米国ホリデーショッピングシーズンのオンライン売上は過去最高の2,221億ドル
● 消費を後押しした要因は、エレクトロニクス、玩具、アパレルなどのカテゴリーにおける大幅な値引きや、柔軟性の高い後払い決済の利用増加など
● オンライン売上でモバイルショッピングが初めてデスクトップを上回る51.1%を記録
【2024年1月9日】
Adobe(Nasdaq: ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ)は本日、2023年11月1日から12月31日までのホリデーシーズンのオンラインショッピングデータ(英語)(https://business.adobe.com/resources/holiday-shopping-report.html)を発表しました。これはアドビの分析ソリューションAdobe Analytics(https://business.adobe.com/jp/products/analytics/adobe-analytics.html)を通じて得られたオンラインでの商取引データからEコマースの状況を示す最も包括的な分析で、米国の小売サイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいています。Adobe AnalyticsはAdobe Experience Cloud(https://business.adobe.com/jp/)の一部であり、米国のインターネット小売業者上位100社*の85%以上が、オンラインでのショッピング体験の提供、測定、パーソナライゼーションを行うためにこのソリューションを利用しています。
大幅な値引きと後払い決済のオプションが、好調なホリデーシーズンのオンラインショッピングを牽引
今シーズン11月1日から12月31日までのオンライン売上高は、前年同期比4.9%増の2,221億ドルで、Eコマースの新記録となりました。11月のオンライン売上高は1,235億ドル(前年比6%増)で、感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間(11月23日〜27日)であるサイバーウィークの売上高が380億ドル(前年比7.8%増)(https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202312/20231201_holidayshopping-recap.html)と好調だったことが追い風となりました。12月は、サイバーマンデーを過ぎても値引きが続いたこともあり、オンライン売上高は986億ドル(前年比3.7%増)に達しました。
このホリデーシーズンでは、主要なEコマースカテゴリー全体で、値引き額が過去最高を記録しました。値引きのピーク時において、エレクトロニクスは表示価格から31%オフ(2022年は25%オフ)、玩具は28%オフ(34%)、アパレルは24%オフ(19%)となりました。その他のカテゴリーでは、コンピューターが24%オフ(20%)、テレビが23%オフ(17%)、家電製品が18%オフ(16%)、スポーツ用品が18%オフ(10%)、家具が21%オフ(8%)と、それぞれ高い値引き率を示しました。
消費者はオンラインショッピングに強い意欲を示しましたが、その多くがより融通のきく支払い方法を選択しました。今年のホリデーシーズンでは、後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)によるオンライン売上高が過去最高を記録し、昨年を21億ドル上回る166億ドル(前年同期比14%増)を達成しました。11月はこの決済方法が今までに最も多く利用された月(92億ドル、前年同月比17.5%増)であり、最も多く利用された日はサイバーマンデーでした(9億4,000万ドル、前年同日比42.5%増)。後払い決済は、ホリデーシーズン以外の時期でも力強い牽引力を示しています。年間(1月1日~12月31日)を通じた後払い決済によるオンライン売上高は今年、前年同期比14.3%増の750億ドルに達し、2022年を94億ドル上回りました。
Adobe Digital Insights担当の主席アナリスト、ヴィヴェク パンドゥヤ(Vivek Pandya)は、次のように述べています。「需要が不透明であったこのホリデーシーズンにおいて、小売業者は値引きと柔軟な支払い方法を提案することで買い物客を惹きつけました。この戦略は功を奏し、サイバーマンデーとブラックフライデーを含む11日間のオンライン売上は1日あたり40億ドル超えで、過去最高を記録しました。」
エレクトロニクス、アパレル、家具、食料品、玩具がEコマースの成長を牽引
今年のホリデーシーズンにオンラインで消費された2,221億ドルのうち、半分以上(65%)はエレクトロニクス(508億ドル)、アパレル(415億ドル)、家具(273億ドル)、食料品(191億ドル)、玩具(77億ドル)の5つのカテゴリーが牽引しています。これらのカテゴリーは、デジタルエコノミーにおける重要な成長ドライバーとなっています。
エレクトロニクスでは、テレビ、スマートスピーカー、タブレット、Bluetoothヘッドフォン、スマートウォッチなどがこのホリデーシーズンの売れ筋商品でした。アパレルでは、パジャマ、スニーカー、冬物の衣料(フリース、スウェット、肌着)が売れ筋でした。家具・家庭用品では、バー・スツール、小型クッション、クリスマスデコレーションが人気でした。玩具では、バービー、Disney Little People、Uno Show 'Em No Mercy、KidKraftプレイセット、Squishmallowsなどが人気で、ビデオゲームでは『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』、『Marvel's Spider-Man 2』、『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアIII』が売れ筋で、ゲーム機ではNintendo Switch、PlayStation 5、Xbox Series Xが上位を占めました。その他、スキンケア美容液や保湿剤、コードレス掃除機やロボット掃除機、小型キッチン家電(コーヒーメーカー、エアフライヤー、インスタントポット)などが売れ筋でした。
その他のインサイト
● モバイルショッピングがデスクトップを上回る:今年のホリデーシーズンでは、オンライン販売の51.1%がスマートフォン経由となり、モバイルショッピングが新たなマイルストーンを達成しました(2022年の47%から上昇)。モバイルショッピングはクリスマス(12月25日)が最も多く、オンライン販売の63%を牽引(2022年は61%)しました。消費者が友人や家族と過ごす中、多くの人がスマートフォンを使って駆け込みでお買い得品を購入したり、ギフトカードを利用したりしました。ここ数年の好調な伸びにより、モバイルは小売企業にとって今後も重視すべきチャネルとなりました。
● 商品の駐車場受け取りサービスは依然として人気:このサービスを提供している小売企業では、今年のホリデーシーズンのオンライン注文の18.4%でこのフルフィルメント方式が利用されました(2022年には21%)。現在、オンライン注文のおよそ5件に1件が駐車場受け取りを利用しており、特にスピードと利便性を重視する買い物客に価値を提供し続けています。今シーズンの駐車場受け取りのピークは12月22日から23日(クリスマスイブの直前)で、オンライン注文の36.8%を占めました。
● 小売企業のマーケティング投資:主要なマーケティングチャネル全体をみると、このホリデーシーズン中に小売企業の売上を最も牽引したのは検索連動型広告でした(オンライン売上の29.4%)。また、ダイレクト流入(同19.3%)、アフィリエイト/パートナー経由(同16.6%)、オーガニック検索経由(同15.9%)、電子メール(同15.3%)も売上に大きく貢献しています。SNSに直接起因する売上は、今シーズンの総売上高の5%未満に留まったものの、その割合は前年同期比で5%増加しています。
インフレの影響
今シーズンの堅調な消費者支出は、上昇した商品価格に加え、新規の需要増加によってもたらされました。ガソリン・家賃のようなオフラインのみの製品・サービスの価格も考慮する米労働統計局(BLS)の消費者物価指数(CPI)を補完し、18の製品カテゴリーのオンライン価格を追跡するAdobe Digital Price Index(https://business.adobe.com/resources/digital-price-index.html)によると、Eコマース価格はここ1年以上下落しています(2023年12月には前年同月比5.3%減)。アドビの数字はインフレ調整されていませんが、もしオンラインインフレが考慮されていれば、消費者支出総額はさらに高い伸びを示すでしょう。
*デジタルコマース360トップ500レポート(2021年)より
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