【ThinkTalk Dayレポート】公的機関でのTikTok活用は「正しい設計」と「継続すること」がポイント
2023年11月24日に開催された、TikTok主催の公的セクター向けシンポジウム「ThinkTalk Day」のレポートが公開されました。本リリースは当社COO中村が登壇した場面の一部をご紹介します
株式会社スターミュージック・エンタテインメント取締役COO 中村雄太が、2023年11月24日におこなわれたTikTok Japan主催の公的セクター向けシンポジウム「ThinkTalk Day 〜ショート動画が社会に与える影響と、公的セクターにおける活用のしかた〜」に登壇しました。
■ ThinkTalkとは
本イベントのタイトルにも冠された「ThinkTalk」は、その名の通り“考える”+“話し合う”ことを目的としたTikTokの公共政策ジャーナルです。TikTokを用いた公共政策の明日を、公的セクターの皆さまとともに考え、話し合うきっかけとなることを目指し、3カ月に一度のペースで発行しています。
初開催となった本シンポジウムでは、会場・オンライン配信を合わせて480名以上の公的セクターのみなさまが参加し、政府有識者や専門家、動画クリエイター、実際にショート動画を活用する自治体や企業の方々がさまざまな議論を展開しました。
中村は、谷浩明氏(杉並区広報専門監)、笠原一英氏(TikTok Japan)と、公的セクターがショート動画を活用する際の導入メリットや課題、その解決方法について議論。
本リリースでは、中村が議論した3つのテーマ「公民連携のポイント」「自治体などの公的セクターでの活用方法」「効果測定について」の内容をご紹介します。
公民連携のポイント
ーーTikTokを活用する上で具体的にどのように連携を進めていらっしゃいますか?
中村:私たちが公的機関との連携で心がけているのは「共創」です。
TikTokを活用するにはクリエイターに「丸投げ」してもうまくいかないため、伝えたいメッセージを意識し、クリエイターにそれを伝えた上で一緒につくる姿勢が成功のポイントだと思います。
「自治体からストレートに伝えてもなかなか届かないメッセージを、クリエイターというフィルターを通すことで効果的に伝えられる」ということがクリエイター起用のメリットです。
笠原:TikTokの公民連携は「公的機関それぞれが行っている政策を、プラットフォームを活用して届ける政策貢献(CSR活動)の取り組み」だと位置付けています。
ショート動画をつくる際は、観光などの分かりやすいテーマだけでなく、防災啓発や青少年の安全なインターネットの活用方法といった難しいテーマをいかに分かりやすく伝えるか、がポイントになります。
そのためには「動画の目的は何か」「伝えたい相手は誰か」を明確にし、「いかに設計図を正しく描くか」が大切です。
■ CSR活動とは
corporate social responsibility(企業の社会的責任)の略語
予算の有無による自治体などの公的セクターでの活用方法
ーー予算があるに越したことはありませんが、常に潤沢な予算があるとは限りません。予算が少ない中でどのような活用方法があるとお考えですか?
笠原:TikTokアプリ内の動画編集用のテンプレートに含まれる「フォトモーション」機能を紹介します。
写真素材が数枚あれば簡単に動画をつくることができます。(実際の動画を見せながら説明)
中村:一方で、予算があるとどう変わるかを実際の事例をお見せながら解説します。
事例として取り上げるのは、Star Creation所属のTikTokクリエイター「れもんえいみ」が制作した選挙啓発動画です。
部屋の中でユーモラスに話す様子を投稿するれもんえいみが、いつもの動画と同じようなフォーマットで選挙の話題について触れることで、違和感なく自然にメッセージを伝えられる動画となっています。
職員の方が制作する場合でも、クリエイターに依頼する場合でも、継続することが一番大変なので「肩肘張らずにトライしていくことが大事」です。
笠原: いきなり週3回も投稿するのは難しいので、月に1回でも2ヶ月に1回でも良いので、投稿を続けていただきたいですね。
効果測定について
ーーショート動画活用の成果をどのように住民や関係者、自治体にどのように説明すれば良いのでしょうか?
笠原:ショート動画やTikTok LIVEは実績が数値として明確に出るため、効果を測りやすいです。ショート動画であれば、視聴数に加え「いいね」や「コメント」「シェア」「セーブ」といった数値も参考になります。
ただ、難しいのは目標設定だと思います。どうしても数値が伸びやすいテーマ、伸びにくいテーマがあるので、例えば視聴数10万回といっても一概にその効果が評価しづらい。
エンゲージメント率(視聴数に対するユーザーのいいねやコメントなど反応)を指標にして、この数値が例えば2〜5%程度あればきちんと反応が起きているな、といった効果の測り方もあります。
また、コメントの中身自体もポジティブ、中立、ネガティブに分類し、内容を定量的、定性的の両面から評価することも良いと思います。
担当者がコメントに対してどれだけ返信できたかという「返信率」を指標のひとつとする公的機関も存在します。
中村:コメント欄はいわばクチコミなので、しっかりと注視しています。
また、TikTokは数あるプラットフォームの中でも「多くの人に知ってもらう」という面で圧倒的に優れていると感じています。
数値を測定して他のプラットフォームと比較することで、TikTokの特長を生かした使い方をしてほしいと思います。
谷:複数の自治体で広報アドバイザーをする中で思ったことは「コメント欄の活用は広聴活動」だということです。
コメント欄には住民のニーズが現れるので、しっかり効果測定をしてPDCAを回していくことが大切です。
■ PDCAサイクルとは
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取った仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようという概念。
まとめ
中村は、公的機関とクリエイターとの協力をもとに「共創」の重要性、メッセージを効果的に伝える方法、予算の制約を乗り越えるアイデアを示しました。
デジタルコミュニケーションの新たな地平を切り拓く、ショート動画の効果測定に関する実践的なアプローチも提供され、示唆に富んだ内容となりました。
本シンポジウム全体のレポートはTikTok Japan公式noteで公開されておりますので、あわせてご確認ください。
TikTok Japan【公式】実施レポート
中村雄太
株式会社スターミュージック・エンタテインメント 取締役COO
【経歴】
1989年生まれ、埼玉県出身。19歳からのDJ活動を経て、株式会社スターミュージック・エンタテインメントの創業期にジョイン。現在は音楽・ショート動画・クリエイターエコノミーを軸に事業を手掛ける。総フォロワー数3億人超の国内最大級MCN「Star Creation」を運営。
著書に『ショート動画戦国時代「タテ型」「短尺」スマホ動画がビジネスを変える!』
(2022年12月|双葉社)
【主な略歴】
2020年12月:TikTok for Business Year-End Event 2020|登壇
2021年11月~:日本工学院八王子専門学校ミュージックカレッジ|特別講師
2021年8月~:音楽マーケティングブートキャンプ|講師
2022年3月:バンタンクリエイターアカデミー東京校|ゲスト講師
2022年5月:Music Ally Japan デジタルサミット 2022|登壇
2022年9月:Influencer’s Award 2022|審査員
2022年12月:ショート動画戦国時代(双葉社)|出版
2023年1月:FMPJ NEW YEAR CONFERENCE 2023|登壇
メディア関係者の皆様へ
本リリースに関する各種お問い合わせは、当社ホームページのお問い合わせフォームもしくは、 info@starmusic.co.jp からお願いいたします。
Star Creation
株式会社スターミュージック・エンタテインメントが運営するStar Creation(スタークリエイション)は、TikTokやYouTubeを中心に活躍する総勢1000名超のクリエイターをマネジメント・ネットワークし、総フォロワーは3億人を超えるMCN(マルチチャンネルネットワーク)です。
TikTokの豊富な経験と実績を生かし、TikTokやYouTubeを中心に影響力のあるクリエイターと共にコンテンツの制作、ショート動画を活用したマーケティングソリューションを提供しています。
クリエイター達と共に、今後さらに拡大していくクリエイターエコノミーやショート動画市場の活性化に大きく貢献していくことが私たちのミッションです。
https://star-creation.com/
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