フィリピンのインターネットカフェ施設を活用した貧困層の子どもへのe-learning提供で学力向上を実現
NPOソルト・パヤタスが行うコロナ禍での学びを取り戻す事業に参画
株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:湯野川孝彦)は、フィリピン共和国(以下、フィリピン)において、特定非営利活動法人ソルト・パヤタスが貧困層の中高生を対象にインターネットカフェを活用して行う学習支援プロジェクトに参画し、算数e-ラーニング「Surala Ninja!」を提供しました。新型コロナウイルス感染症拡大により長期間の休校が続く中、2021年10月より提供を開始した個別学習のe-learning授業を通じて、貧困層の子ども達が数学の基礎学力を向上させています。この度、80名を対象に本年度もプロジェクト活動の継続が決定しました。ソルト・パヤタスと連携しながら、コロナ禍で失われた学びを取り戻せるよう子ども達の学習を支援していきます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、フィリピンでは長期間の休校や一部のみ対面授業の状態が続いています。特に経済的に困難な状況に置かれ、デジタルデバイスやインターネットへのアクセスに恵まれない貧困地域の子どもは、学習の機会を失い、学習進度が大きく遅れています。
NPO法人ソルト・パヤタスのプロジェクトでは、「公益信託今井記念海外協力基金」の助成金事業の採択を受け、フィリピンの最貧困地域の一つであるカシグラハン地域(マニラ近郊)において、5か所のインターネットカフェのコミュニティを活用した中高生向けの学習支援を展開しています。「Surala Ninja!」を活用したデジタル授業についてもその一旦を担っており、インターネットカフェのオーナーと協力しながら、現地の大学生などがファシリテーターとして子ども達の学びをサポートしています。コロナ禍における休校の影響で子ども達の学力差のばらつきがますます大きくなる中、デジタル学習による個別最適化された学びを実現しています。
現地での新型コロナウイルス感染症の拡大による外出規制のため、プロジェクトの開始が当初より4か月遅れましたが、2021年10月より、現地のファシリテーターのサポートの下、プロジェクトを開始しました。途中、ロックダウンや行動制限による中断もはさみながら、学習を継続してきました。プロジェクト第一期の終盤時には子どものモチベーションを向上させ、学習量を上げることを目的に100ユニット以上の学習クリアを目指すなどのチャレンジ・イベントを行い、5月7日には目標を達成した子ども達への表彰式も実施しました。
個別最適な学習を継続的に提供することで、生徒の学力向上の成果も現れ始めています。この度算数の基礎学力を図るテストをプロジェクト開始時の10月と年度末の3月末に実施した結果を分析したところ、特に開始時のスコアが低かった子どもの中で顕著にスコアが向上し、習得の目安となる正答率80%以上に到達した子どもの割合は50%以上にのぼることが確認できました。特に、引き算と割り算分野は、多くの子どもの苦手分野であることから集中的に学習した結果、各分野での正答率も20ポイント向上しています。
ベースライン(10月実施)とエンドライン(3月実施)の比較:学力テスト(正答率)の分布
(N:53名※)
ベースライン(10月実施)とエンドライン(3月実施)の比較:分野別正答率
(N:53名※)
※2回のテストを両方受験した子どもの数 2021年度のプロジェクトに参加した子どもは113名
本プロジェクトのリーダーである現地法人ソルト・パヤタス・フィリピンの事務局長Timothy Alconga様は次のようにコメントしています。「休校が長期化する中、経済的な理由から家庭にインターネット環境が整わず、分からないところを聞く相手がいない生徒も多く、生徒の学習機会が失われていました。すららネットとのパートナーシップにより、子どもたちは数学の基礎を再確認・再習得し、今までよりも効果的な方法で学習に取り組むことができています。また、Surala Ninja!の学習を通じて習得する規律や自立心は、他の教科の学習にも活かされています。保護者達も子どもの学習を支援することに苦労していたので、この機会に感謝しており、子どもたちは、価値を感じて学習に真剣に取り組んでいます。また、本プロジェクトは、ファシリテーターにとっては自分たちのコミュニティに恩返しをする機会となり、インターネットカフェにとっては安定した収入源となるなど、地域に多くの価値をもたらしています。」
すららネットでは、事業を通じて社会課題の解決に取り組んでおり、インパクトを生み出すまでのロジックを可視化した「インパクトマネジメントレポート」を発行しています。「貧困」は、「不登校」「発達障がい・学習 障がい」「低学力」と共に、注力している4つの社会課題の一つであり、様々な団体と協働しながら、経済的に困難な子どもに学習機会を提供しています。
※すららネットのESGに関する取り組みについては、こちら( https://surala.jp/ir/esg.html )をご覧ください。
すららネットは今後も、教育格差の社会課題の解決に向け、最先端技術を活用し貢献していきます。
■eラーニング教材 Surala Ninja! について
海外版として小学生向けに開発された、インタラクティブなアニメーションを通じて加減乗除の四則計算を楽しく学べる e ラーニングシステムです。生徒は自身のデバイスで自分のペースで学習できるとともに、指導者は学習管理システムを通じて生徒の学習の進捗や理解度を把握した上で学習内容を調整でき、生徒個々人にあわせた個別最適化の学習を実現します。現在、スリランカ向けのシンハラ語版、インドネシア向けのインドネシア語版、また、主にインドやフィリピンで活用されている英語版があります。
■株式会社すららネットについて
すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念とし、アダプティブな対話式 ICT 教材「すらら」と「すららドリル」を、国内では 約 2,500校の塾、学校等43万人を超える生徒に提供しています。全国の公立学校、有名私立中高、大手塾での活用が広がる一方で、発達障がいや学習障がい、不登校、経済的困窮世帯を含む生徒に学習の機会を提供するなど日本の教育課題の解決を図ることで成長を続け、代表的な EdTech スタートアップ企業として2017年に東証マザーズに上場しました。
2014年より海外での事業を開始し、各国の私立学校及び学習塾への導入に加え、近年、日本型教育は世界の多くの国で注目を集める中、日本政府や国際機関のプロジェクトに等に採択され、活動の場を広げています。
海外事業についてはこちら(英語ウェブサイト)https://surala-net.com/ をご覧ください。
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