨城/栃木/群馬/埼玉/千葉/東京/神奈川/山梨/長野/新潟/富山/石川/福井/岐阜/静岡・愛知/三重/滋賀/京都/大阪・兵庫/奈良/和歌山/島根/岡山/広島/山口/徳島/愛媛/福岡/佐賀/大分/宮崎/鹿児島
資料
民家のかたち/掲載地地図
著者プロフィール
佐野昌弘(サノマサヒロ)
1932年横浜に生まれる。1964年テレビ局美術部にて背景写真を撮影。民家の撮影を始める。1985年この年より、NYストック・マーケット社他20数ヶ国に向けてCG映像を制作。個展は、1996年5月横浜、吉田町画廊にて個展「写真と水彩による民家展」。1998年11月東京、銀座フジ・フォトサロンにて個展「ふるさとの民家」。1999年11月横浜駅西口オープン・ギャラリーにて個展「ふるさとの民家〈夏から秋へ〉」。2000年2月横浜駅西口オープン・ギャラリーにて個展「ふるさとの民家〈冬から春へ〉」。2000年5月東京ビッグサイト・エコグリーンテック2000にて写真展「民家の小路」。出版は、1998年エッセイ写真集『かやぶき民家の四季』(扶桑社)刊行。1999年浄土宗報恩明照会『THE 法然』誌に「故郷の情景かやぶき屋根の四季」を発表。
書籍情報
書名:新版 茅葺き民家
著者:佐野昌弘
発売日:2024年6月
仕様:A4変形判 並製 総208頁
定価:3,630円(10%税込)
ISBN:978-4-7661-3908-2
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