気候変動対策に活用される海洋観測装置（アルゴフロート）展開に協力

株式会社商船三井（社長：橋本剛、本社：東京都港区、以下「当社」）は、グループ会社である商船三井ドライバルク株式会社（社長：福井利明、本社：東京都港区）が運航する大王製紙株式会社向け木材チップ船「VANGUARDIA」（船主：株式会社明治海運、以下「本船」、読み：ヴァンガルディア）より、気候変動対策に活用される海洋観測装置（アルゴフロート、註1）3台を2025年5月にチリ沖に投入しました。

アルゴフロート投入の様子

本船

アルゴフロートは、世界気象機関等が協力の下、25か国以上の国・地域が参画する、気候変動に影響を及ぼす海洋内部の変動をリアルタイムにモニタリングする海洋観測システムの構築を目指す国際プロジェクト「アルゴ計画（註2）」を支えるものです。現在、約300km四方に1台、全世界で約4000台のアルゴフロートが常時稼働しており、日本では、国立研究開発法人海洋研究開発機構（以下「JAMSTEC」）と気象庁が中心となって、毎年約100台程度のアルゴフロートを投入しています。この全球モニタリングを長期にわたり継続するためには、常にアルゴフロートの観測空白域の充足に努めなければならず、参画する国の研究機関の観測船だけでなく、他機関、民間、非営利団体などの協力が欠かせません。国際アルゴ計画の運営チームでは、これらの企業、団体のサポートによるフロート投入が、アルゴ計画にとって今後ますます重要になると考えられています。

当社は、今後も、当社グループの船舶と航路を活用し、アルゴフロート投入への協力を継続します。加えて、当社が運航予定事業者として選定されているJAMSTECが建造中の北極域研究船「みらいⅡ」の運航（註3）と併せて、気候変動対策だけでなく、海洋環境保全、生物多様性保護、大気汚染防止などの取り組みをグループ一丸となって進めてまいります。

(註1) アルゴフロートは、全長約2m、重量約20kg程度の小型観測機器。本体の中に、浮き沈みをするための機構、センサー、通信機構など、様々な機能が搭載されている。フロートは一旦投入されると、本体に搭載されているコンピュータと電池によって約4年間自動で観測を行う。

(註2) 国際的な海の観測網−Argo−海から地球環境を読む＜国立研究開発法人海洋研究開発機構（JAMSTEC）

(註3) 北極域研究船に関する当社プレスリリース・お知らせ：
- 2023年8月10日付
プレスリリース「JAMSTECの北極域研究船運航予定事業者に決定」
お知らせ「北極域研究船の船名を募集しています～特設ウェブサイトにて応募受付中です～」
- 2024年2月22日付
お知らせ「当社運航予定のJAMSTEC北極域研究船の船名が「みらいⅡ」に決定しました」