<開催レポート>設立5周年を迎えたNEC X、マサチューセッツ工科大学との共催イベント “FutureFusion Forum” を開催
250名以上のシリコンバレーの起業家、投資家、学界、行政、コーポレート関係者が参加
FutureFusion Forumについて
NEC Xはこれまで、NECの人材と技術を核に、シリコンバレーのスタートアップエコシステムの中でオープンイノベーションによる事業化を推し進めてきました。設立5周年という節目のタイミングで、改めてシリコンバレーエコシステム内でのNEC Xの存在を示すと共に、スタートアップ、投資家、大企業、学界など、オープンイノベーションを推進するキーパーソンが一堂に介する場をつくることで、互いに協力し未来のイノベーションに向けた新たなアイディアを育んでいきたいという想いから、MIT Industrial Liaison Program(注2、以下 MIT ILP)と共催で実施しました。
本イベントは午前の部/午後の部と分かれ、午前の部では MIT教授らによるトークセッションに加え、業界リーダーによるパネルディスカッション「イノベーションと生成AI」を開催。ネットワーキングランチでは250名を超える参加者の方々が共にイノベーションに関する意見を交わし合い、午後の部ではNEC Xによるセッション、そして別会場ではMIT ILPのコミュニティメンバーのみが参加できるクローズドワークセッションを行いました。
イベントハイライト
・サンフランシスコ日本国総領事館 岸守氏、NEC CTO西原による開会の挨拶
本イベントは、在サンフランシスコ日本国総領事館 岸守 一 首席領事による開会の挨拶で幕をあけ、 NEC Xの活動は日米の強みを結集したコラボレーションの実例であると祝辞を述べました。また、イノベーション創出のための日米のコラボレーションを支援していることに対し、MITや登壇者へ対しても感謝の意を表し、スタートアップ5ヵ年計画やJ-STARXなど日本が取り組むスタートアップ創出・育成に向けた取り組みについても触れました。
続いて NEC 執行役 Corporate EVP 兼 CTO 兼 グローバルイノベーションビジネスユニット長 西原 基夫が登壇。NECが持つ技術が世界的に見ても強力な競争力を持っていること、特に、最新動向として、7月に130億パラメータで世界トップクラスの日本語性能を有する軽量なLLMを発表したことに触れ、米国市場でもこのNECのLLMの活用を推進していくことを強調しました。また、後半はNECのイノベーションに関する取り組みに言及し、NEC Xが設立された経緯やビジョンについて紹介。最先端の技術をどのように実用化していくかという取り組みにおいて、NEC Xの可能性への期待を述べました。
・MIT教授らによる基調講演とパネルディスカッション - イノベーション加速には組織の枠を超えた協力が必要不可欠と強調
一つ目の基調講演では、20年以上にわたり認知科学とコンピュータサイエンスに従事してきた MIT Director, MIT-IBM Watson AI Lab, Aude Oliva氏が、「生成AIと社会への影響」をテーマに語りました。生成AIの定義からはじまり、MITの研究プロジェクトや産業連携の成功事例を紹介。汎用性が高いことから、多くの人が生成AIの可能性に興味を持っており、その応用範囲はますます広がっていると未来への展望についても触れました。
次に、 Senior Lecturer, MIT Sloan School of Management, John Carrier氏が自身の体験から得た洞察をもとに、オープンイノベーションに関する基調講演を行いました。オープンイノベーションの概念や組織同士の境界を解放することの重要性について説明し、組織同士のコミュニケーションがイノベーションの速さに影響を与えると指摘。互いに情報を共有し、繋がりをつくることの重要性を強調し、本イベントがその出発点であると聴講者に呼びかけました。
基調講演後に行われたパネルディスカッションにはNEC西原、MIT-IBM Watson AI Lab Aude Oliva氏に加え、元Alchemist Accelerator Presidentで現在はAIスタートアップの共同創業者であるRachel Chalmers氏が登場。大企業、学界、スタートアップという異なる立場から意見を交わし合いました。
パネルディスカッションはAIのエコシステムについての議論からはじまり、昨今のAIの急速な変化についていくためには、異なる組織や専門家が協力して情報を共有する必要があると、それぞれが指摘しました。
AIの未来予測についても触れられ、Oliva氏は「2年から5年後までには、新しい化合物や医薬品の設計に活用され、個別化医療の実現に寄与する可能性がある」と言及。 Chalmers氏も「AIの次の急激な進展は3年11ヶ月7日後だ」と会場を笑わせ、「生成AIはこの25年間で見たことのないチャンスだ」と語りました。
・ 新CEO 松本がNEC Xのパートナーシップ拡大と更なるスタートアップ支援を約束
午後の部では、本年6月にNEC Xの新CEOに就任した松本眞太郎(注3)が、NEC Xの5年間の変遷と今後の展望を共有しました。 NEC Xは過去5年間で、存在する技術を市場に出していくためのプロダクト思考のアプローチから、起業家中心のモデルへと変貌してきたと述べ、これまでのプログラムを体系化し、起業家を中心としたベンチャースタジオプログラム「Elev X!」を発表しました。
今後の活動の3つの軸として「共創」「拡大」「戦略」を挙げ、
共創:パートナーシップを拡大し、スタートアップのための環境を整えていくこと
拡大:チャレンジを続けるスタートアップをプログラム卒業後も支援していくために、投資家とのつながりを強化すること
戦略:NECやNEC Xのアセットを活用することでシリコンバレーエコシステムの発展に貢献していくこと
を約束して、聴講者への参画・協力を仰ぎました。
その後、NEC Xから生まれたスタートアップによるピッチセッションが行われました。Metabob、Beagle Technology、NavigateIO、Flyhound、Q.I.など、計7社がピッチを行い、投資家をはじめとした聴講者から多くの関心と質問を集めました。
パネルディスカッションにはFlyhound 共同創業者 兼 CEOのManny Cerniglia氏、共同創業者 兼 CTOのAntonio Albanese氏などが登壇し、それぞれの事業内容とNEC Xとの出会いについて語ったあと、どのようにNEC Xとコラボレーションしてきたかを語りました。NECのテクノロジーを活用することで、米国外で成長し世界規模でインパクトを与える機会を得ただけでなく、NEC Xは、ビジネス面に至るまで柔軟で実用的なサポートを常に提供してくれたと口を揃えて強調。Cerniglia氏は、アイデアの実現と成長には共同創業者やチームが不可欠であり、NEC Xのベンチャースタジオプログラムに参加することで、他の多くのスタートアップが使うことのできない、成長するための能力を得ることができたと熱く語りました。
NEC Xについて
NEC XはNECの技術と人材を核に、シリコンバレーのスタートアップエコシステムの中でオープンイノベーションによる事業化を推し進めるベンチャースタジオです。NECの技術や研究者とのマッチング及び顧客発見・顧客実証のプロセスを通じて事業を立ち上げるベンチャースタジオプログラム「Elev X!」を提供し、これまでに10社以上の事業化を実現してきました。
以上
(注1) 本社:米国・カリフォルニア州、President and CEO:松本眞太郎
(注2) マサチューセッツ工科大学が運営する、世界中の企業との間に相互に有益な関係を築き、強化することを目的としたコミュニティプログラム
(注3) NEC X, Inc. President and CEO。2001年、NEC入社。ソフトウェア開発に従事後、マーケティング部門で海外ベンダとのアライアンス、ビジネスユニット企画部門で経営戦略を担当。2015年よりAgriTech分野での新事業開発をリード。NECのAgriTech事業「CropScope」立上げや合弁会社DXAS Agricultural Technology設立に携わり、新事業開発の戦略リーダーを経て2023年6月より現職。オープンイノベーションによる新事業開発を推進するとともに、NEC X Venture Studioチームのマネジメントおよびポートフォリオの管理を担う。DXAS Agricultural Technologyの社外取締役を兼任。
<本件のお問い合わせ先>
NEC グローバルイノベーションビジネスユニット コーポレート事業開発部門
E-Mail:contact@necx.jp.nec.com
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