偏光フィルタビルトイン赤外線カメラにより構造物点検の進化を実現
― 進化した「Jシステム」でDX戦略を推進 ―
より使いやすく進化したJシステムが、橋梁のみならず様々な構造物点検に活用されることで、更なるDX化の推進が期待されます。
1.Jシステムの概要
・Jシステムは、赤外線カメラを用いて、効率的かつ的確にコンクリートの
損傷を抽出するシステムとして、NEXCO西日本グループ内で活用中。
・太陽に熱せられた地面などの熱反射を除去できる「偏光フィルタ内蔵レンズ
(以下、「偏光レンズ」)」を用いることで、夜間のみに限られていた調査
を昼夜問わず実施することに成功作業時間帯の制約の解消・作業環境の改善
を実現(令和4年10月26日ニュースリリース)。
令和4年10月26日ニュースリリース
▶https://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/r4/1026c/
2.開発カメラによる「Jシステム」の進化
3.開発カメラの技術詳細と得られる効果
3-1. 熱反射除去の自動化について
開発したカメラは、以下の方法により全方向の熱反射除去を自動化しました。
1)偏光フィルタの自動回転機構
赤外線カメラレンズとセンサの間に、偏光フィルタを内蔵し、モーターで等速回転させます。これにより、
偏光フィルタのあらゆる角度での画像を取得することができます。
2)画像処理技術
1回の撮影で取得した16枚の画像(熱反射あり)に対して、1ピクセル単位で熱反射を除去し、偏光処理画像
を生成します。これにより、的中率が大幅に向上されるため、現行方法に比べて更にスクリーニング効果が
向上します。
3)汎用赤外線カメラの採用
上記に加え統計的処理により、汎用的な赤外線カメラ(マイクロボロメータ)感度の大幅な向上に成功しま
した。これにより、現行方法で採用してきた研究開発用の冷却型赤外線カメラから、安価な汎用赤外線カメラ
に変更することができました。
3-2. カメラの一体化とAI診断の導入について
開発カメラでは、可視カメラと赤外線カメラを一体化し、1回の撮影で可視画像・赤外画像を同一画角で同時
に取得することができます。これにより、熱反射除去による的中率の向上に加えて、解析作業の多くが自動化さ
れます。さらには、AIによる損傷自動診断機能を搭載したことにより、解析業務が効率化されます。
4.今後の展望
開発カメラを、撮影距離40mまでの橋梁に導入することで、構造物点検の効率化とコスト縮減を推進します。また、今後の展開として、撮影距離40m以上の橋梁を対象とした、より小型なUAV(無人航空機)搭載用カメラ開発を現在進めています。
これからも、開発カメラの導入による構造物点検の高度化により、DX戦略を推進していきます。
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