日本の三大写真賞のひとつ 『第30回 林忠彦賞』受賞! 初沢亜利 写真集 『東京 二〇二〇、二〇二一。』
初沢亜利 写真集『東京 二〇二〇、二〇二一。』
https://www.tokuma.jp/book/b597754.html
今回、この栄誉ある「第30回 林忠彦賞」を受賞した写真家・初沢亜利氏の写真集『東京 二〇二〇、二〇二一。』の舞台は、首都・東京。新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックで発令された史上初の緊急事態宣言、56年ぶりの開催となった東京オリンピック、衆議院議員選挙など、2020年、2021年の東京には有事が連続した。
活気あふれる街の声は、人流の抑制、自粛の号令によって消え去り、人々は外出時はマスクで口元を覆い、距離を取った。法的拘束力はないが、誰もが目に見えない同調圧力によってあらゆる活動を控えた。外出さえはばかられる中を、初沢氏は連日、都内各所でカメラを構え続けた。
満開の桜に春雪が舞う無人の花見の名所・上野公園、営業自粛要請に従う店と抗う店、マスクの下は満面の笑みであろう無邪気に遊ぶ子供たち、五輪の狂騒、コロナ禍とは無関係に晴れ渡る空、バブルの中に納まりきらなかった外国人選手たち、愛情や欲求を自粛できない恋人たち、路上の人々の変わりなき日常、グータッチを求める前首相……写真家は時間も場所も問わず、彷徨い続け、東京の今を記録した。誰もが街に出ることを躊躇った時間、結果、多くの人々が見ることのなかった東京の「素顔」が本書には収められている。
本書の発刊からこれまでに、新聞、雑誌、テレビ、WEBなど、既に多くの媒体にて紹介され、初沢氏自身もラジオやYouTubeチャンネル等にゲスト出演するなど、各方面で話題となっている 『東京 二〇二〇、二〇二一。』。
木村伊兵衛写真賞、土門拳写真賞と並ぶ権威ある賞、「第30回 林忠彦賞」を受賞し、本日3月8日(火)に公式発表されました。
- 受賞者:初沢亜利氏 コメント
この度、林忠彦賞を頂けたことは大変光栄です。コロナ禍に見舞われた東京を2年間写した作品が、のちの時代に何を語りかけるか。冷静に見返すためにはかなりの時間が必要です。
受賞したことで、長く作品名が残ることは意義深いと感じています。また6月に東京から遠く離れた山口県で展示することで、作品の見え方がどう変わるか、も楽しみにしています。
東京=大量に感染者を生み出した怖い街、というイメージは全国で定着したことでしょう。この中での人々の営みに写真を通じて触れることで、恐怖心を解きほぐしてもらえたら、と思います。
オリンピックも中途半端な形での開催となりました。マスメディアでは取り上げない周辺の状況も展示いたします。興味深くみて頂けることを期待しております。初夏にはコロナ禍が完全に収束していることを願って止みません。
- 林忠彦賞について ※林忠彦賞公式ホームページより抜粋
〇林忠彦賞公式ホームページ http://www.hayashi-award.com/
<賞について>
この賞は、戦後写真界に大きな足跡を残した写真家・林忠彦の多彩な業績を記念し、周南市と公益財団法人周南市文化振興財団が1991(平成3)年に創設したものです。1996(平成8)年には第46回日本写真協会文化振興賞を受賞しました。
<趣旨>
わが国の写真文化の発展において、林忠彦は木村伊兵衛、土門拳、渡辺義雄各氏などの先輩写真家とともに日本写真家協会設立に尽力する一方、昭和28年、二科会に写真部を創設、以後、全国のアマチュア写真家の資質の向上に最後まで全力を傾注しました。
こうした氏の遺志を生かしアマチュア写真の振興を目的として本賞を設立しました。
- 第30回林忠彦賞:応募の状況について
・写真家等 110名
・写真団体 30名
・写真関係学校 52名
・雑誌・新聞 66名
・企業 31名
②選考委員 5名
■応募要領
①公募発表 9月25日
②推薦依頼 10月6日
■応募点数 117点
①推薦 41点
②自薦 73点
推薦・自薦 3点
最終候補作品12点の中から、初沢亜利 『東京 二〇二〇、二〇二一。』が選出されました!
- 選考委員会総評:委員長 大石芳野(おおいし よしの)
そうしたなかで今回初沢亜利さんの写真集『東京 二〇二〇、二〇二一。』が林忠彦賞に選出されました。
応募された沢山のスナップ写真の流れの一つにあり、その代表的な感じがします。コロナ禍、多くの写真家が街を歩いてスナップを撮っていました。東京も感染パンデミックになり、私も地方に取材に行こうとすると「東京の人は来ないでほしい」と言われたほど、蔓延していました。
そういう状況の中、初沢さんは精力的に撮影しました。他の人の作品からも、都会ばかりか田舎の光景も、コロナ禍で自分はどうなのかと考えながらファインダーを覗いていたことが伝わってきました。
その中で『東京 二〇二〇、二〇二一。』は、東京中をくまなく歩いてシャッターを切っています。よくこれほど歩いたものだと驚きさえ覚えるものです。2年間の社会状況をしっかりと記録しておくという意思も伝わってきます。
例えば高尾山の写真にはオリンピックのマークが写っていて、高尾山も東京都だと思いながら東京オリンピックを改めて伝えるという工夫もあり、あれもこれも幅広く撮影して一冊にまとめています。
林忠彦賞の審査が行われなかったこの2年間の東京を示した凄さが林忠彦賞に相応しいと評価されました。
- 第30回 林忠彦賞受賞記念写真展
5月13日(金)~5月19日(木) 会期中無休 10:00~19:00(最終日16:00まで)
東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン フジフイルム スクエア TEL(03)6271-3351
[周南展] - 林忠彦の生誕地にある - 周南市美術博物館
6月10日(金)~6月19日(日) 月曜日休館 9:30~17:00
山口県周南市花畠町10-16 TEL(0834)22-8880
[東川展] 写真の町 東川町文化ギャラリー
2023年1月14日(土)~1月29日(日) 会期中無休 10:00~17:00
北海道上川郡東川町東町1-19-8 TEL(0166)82-4700
※今後の状況によっては変更等も考えられます。
最新の情報は林忠彦賞公式ホームページ( http://www.hayashi-award.com/ )にてご確認ください。
- 商品情報
[タイトル] 東京 二〇二〇、二〇二一。
※読み:トウキョウ・ニーゼロニーゼロ・ニーゼロニーイチ
[著者] 初沢亜利
[装丁] 浅葉克己
[発売日] 2021年12月18日(土)
[定価] 3,850円(10%税込)
[判型/仕様] B5判ソフトカバー 256ページ
[発売] 株式会社徳間書店
[商品URL]
https://www.tokuma.jp/book/b597754.html
https://www.amazon.co.jp/dp/4198654050
- 受賞者プロフィール
1973年、フランス・パリ生まれ。上智大学文学部社会学科卒。
第13期写真ワークショップ・コルプス修了後、イイノ広尾スタジオを経て写真家としての活動を開始する。東川賞新人作家賞、日本写真協会新人賞、さがみはら写真新人奨励賞受賞。写真集に『Baghdad2003』(碧天舎)、『隣人。38度線の北』『隣人、それから。38度線の北』(共に徳間書店)、『True Feelings 爪痕の真情』(三栄書房)、『沖縄のことを教えてください』(赤々舎)、『東京、コロナ禍。』(柏書房)。
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