転職サービス「doda」、「ミドル層の異業種・異職種転職実態レポート」を発表
~40歳以上の転職希望者数は6年で1.5倍以上に。約65%が異業種、3人に1人が異職種へ転職~
※転職前後の年収変化は、個人の転職前時点の年収と、転職を受け入れる企業が採用決定時に個人に提示する決定年収を比較したもの。
【調査結果サマリー】 |
<登録者数の推移>
40歳以上の転職希望者数は増加傾向。「doda」の新規登録者数は6年で1.5倍以上に
転職サービス「doda」に新規で登録した人数の推移を、年ごとに年齢区分別で見ると、2023年における40歳以上の新規登録者数は、2018年比で1.5倍以上に伸長【図①】。他年齢区分と比較しても、最も大きい伸び率となりました。40歳以上の登録者は2022年から2023年にかけて特に大きく伸びており、この1年でミドル層の転職への関心が高まっている様子が伺えます。
そこで今回、40歳以上の転職実態に注目した本レポートを発表することとなりました。
<異業種転職>
40歳以上の転職者のうち、約65%は異業種へ転職。新業態へ参入する企業が増加し、知見がある人材の採用ニーズが高まったことが背景に
2023年7-12月に転職サービス「doda」のエージェントサービスを利用して転職した40歳以上の個人のうち、65.2%が異業種へ転職していることがわかりました【図②】。転職者全体と比較しても割合に大きな差は見られません。
【解説】
異業種転職が多くを占める背景には、企業・個人それぞれに要因があると考えられます。
コロナ禍や歴史的円安といった社会情勢の変化を受け、多くの企業がはたらき方や人事制度、営業手法などの在り方を見直すなど変革を迫られました。加えて、収益増加のために新規事業への参入を検討する企業も増加。これにより、即戦力人材のニーズが高まりました。結果、経験や知見を豊富に持つ40代以上の個人が異業種へと転職するケースが増加しました。
個人については、前述のようにミドル層の活躍の場が広がっていることを受け、「これまで培ってきた知見を他の会社で試してみたい」と異業種にチャレンジする人が増えてきたことが挙げられます。
なお、ミドル層の転職先として多いのは「メーカー(機械・電気)」「建設・プラント・不動産」「IT・通信」といった、求人数が比較的多い業種ですが、どの業種にも満遍なく転職していることがわかりました。これは、業種を問わず人事や経理、経営企画、DX、生産性向上などの即戦力人材を求める企業が多いためだと考えられます。(doda副編集長:山口 義之)
<異職種転職>
40歳以上の転職者の3人に1人は異職種へ転職。“経験や専門性が活かせる領域”への転職が多い
職種別で見ると、2023年7-12月の期間に40歳以上で異職種へ転職した個人の割合は34.2%でした【図③】。転職者全体と比較すると10ポイント近く少ないものの、40歳以上の3人に1人は新しい職種への転職にチャレンジしていることがわかります。
【解説】
ミドル層のうち、3人に1人は異職種転職をしていることが分かりました。ただし、中身を紐解いてみると大幅な職種転換であるケースは少なく、異職種のなかでも近しい領域に転職しているのが実態です。これは、人材会社の営業からメーカーの人事など、職種が異なっても経験や専門性が活かすことができる、即戦力人材を企業が求める傾向が強いためといえるでしょう。
このように、企業の即戦力採用の意向が強いことはもちろんですが、個人の要因も大きいと捉えています。40歳以上の場合、家庭の事情などにより転職の条件として“年収”を重要視する人がほとんどです。なぜなら、未経験の職種にチャレンジする場合、年収が下がる可能性が高まるからです。企業の即戦力人材への期待値が高いここ数年のうちは、大幅な職種変換をする人は一部に限られるでしょう。
一方で、「年収を下げてでも本当にやりたかった領域にチャレンジしたい」という自己実現を理由に仕事を決める人も、徐々に増えてきています。今後個人のはたらく価値観がさらに多様化すれば、微経験から異職種の転職を受け入れる企業もより増えていくのではないでしょうか。
なお、40歳以上の転職者のうち、4人に1人が“異業種×異職種”転職であることも判明しました【図④】。こちらも前述のとおり、経験や専門性が活かせる領域への転職が多くなっています。具体的には、コンサルティング業界で物流領域のコンサルタントをしていた人が物流業界の企画・管理職へ転職するケースなどが一例として挙げられます。(doda副編集長:山口 義之)
<転職前後の年収変化>
半数以上が年収アップを実現する一方、全体に比べると下がるケースも多い
転職前後の年収変化を見ると、年収アップを実現した40歳以上の転職者は50%を超えることがわかりました【図⑤】。一方、年収が減少した人の割合は全体と比較して7ポイント高く、年収が下がるケースも多く見られました。
【解説】
ミドル層はもともとの給与水準が高いことから、転職先の業界やポジションによって決定年収が左右されやすくなっています。年収が上がる・下がるケースについて実態を紐解いてみるとそれぞれ大きく3つのパターンに分けられます。
年収が上がるケース
①年収水準が高い業界に転職した ②即戦力として専門性が評価された ③前職よりも上位の役職に就いた
年収が下がるケース
①年収水準が低い業界へ転職した ②異業種・異職種転職にチャレンジした ③やりたいことを優先した
企業から専門性を評価され、年収アップを叶える人が多くいる一方で、年収よりやりたい仕事への挑戦を自ら選ぶ人も少なくありません。また、現職での年収が高いほど、転職時の年収アップのハードルも高くなり、転職直後は横ばいもしくは微減しやすい傾向にあります。こうした実態から、転職における年収増減は2極化していると考えます。
なお、異業種や異職種への転職であっても転職前後の年収増減の比率は大きく変わりませんでした【図⑥】。これは、異職種パートで前述したように、一定の専門性をもって転職するパターンが多いためだと推測されます。
【doda編集長 総括】
ここ数年、各社の事業・業態変革の流れから、ミドル層の採用ニーズが高まっています。それに伴い、転職を視野に入れる個人も増えてきました。しかし、他の世代以上に専門性を重視されるミドル層は、マッチングの難易度が高いのが実態です。そんな中、納得のいく転職を叶えるためのポイントは大きく2つあると考えています。
1つめは、転職をせざるを得ない状態になる前に、1度行動してみること。なぜなら、焦りが生まれると選択肢が狭まってしまうからです。すぐに転職意向がない場合でも、まずは情報収集や市場価値を図るために動き、視野を広げてみることで現職への向き合い方も変わってくるのではないでしょうか。
2つめは、自分が1番重視したいものはなにか、立ち返って考えることです。年齢が上がるにつれて守りたいものが増えると、キャリアが凝り固まりやすくなります。「年収アップ」「やりたい仕事への挑戦」など何を重視しても間違いではありません。今後のキャリアや人生において何に重きを置くかを考え、選択することが、納得感のある転職に繋がるでしょう。
今後のキャリアについて考えている人は、これらを踏まえながら、自身が本当に望む「はたらく」を叶えられる環境はどこか、考えてみてはいかがでしょうか。
【解説者プロフィール】
doda副編集長 山口 義之(やまぐち・よしゆき)
2005年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。法人営業として、不動産や建設、教育、金融、さらにはITなど多岐にわたる領域の採用支援のほか、メーカーのソリューション営業にも携わる。2014年に中部支社、2016年に地方拠点(札幌/仙台/広島/福岡)の責任者に着任し、その後首都圏の営業責任者に。2020年1月、パーソルキャリア株式会社を退職し、SaaS系スタートアップのCRO、執行役員を歴任。2021年9月、パーソルキャリア株式会社に復職。2022年4月よりハイクラス層向け転職支援事業の責任者を務め、2023年4月、doda副編集長に就任。ハイクラス層の転職動向に精通している。
【調査概要】※対象期間を「2019年」から「2023年」へ修正しております(2024年3月8日)
対象者:2023年7-12月の期間に「doda」のエージェントサービスを利用して転職した個人
雇用形態:正社員
※異業種・異職種転職実態:転職者の転職前の業種・職種と転職後の業種・職種を比較
※転職前後の年収変化:個人の転職前時点の年収と、転職を受け入れる企業が採用決定時に個人に提示する決定年収を比較
■転職サービス「doda」について< https://doda.jp/ >
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