イノベーションワークショップ2019-2020『テクノロジーが牽引する社会変革』第1回、第2回開催

講演サマリー

フューチャー イノベーション フォーラム(代表:牛尾治朗・ウシオ電機株式会社会長、金丸恭文・フューチャー株式会社会長兼社長、以下FIF)は、業界や業種を越えて企業同士が交流を深め次世代リーダーが相互研鑽する場として2007年から毎年テーマを設定し、ワークショップを開催しています。
2019年秋にスタートした本シリーズは「テクノロジーが牽引する社会変革」をテーマに、データの利活用と企業や政府、自治体の連携がどのような付加価値を生み、ビジネスや社会構造を変えていくのかを全3回の講義、ディスカッションをつうじて考察します。第1回は、各業界のデータを連携させることで新たなサービスを生むMaaS(Mobility as a Service)をキーワードに、企業や業界の垣根を越えいかに産官学が連携することで社会実装を進め、新たな価値を創出していくのかを産官学それぞれの視点から考える回となりました。また第2回は、キャッシュレス決済をめぐる世界の動向や先進事例に触れ、2020年9月より開始予定の「マイナポイント事業」の最新動向や目的、活用法を紹介いただきました。本回は新型コロナウイルスの影響を考慮し、初の試みとして講演のライブ配信を行い、オンライン上で視聴者との質疑応答を行いました。

■各回テーマ(開催日)
第1回 MaaS~産官学の連携で実現するモビリティ革命(2019年11月15日)
第2回 キャッシュレス決済がもたらす社会変革~世界と日本の最新動向(2020年2月18日)
第3回 真のDX実現へ向けて~経営ビジョンとIT部門の役割(仮)(2020年初夏 開催予定)

■第1回 MaaS~産官学の連携で実現するモビリティ革命
【開催概要】
 特別講演:「日本版MaaSの実現に向けて」
 東京大学 モビリティ・イノベーション・連携研究機構長
 東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター 教授 須田義大
 パネルディスカッション:「産官学の連携による豊かな社会づくり」
 須田義大
 小田急電鉄株式会社 経営戦略部 課長 西村潤也
 横浜市 都市政策局 企画部 企画課長 松井恵太
 日時:2019年11月15日(金)18:00~20:00
 会場:フューチャー株式会社(東京都品川区)
                                                                         
【特別講演】「日本版MaaSの実現に向けて~モビリティ・イノベーション」
 東京大学 モビリティ・イノベーション・連携研究機構長
 東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター 教授 須田義大

ここ数年、学問の融合がイノベーションを生み出す源泉になっていることを肌で感じています。国際的な会議でも「MaaS」と「自動運転」は重要なキーワードになっており、日本社会にマッチしつつも国際競争力のある日本版MaaSを実現するためには、産官学の協力が不可欠です。
未だ各人の立場によってMaaSの定義は曖昧ですが、MaaSのレベルは4段階で捉えられており、移動主体が独立したままサービスを提供する「レベル0」に始まり、政策や制度、社会インフラに組み込んでいく「レベル4」まであります(図参照)。フィンランドには自動車産業がなく、公共交通へのシフトが比較的容易だったことから、MaaS Global 社が「レベル3」に分類されるアプリケーション「Whim」を開発しました。しかし「レベル4」に関しては、世界でもまだ成功事例がありません。また、Uberのようなシェアサービスの台頭やGAFAの席巻を背景に、自動車産業においても近年ダイムラー社が提唱したCASE(Connected, Autonomous, Shared & Service,Electric)が進行しています。           

これは、自動車メーカーがモビリティのサービスプロバイダへ変わるという戦略を表現しており、「所有」から「サービス」へシフトすることでMaaSに取り組んでいることがわかります。
昨今、自動運転の実現に向けて「道路交通法」や「道路運送車両法」の改正が成立し、2020年までのロードマップができました。それにともない各地で様々な実証実験が行われています。2018年2月には全日本空輸とSBドライブ社が遠隔監視操作型無人自動運転のバスを公道走行させ、2019年11月からは12団体が各事業者のデータを活用して、柏の葉(千葉県柏市)の公道で自動運転バスの営業運行の実証実験を開始します。また、2020年1月には新東名高速道路でトラックの隊列走行の実証実験を行い、エネルギー消費の低減と後続車両の無人化による物流への適用メリットを検証します。
MaaSといっても大都市、過疎地、観光など解決すべき課題は様々ですが、いずれもいかに良いモビリティシステム、エコシステムを作っていくかが課題です。また、新規ビジネスと産業の発展という最適な循環を作るには、MaaSにおけるユーザー目線が大事ですが、事業者がうまく儲かるしくみも大事です。今後、様々なサービスが台頭してくるなかMaaSの設計にあたっては地方自治体が核となって地域のモビリティサービスを検討し、公共交通オペレーターが中心となってエコシステムを創っていくのが望ましいと考えています。

■第2回 キャッシュレス決済がもたらす社会変革~世界と日本の最新動向
【開催概要】
 講演1:「キャッシュレス経済の新潮流」
 フューチャー株式会社 取締役、フューチャー経済・金融研究所 所長 山岡浩巳
 講演2:「Mr.マイナンバーが語る『マイナポイント』最前線」
 内閣官房 番号制度推進室 情報通信技術(IT)総合戦略室、内閣府 大臣官房番号制度担当室 企画官 浅岡孝充
 取組案:「キャッシュレス決済で広がるビジネスデザイン」
 フーチャーアーキテクト株式会社 執行役員 鈴木研二
 日時:2020年2月18日(木) 17:00~19:00
 会場:フューチャー株式会社(東京都品川区)

【講演1】「キャッシュレス経済の新潮流」
 フューチャー株式会社 取締役、フューチャー経済・金融研究所 所長 山岡浩巳

世界ではキャッシュレス化が進んでいます。キャッシュレス先進国スウェーデンでは、商店は「現金お断り」の看板を立て、銀行店舗の多くが現金を取り扱わないなど、現金がキャッシュレスよりも不便になり、現金離れが加速しています。キャッシュレスの経済効果は現金関連コストの削減に留まらず、ケニアのM-PESAのように、銀行を介さずスマホ経由での金融サービスが普及する形で、金融包摂が一気に進みました。また決済に伴うデータを収集し活用したいという思惑から、米GA FAや中国B A Tなどの巨大I T企業が次々に参入し、たとえばアリババが展開するA l i p a yのスマホアプリは、チケット予約から保険、投資と幅広い機能を備え、今や中国の人びとの生活に欠かせないツールです。一方、日本はクレジットカードや電子マネーなど決済手段は多いのですが、キャッシュレス支払比率は20%未満と世界でも極めて低い状況です。キャッシュレス化を日本経済の発展につなげるには、これを経済のデジタル化という大きな潮流の1つと捉える必要があります。エストニアでは全国民が持つ「電子I Dカード」に免許証、保険証などあらゆる行政・民間サービスを紐づけており、デジタル化を考える上で大きなヒントになるでしょう。また、データのセキュリティやプライバシー保護について利用者の安心を確保していくことも重要です。

【講演2】「Mr.マイナンバーが語る『マイナポイント』最前線」
 内閣官房 番号制度推進室 情報通信技術(IT)総合戦略室
 内閣府 大臣官房番号制度担当室 企画官 浅岡孝充

マイナポイントとは、マイナンバーカードとキャッシュレス決済を連動させてポイントを付与する新しい制度です。2020年9月からマイナポイントを活用して消費平準化対策を実施します。マイナンバーを取得し、マイナポイントを申し込みいただいた先着4,000万名が対象です。流通・交通系の電子マネーやQRコード決済など様々なキャッシュレスサービスの中から1つだけ選んで利用していただき、チャージまたは買い物をした金額の25%分のマイナポイント(上限5,000)を還元するものです。つまり2万円チャージすると、5,000円分のポイントを還元します。この事業に対し、「消費増税をする必要があったのか」という声も聞かれますが、将来、国や地方公共団体が行う各種現金給付をマイナポイントで行うことも視野に入れ、行政と民間のサービスが共同利用できるキャッシュレス決済の基盤を築くものです。またマイナンバーカードは、安心安全なデジタル社会の基盤でもあります。2023年3月までにはほぼ全ての住民に取得していただき、国民が自分のデータを自分でコントロールできる、データ利活用社会を実現したいと考えています。

【本ワークショップに関するお問い合わせ】
 フューチャー イノベーション フォーラム事務局 
 TEL:03‐5740‐5817 
 URL:https://www.fif.jp
 Facebook:https://www.facebook.com/fif.2006
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