米子高専科学部、国際学生科学技術フェアの物理学・天文学分野で優秀賞4等受賞
米子工業高等専門学校(鳥取県米子市 校長:山口利幸 以下「米子高専」)の科学部学生(吉田浩瑛(4年機械システムコース)、前田孝太朗(3年化学・バイオコース)、鐘築昇太郎(2年機械システムコース))は、日本の公開天文台の天体観測用分光器保有率が2割弱にとどまるのは分光器が高価かつ自作困難であることが原因であると考え、既製品より安い費用で2~3倍の性能を持ち自作が容易な天体観測用分光器を開発しました。そこで、その研究開発を国内の科学技術コンテストで発表したところ国際大会で発表する日本代表に選出されました。そして、2024年5月12日~17日に67の国と地域から1699名の代表が参加してアメリカのロサンゼルスで開催されたレジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF2024)で発表し、物理学・天文学分野で優秀賞4等を受賞しました。彼らはこの成果により7月29日に文部科学省で文部科学大臣表彰を受賞します。
◆天体観測用分光器の開発と地元の公開天文台への寄贈
天体分光観測は天体の物理状態を調べる上で欠くことのできない重要な観測です。しかし、国内には100ヶ所以上もの公開天文台があるにもかかわらず、そのうち天体観測用分光器を保有している天文台はわずか2割弱にとどまっています。これは、分光器の既製品が小型の物でも約100万円と高額であることと、分光器の構造が複雑で自作も困難であることに原因があると考えられます。そこで、米子高専科学部は顧問であり天文学者でもある竹内彰継教授の指導を受けながら自作しやすい簡単な構造の天体観測用分光器を設計・製作しました。この分光器は、製作にかかる費用が25万円と同じクラスの既製品と比べて非常に安価であるにもかかわらず、テスト観測で既製品の2~3倍の分解能であることが示され、非常に有効な分光器であることが分かりました。
米子高専科学部は、鳥取県教育委員会の高校生の自主活動予算である「とっとり夢プロジェクト事業補助金」の交付を受け、この天体観測用分光器を2台製作し、地元の公開天文台であるさじアストロパークと米子市児童文化センターに寄贈しました。
◆国際学生科学技術フェアの物理学・天文学分野で優秀賞4等を受賞
米子高専科学部は、この開発研究を2023年12月9日~10日に東京お台場の科学未来館で開催された朝日新聞社主催の第21回高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC2023)で発表したところ、ソニー賞を受賞し国際大会で発表する日本代表に選ばれました。そして、2024年5月12日~17日に67の国と地域から1699名の代表が参加してアメリカのロサンゼルスで開催されたレジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF2024)で発表し、物理学・天文学分野で優秀賞4等を受賞することができました。彼らはこの成果により7月29日に文部科学省で文部科学大臣表彰を受賞します。
米子高専科学部は、今後学校のホームページにこの分光器の図面や製作方法を掲載し、国内の公開天文台の研究員の方々に、この分光器を製作していただけるようにする予定です。
◆米子工業高等専門学校について
米子工業高等専門学校は、国内そして鳥取県を代表する国立の高等教育機関として、昭和39年に創設しました。また、第4次産業革命、Society5.0などの社会変容が急激に進む中において、時代の変化と技術の急速な進歩に対応すべく、令和3年4月、これまでの5学科を、1学科・5コース制の「総合工学科(機械システムコース、電気電子コース、情報システムコース、化学・バイオコース、建築デザインコース)」に改組しました。
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 米子工業高等専門学校
所在地:鳥取県米子市彦名町4448
校長:山口 利幸
設立:1964年
URL:https://www.yonago-k.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
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