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株式会社ベネッセホールディングス
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高大接続に関する調査【結果速報】「共通学力試験+多面的な評価で選抜」は高大ともに6割が賛成 「達成度テスト導入」は大学側より高校側で懸念が多数

大学入試改革が高校生の学習を積極的にするかは、大学6割、高校5割が否定的

株式会社ベネッセホールディングス

株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、以下ベネッセ)の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、2013年11月下旬~12月末にかけて、全国の高等学校長および大学の学科長を対象に、高大接続の諸問題(入学者選抜、入学前教育、初年次教育等)について調査を実施しました(主査:川嶋太津夫大阪大学教授)。今回は速報として、現在、国で審議されている大学入試改革の方向性に関する高校側・大学側の賛否について報告するものです。主な調査結果は以下の通りです。
1.共通入試を基礎に大学が多面的な評価を加える入学者選抜には、高校・大学ともに6割程度が賛成。
  賛否双方に試験の公平性に対する問題意識がみられる。

 「共通入試を基礎とした上で各大学が多面的な評価を加えて実施する入学者選抜」については、高校の63.0%、大学の60.7%が「賛成(賛成+どちらかといえば賛成の合計)」と回答。自由記述では多面的な評価を歓迎する声がある一方で、選抜における公平性を疑問視する回答も目立つ。

 


2.「現在のセンター試験の廃止」、「2種類の達成度テスト導入」には、高校で反対する割合が高い。
  高大ともに新しいテスト導入の意義を問う声があがっている。

 「現在のセンター試験の廃止」については、高校で反対する割合(どちらかといえば反対+反対の合計)が高い(高校;賛成19.6%、反対41.6% 大学;賛成26.8%、反対28.8%)。特に、「国公立大学や難関私立大学への進学者が多い」高校では、反対が半数を超えた(51.7%)。また、「基礎レベル・発展レベルの2種類の達成度テスト導入」については、高校で賛成27.2%、反対41.4%、大学で賛成37.4%、反対24.9%と、高校では反対の比率が高く、大学では賛成の比率が高い。自由記述では、「センター試験と何が違うのか」「なぜセンター試験を廃止する必要があるのか」等の声が多い。


3.「達成度テストの複数回受験」は、高校で反対が賛成を上回る。高校の教育活動への影響を懸念。
  一方で、達成度テスト(基礎レベル)の推薦・AO入試での活用には高校・大学ともに賛成が多い。

 「達成度テストの複数回受験」については高校で賛成31.8%、反対40.6%、大学で賛成43.6%、反対23.2%と、高大での認識が分かれた。高校では、特に、「国公立大学や難関私立大学への進学者が多い」高校の反対率が高い(57.5%)。一方、大学では私立の賛成率が高い(46.4%)。高校の自由記述では、行事や部活動への影響を懸念する声や、学習がテスト・受験対策中心に偏ることを危惧する声が多かった。一方で「達成度テスト(基礎レベル)の推薦・AO入試への活用」は高校の46.9%、大学の48.3%が賛成と回答。特に私立大学の自由記述では、基礎学力把握への活用に賛成する声が多い。


4.「達成度テスト(発展レベル)の結果の段階別表示」についての賛否は均衡。
 「達成度テスト(発展レベル)の結果の段階別表示」については、高校・大学ともに賛否が均衡した(高校;賛成32.2%、反対31.3% 大学;賛成30.5%、反対27.4%)。自由記述では、「順位や合否が決めづらい」等の声が多くあがっている。


5.入試制度改革による高校生の学習積極化への期待は高校・大学ともに高くはない。
  高校では、高大接続改革で解決しようとしている「高校側の課題」が何であるか不明確と感じている。

 「大学入試を改革すれば高校生はもっと積極的に学習に取り組むだろう」との問いに対して、高校では「そう思う(とてもそう思う+まあそう思うの合計)」が48.4%、「そう思わない(あまりそう思わない+まったくそう思わないの合計)」が51.1%とほぼ均衡。一方、大学では「そう思う」が34.9%、「そう思わない」が64.0%であった。また、高校側の79.6%、大学側の72.2%が「大学での進級や卒業の認定基準をもっと厳しくしたほうがよい」と回答している。さらに高校では71.7%が、政策上の高大接続の議論において「高校にとって何が重要な課題なのかが分かりづらい」と回答している。


今回の調査結果から見えてきたのは次の二点です。

大学入試制度改革だけでは、高校生の学びは改善されない

 一点目は、「大学入試制度改革だけでは高校生の学びは改善されない」との認識が広く存在しているという点です。その状況は、大学で6割以上、高校でも5割以上が「大学入試を改革すれば高校生はもっと積極的に学習に取り組むだろう」という考えに否定的に回答している事実に端的に示されています。また、達成度テストの導入に対する高校側の懸念は、(課外活動なども含め)高校生の豊かな学びを保証する施策としての妥当性を問うていると解釈することも可能でしょう。
 こうした点を踏まえると、大学入試制度改革は、あくまでも高校教育の改革、大学教育の改革と合わせて総合的に検討されるべきであると考えます。

高等学校長や大学学科長に、個別施策の意義や必要性が伝わっていない

 二点目は、大学入試制度改革の必要性についての認識は広がりつつあるものの、個別の施策については、責任ある立場の高等学校長や大学学科長に対しても、必ずしもその意義や必要性が伝わっているとはいえない、ということです。とりわけ達成度テストについては、その具体像がいまだ示されていないことが、高大関係者の今回の回答につながっていると思われます。また、いずれの施策に対しても、高校・大学ともに2割から4割が「どちらともいえない」と回答している点もこのことを示しています。
 それだけに今後、なぜ入試制度改革が今必要なのか、入試制度改革で解決をめざす課題は何なのか、そのための施策の意義を高校・大学の双方に分かりやすく説明し、広く理解を促す必要があると考えます。


 大学入試制度改革の議論はこれからも続きます。新しい大学入試制度を実りあるものにするためにも、今後、高校・大学それぞれ教育現場からの声を大切にし、「高校・大学時代の7年間を通して、若者にどのように豊かな学びの場、成長の機会を提供するのか」という教育の原点に立ち戻った、総合的な視点に立つ改革が望まれます。



<調査概要>
・名称
 高大接続に関する調査
・調査テーマ
 高大接続の実態・課題をとらえる
・調査方法
 郵送法による質問紙調査
・調査時期
 2013年11月~12月
・調査対象
 高校  校長 1,228名(配布数 2,500通、回収率49.1%)
 *全国の全日制高等学校のリストより、無作為に学校を抽出。
 大学  学科長 2,015名(配布数5,060通、回収率39.8%)
 *全国の学部・学科リストを利用し、その全てに配布。
 ただし大学院大学、放送大学、通信制のみの大学、社会人が主な対象である学部・学科等を除いている。
・調査項目
 【高校・大学共通項目】大学入学者に求める力・高校で育成している力/高大接続の意識/今後の高大接続像/現在の改革に対する賛否 など
 【高校】進学者の実態・課題/進路指導の課題/大学入学者選抜に対する考え方/新課程下の指導実態 など
 【大学】1年生の実態・課題/入学者選抜の実態・課題/高大連携/入学前教育/リメディアル教育/初年次教育 など


ベネッセ教育総合研究所のホームページからも、本リリース資料をダウンロードできます。
また、今後さらに分析を進め、2014年5月ごろに調査結果をまとめたレポートを掲載する予定です。
http://berd.benesse.jp/

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業種
サービス業
本社所在地
岡山県岡山市北区南方3-7-17
電話番号
086-225-1165
代表者名
小林 仁
上場
東証1部
資本金
136億円
設立
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