アクセンチュア最新調査――製造業のレジリエンス向上には地域内で生産・供給する「地産地消」とデジタル技術の活用がカギ

レジリエンスに優れたエンジニアリング、供給、生産、オペレーション機能を備える企業は、混乱期においても年間3.6%の追加増収を達成

アクセンチュア株式会社

アクセンチュアの最新調査「製造業におけるレジリエンス 」によると、企業は地域のサプライヤーとの関係や生産施設を増強し、混乱に強い体制の構築に取り組んでいることが明らかになりました。また、2026年までに主要品目のほとんどを地域内のサプライヤーから購入する計画の企業は65%に上り、現在の38%から増加することも判明しました。さらに、85%の企業が2026年までにほぼ全ての自社製品を同じ地域で生産・販売することを計画しています(現在は43%)。

本調査は、不安定な社会情勢において地域内で調達や生産を完結させることが重要であるものの、持続的なレジリエンスを得るには不十分であると解説しています。企業は、デジタル技術活用の度合い(デジタル成熟度) を高めてデータやAI、デジタルツインなどのソリューションに投資することが肝要です。これにより企業は、不安定な市場動向においても再構成可能な供給網や自律した生産体制を構築することが可能となり、柔軟で 持続可能な製品開発や、製造現場でのリアルタイムな意思決定が可能になります。


近年、地政学的な変化や異常気象、テクノロジーの飛躍的な進歩、資材や人材の不足など、破壊的な出来事が急増しています。こうした世界の中で、企業がレジリエンスと長期的成長を維持することは極めて困難です。


• 2021年から2022年にかけて、企業はエンジニアリング、供給、生産、オペレーションに支障をきたし、年間1.6兆ドルの収益を逃しています。

• 一方で、レジリエンスに優れた企業(25%)の年間売上高は、最も脆弱な企業(25%)よりも3.6%高くなりました。

アクセンチュア インダストリーX グローバル・エンジニアリング&マニュファクチャリングのリードを務めるセフ・トゥマ(Sef Tuma)は、次のように述べています。「レジリエンスは単に生き残り戦略ではなく成長の機会です。この機会を活かすために、企業はエンジニアリング、供給、生産、オペレーションプロセスのデジタル化を推進すべきです。デジタルツインなどのソリューションや生成AIを始めとするテクノロジーを活用することで、企業は急激な変化に素早く適応し、データに基づいたリアルタイムな対応が可能になります」


本調査によると、企業は2023年に供給・生産設備のデジタル化、自動化、移転のために平均10億ドルを投資し、2026年にこの額は少なくとも25億ドルに増加すると予想されています。


アクセンチュア グローバル・サプライチェーン&オペレーション・レジリエンシーのリードであるスニタ・スリヤナラヤン(Sunita Suryanarayan)は、次のように述べています。「これまで企業は、コスト効率とジャスト・イン・タイムの納品体制を目指してグローバル規模の複雑な生産体制や供給網を構築してきました。大きな混乱の際に短期的な解決策を素早く施した企業も多くありますが、今こそサイロ化などのボトルネックを解決し、マルチソーシング実現のために生産体制や供給網を戦略的に再設計する時です。データとAIを活用して透明性と俊敏性を高め、持続的なレジリエンスを獲得するチャンスが到来しています」


持続的なレジリエンスの獲得は、多くの企業にとってまだ遠い先の展望です。本調査の一環として、アクセンチュアはエンジニアリング、供給、生産、オペレーションのレジリエンスを0~100の尺度で測定するモデルを開発しました。その結果、平均スコアはわずか56でした。

本調査では、企業がレジリエンスを強化するために注力すべき3分野を挙げています。


1. 可視性の向上

企業はサプライチェーンや生産プロセスをより一層予測可能で自律的にする必要があります。例えば、サプライチェーンを一気通貫したスマートなコントロール機能でプロセスを監視し、さまざまなシナリオをリアルタイムで分析することで問題を早期に発見し修正することが可能になります。現在、リアルタイムに近いアラート機能を備える企業はわずか11%で、78%は影響を完全に把握するまでに少なくとも1週間を要しています。


2. 設計におけるレジリエンス向上

初期の開発プロセスから可視化する活動を組み込むことで、企業は製品、プロセス、作業方法を最初から正しく把握することができます。例えば、製品設計者やエンジニアはデジタルツイン(個々の組み立てラインや機械など物理的な生産設備をデジタル上で再現する技術)を使って、プロトタイプの問題や欠陥を早期に特定して解消し、生産開始前に設計を修正できます。


3. 新しい働き方の推進

企業は、データ、AI等のデジタル技術に関する社員のスキルアップを図ることで、予測・視覚化ツールを使い現場でデータ主導の意思決定を行えるようになるでしょう。現在、幅広いスキルを持つ人材やデジタルリテラシーを備えた社員を抱える企業は17%にすぎず、68%が2026年までにそうした人材を確保する予定だと回答しています。


最新調査レポート「製造業におけるレジリエンス」についてはこちら をご覧ください。

https://www.accenture.com/jp-ja/insights/industry-x/engineering-supply-production-resiliency.html 


調査方法

「製造業におけるレジリエンス 」調査は、エンジニアリング、生産、サプライチェーン、オペレーション部門の経営幹部1,230人を対象に2023年1月から3月にかけて実施されました。対象国は、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、スペイン、スウェーデン、英国、米国です。業種は、航空宇宙・防衛、自動車(OEM)、自動車(付帯設備・部品)、化学、消費財・サービス、ハイテク、産業機器、金属・鉱業、ライフサイエンス、石油・ガス(上流・下流)、公益事業です。


アクセンチュアについて

アクセンチュアは、世界有数のプロフェッショナル サービス企業です。アクセンチュアは、世界をリードする企業や、行政機関をはじめとするさまざまな組織の中核にデジタル技術を実装することで、組織運営を最適化し、収益を拡大させ、また市民サービスの向上にも貢献するなど、お客様に対して目に見える成果を圧倒的な規模とスピードで創出しています。 アクセンチュアでは、優れた才能でイノベーションを主導する約733,000人もの社員が120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。 また、テクノロジーが変革の成否を分ける時代において、世界中のエコシステム・パートナーとの緊密な連携を図りつつ、クラウド、データ、AIおよび業界ごとの比類のなき知見、専門知識や、グローバル規模のデリバリー能力を最適に組み合わせながらお客様の変革を支えています。アクセンチュアは、ストラテジー&コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズ、インダストリーX、ソングの領域をまたぐ、幅広いサービス、ソリューションやアセットを活用して成果につなげています。アクセンチュアでは、成功を分かち合う文化や、360度でお客様の価値創造を図ることで、長期にわたる信頼関係を構築しています。またアクセンチュアは、お客様、社員、株主、パートナー企業、社会へ提供している360度での価値創造を、自らの成功の指標としています。アクセンチュアの詳細は http://www.accenture.com/us-en を、アクセンチュア株式会社の詳細は http://www.accenture.com/jp-ja をご覧ください。


This document is produced by consultants at Accenture as general guidance. It is not intended to provide specific advice on your circumstances. If you require advice or further details on any matters referred to, please contact your Accenture representative.

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会社概要

アクセンチュア株式会社

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
電話番号
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代表者名
江川昌史
上場
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資本金
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設立
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