IBM、経理財務部門におけるサステナビリティーの責務に関する調査結果を公開

日本IBM

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、IBM Institute for Business Value(IBV)が経理財務部門リーダーを対象に行った新しいグローバル調査の日本語版、「SX推進でビジネスを変える ( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/sustainability-initiatives-finance )」を公開しました。本調査では、33カ国の18業界の経理財務部門リーダー1,085人を対象に、サステナビリティーにおける経理財務部門の役割と実際の取り組みについて調査しました。


サステナビリティーがビジネス戦略に不可欠となる中、経理財務部門リーダーに求められる役割の重要性も高まっています。本調査では、経理財務部門リーダーの中でも経営基盤を再構築するためにサステナビリティー投資を実施するリーダーを『変革型』と分類し、世界では10%、日本では5%の経理財務部門リーダーが『変革型』と分類されました。日本の『変革型』リーダーの割合が世界の半分と少ないことから、経理財務部門リーダーの抜本的な意識改革と行動変容が特に必要だといえます。


本調査では、企業のサステナビリティー推進にあたり、経理財務部門リーダーに求められる5 つの責務について、実際の取り組みの状況を明らかにしました。各責務について、『変革型』経理財務部門リーダーの間で最も取り組みの割合が高い項目は、以下の通りです。


1. サステナビリティー活動の定量化の主導

  • サステナビリティー活動にかかるビジネス・ケースの構築への貢献(事業の投資価値や正当性を示す説明文書)…53%

  • さまざまなサステナビリティー目標の優先順位を決定する業務の支援…43%

  • サステナビリティー活動のビジネス・ケースを評価する基準の設定…40%


2. 各組織が持続可能な方法で資金を調達し、サステナビリティー活動へ投資資金を配分できるようサポート

  • サステナビリティー活動の進捗状況について投資家への情報提供…49%

  • サステナビリティー活動向けに新たな資金調達源を見いだす(グリーン・ボンド、サステナビリティー融資など)…47%

  • サステナビリティー活動の非経理財務的なメリットの明示化(ブランドへの影響など)…42%


3. サステナビリティーを重視する組織文化の醸成の支援

  • 全社的なサステナビリティー戦略を実施する上で、従業員の足並みがそろうようにインセンティブを設定する…44%

  • エコシステム・パートナー全体でインセンティブの方向性を一致させる…38%


4. サステナビリティー・レポート作成を業務に組み込む

  • サステナビリティー目標を反映した、新しい報告基準を明確にする…42%

  • 物理・業務・財務・環境上の各リスクを定量化する…42%

  • 社外向けのサステナビリティー報告に関してナラティブ・ディスクロージャー(財務諸表を補完する定性的な情報開示)を支援する…39%


5. 経理財務部門の業務(具体的には、同部門のオフィス環境やテクノロジー選択の意思決定など)にサステナビリティーの視点を取り入れる

  • 経理財務部門に所属する従業員の自宅・職場間の通勤に伴う温室効果ガス排出量を削減する…58%

  • 従業員が出張に伴う各種予約を行う際に、排出量を相殺する手段、もしくは同等の手段を選択できるようにする…56%

  • 出張予約システムに排出に関するデータを加え、従業員が出張手段を決める際の判断材料にする…52%

  • 経理財務部門に所属する従業員が勤務する社屋の排出量を削減する…52%


日本の経理財務部門リーダーが取り組むべきこと

グローバルの他の地域と比較して『変革型』リーダーの割合が最も少ない日本企業においては特に、経理財務部門リーダーに抜本的な意識改革と行動変容が求められています。具体的には、①サステナビリティー活動の定量化やKPI 設定を検討する段階で経理財務部門が関与し、最終化の段階でチェックする仕組みを整えること、②サステナビリティー活動の社内外への影響を推定し、金額的影響や金額換算の重要性を率先して社内に発信していくこと、③サステナビリティー・レポートの作成において、全社的な協力体制を整えることが重要です。今後、日本企業にとってもサステナブル経営を推進するためには、経理財務部門の戦略的アドバイザーとしての機能は、不可欠となっています。


*調査方法について

IBM Institute for Business Value(IBV)は、米国生産性品質センター(APQC)と共同で、北米や中南米、欧州、インド、中国、アジア・太平洋、中東・アフリカの33カ国の18業界の経理財務部門リーダー1,085人を対象に、戦略や予算、FTE、実務について調査を実施しました。回答者は、経理財務組織のビジネス・プロセス全般に責任を負っており、CFO、ファイナンス・ディレクター、会計監査役、ファイナンス・マネージャーなどが含まれます。


IBM Institute for Business Valueについて

IBM Institute for Business Value(IBV)は、20年以上にわたってIBMのソート・リーダーシップ・シンクタンクとしての役割を担い、ビジネス・リーダーの意思決定を支援するため、研究と技術に裏付けられた戦略的洞察を提供しています。IBVは、ビジネスやテクノロジー、社会が交差する特異な立ち位置にあり、毎年、何千もの経営層、消費者、専門家を対象に調査、インタビューおよび意見交換を行い、そこから信頼性の高い、刺激的で実行可能な知見をまとめています。詳しくは、以下をご覧ください。

https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja


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会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月