音楽家・坂本龍一と生物学者・福岡伸一による初の人生論『音楽と生命』(集英社)、2023年3月24日(金)発売決定!
長年親交のある坂本龍一と福岡伸一が、それぞれの音楽論、生命論をベースとして人生観について語り合った対談集。
80年代、テクノミュージックで一世を風靡した音楽家・坂本龍一。以来、常に第一線で活躍し続けてきたが、近年は電子音楽とは対照的な自然の「ノイズ」を取り入れたサウンドを次々と発表。一方、生物学者・福岡伸一も、分子生物学者としてDNA解析に象徴される要素還元主義的な科学を追求してきたが、その方法論に疑問を抱き、生命現象を一つの「流れ」として捉える独自の生命哲学、動的平衡論を確立。長年親交のある両者が、さまざまな挫折を経験しながら現在に至るまでの道のりを語り合う。
コロナ・パンデミック以降、死生観が劇的に変わる今だからこそ、私たちの生を輝かせることに目を向けたい。音楽、アート、哲学、科学など、多方面に造詣の深い二人が対話を重ねた末にたどり着いたものとは――。【本文より抜粋】
一歩踏み出さないと、どこがゴールかわからない。それがある日、「あっ、これがゴールだ」と実感した瞬間があって、今まで見えていなかった次の山が見えた。「ここで終わりじゃないんだ、次はあそこに行かなければいけないんだ」と思いました ── 坂本龍一
個体の生命が有限であることが、すべての文化的、芸術的、あるいは学術的な活動のモチベーションになっています。有限であるからこそいのちは輝く。このようにして生命系全体は連綿と続いてきたし、これからも続きうるのだと思います ── 福岡伸一
- 【目次】
PART1 壊すことから生まれる ――音楽と科学の共通点
PART2 円環する音楽、循環する生命
Extra Edition パンデミックが私たちに問いかけるもの
※PART1とPART2は、NHK Eテレ『SWITCHインタビュー達人達』(2017年6月3日)で放送された対談を未放送分も含めて収録し、大幅に加筆修正したものです。
- 【著者プロフィール】
坂本龍一(さかもと りゅういち)
音楽家。1952年東京生まれ。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「YELLOW MAGIC ORCHESTRA (YMO)」を結成。映画『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞作曲賞、映画『ラストエンペラー』でアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞ほか受賞。森林保全団体「more trees」の創設、「stop rokkasho」、「NO NUKES」などの活動で脱原発支持を表明、また「東北ユースオーケストラ」を立ち上げるなど、音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行っている。2014年、中咽頭癌の罹患を公表したが、2015年、山田洋次監督作品『母と暮せば』とアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作品『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽制作で復帰を果した。2017年には8年ぶりとなるソロアルバム『async』を発表。その後2021年に直腸がんの罹患を公表。闘病生活の中、日記を書くようにスケッチした楽曲を収録したアルバム『12』を、2023年1月にリリース。
福岡伸一(ふくおか しんいち)
生物学者・作家。1959年東京生まれ。京都大学卒業および同大学院博
士課程修了。ハーバード大学研修員、京都大学助教授などを経て、現在、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。サントリー学芸賞を受賞したベストセラー『生物と無生物のあいだ』や、『動的平衡』シリーズなど、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。このほか、講談社出版文化賞科学出版賞を受賞した『プリオン説はほんとうか?』、哲学者・西田幾多郎の生命論について考察した『福岡伸一、西田哲学を読む』(共著)、ダーウィンの『種の起源』を子ども向けに分かりやすく語り直した絵本『ダーウィンの「種の起源」 はじめての進化論』(翻訳)、『生命海流 GALAPAGOS』、『フェルメール 光の王国』、そして初の小説となる『新・ドリトル先生物語 ドリトル先生ガラパゴスを救う』など、自然科学、哲学、アートをはじめ幅広いジャンルの書籍を執筆。
- 【書籍情報】
著者:坂本龍一 福岡伸一
発売日:2023年3月24日(金)
判型:四六判ハードカバー
定価:2,200円(10%税込)
ページ数:192
ISBN:978-4-08-789016-7
集英社刊
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