フェンディ、「バゲット」の「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトがスコットランドへ
2020年にイタリア国内でスタートし、その後アメリカ、日本、中国、マダガスカル、そしてスコットランドと世界中に広がったフェンディとローカルアーティストとの草の根パートナーシッププロジェクトは、アクセサリーとメンズウェア部門のアーティスティック ディレクター、シルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)が1997年にデザインし瞬く間にメゾンのアイコンとなり、絶えず変化しながらも、すぐにその存在を認識されるキャンバスとなった「バゲット」バッグにハイライトを当てます。フェンディ「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトは、地元の工芸を用いて「バゲット」バッグを解釈し芸術的価値を持つ真の装飾品を制作するよう、さまざまなアトリエやワークショップに依頼するものです。職人によるプロダクトの制作に加え、「ハンド・イン・ハンド」は人と人との強固なつながりを築き、それは世界中の職人たちの貴重なクラフツマンシップやクリエイティビティ、サヴォアフェールの保存と継承の重要なステップとなるのです。
スコットランドの伝統的なパターンであるタータンは、自分が属するクラン(Clan/氏族)や企業、家族、地域を示すもので自尊心や誠実さ、アイデンティティを表すタイムレスなシンボルです。歴史的にクランとは、実際に血縁関係のある、または親族として同じ姓を持つ緊密に結びついた人々の集団を表し、そのメンバーに帰属意識と共通の財産をもたらします。メゾンにとって、さらには100周年を迎えようとしているフェンディにとって大切な“選ばれた家族”という考え方の一部として、そのような価値観がフェンディにも受け継がれているのです。
クランタータンがその地域で入手可能な天然染料を用い、地元の織り手が織り上げたものとして認識され、1815年にタータンの正式な命名と登録が始まりました。今日、スコットランドタータン登記所(Scottish Register of Tartans)はこの伝統を継承するとともに、スコティッシュタータンの保存と促進を行っています。
クレア・キャンベルが率いるプリックリー・シスルは、ロゴや言葉、数字、また重要な日時や出来事を表すシンボルをツイル生地に織り込むことで、この歴史的意義というコンセプトを高めます。この革新的なテクニックはそのパターンを通じて物語を紡ぐとともに、カスタムメイドというクラフツマンシップのエッセンスに命を吹き込み、美を超えた意味を重ね、卓越したテキスタイルを生み出します。
フェンディとプリックリー・シスルは、パターンに含む典型的な要素を定義するために密接に連携し、スコットランドのクランのように、メゾンとフェンディ家のストーリーを表現するユニークなタータンを生み出しました。正確に選ばれたカラーであるタバコブラウンは、フェンディを代表する「ペカン(Pequin)」ストライプを反映したもので、わずかに加えられたフェンディイエローがメゾンのヘリテージを表しています。加えてフェンディ家の5人の姉妹を表す数字の「5」が、フェンディの創業(1925)、「バゲット」(1997)と「ピーカブー(Peekaboo)」(2008)を発表した重要な年とともに、デザインに取り入れられています。
プリックリー・シスルとのコラボレーションによって実現した、フェンディクランを表す「ハンド・イン・ハンド」の「バゲット」バッグには、スコットランドタータン登記所に正式に登録され、知的財産権で保護されている特別なフェンディ タータンが用いられています。バッグはその後、フィレンツェ(Florence)に位置するフェンディ ファクトリー(FENDI Factory)に運ばれ、経験豊かな職人たちによって完成されています。「バゲット」バッグにはプリッセモチーフと小さなバックルがサイドにあしらわれ、バッグのパンクスピリットが強調されています。ベルトのようなブラウンレザーのショルダーストラップは、2列のグロメットとバックルによって長さの調節が可能です。
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