世界初、iPS-NKT細胞を血管内に直接投与 頭頸部がんの免疫細胞療法で治験を開始
2020年6月25日に医薬品医療機器総合機構(PMDA)の30日調査を終え、千葉大学病院(病院⾧ 横手幸太郎)では、頭頸部がんの新たな治療法として、がんに対して強い攻撃力を持つ免疫細胞「NKT細胞」を用いた治療法の開発を進めてきましたが、このたび、さらなる生存率の改善に向けて、理化学研究所と連携し、iPS細胞からNKT細胞を作製した「iPS-NKT細胞」をヒトに投与する、世界初の治療法を医師主導治験として行うこととなりました。
これまでに「iPS-NKT細胞」が人の血管内に直接投与されたことはなく、本治験で忍容性(副作用などの発現状況を評価して適切な投与量を検討)、安全性、有効性が確認されれば、頭頸部がん(鼻、口、喉、上顎、下顎、耳などにできるがん)と闘っている患者さんにとって大きな希望となります。
これまでに「iPS-NKT細胞」が人の血管内に直接投与されたことはなく、本治験で忍容性(副作用などの発現状況を評価して適切な投与量を検討)、安全性、有効性が確認されれば、頭頸部がん(鼻、口、喉、上顎、下顎、耳などにできるがん)と闘っている患者さんにとって大きな希望となります。
- NKT細胞の特徴
- iPS-NKT細胞
- 治験責任医師および治験調整医師より
- 本治験の概要
「再発・進行頭頸部がん患者を対象としたiPS-NKT細胞動注療法に関する第1相試験」
(2) 目的
これまでに「iPS-NKT細胞」が人の血管内に直接投与された経験はないことから、本治験では、人に対する「iPS-NKT細胞」の忍容性、安全性(どのような有害事象がどの程度発現するのか)、そして有効性について評価することを目的としています。
(3) 試験デザイン
単施設、非盲検、非対照、用量漸増試験
(4) 対象疾患
標準治療後又は標準治療の適応とならない再発・進行頭頸部がん
(5) 対象被験者数
4~18名(副作用の発現状況による)※詳細は千葉大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科HPに掲載予定
(6) iPS-NKT細胞投与までの流れ
① 本治験への参加に関する説明を行い、同意をいただきます。
② 本治験への参加が可能か、検査等で確認します(スクリーニング)。
③ 治療スケジュールを計画し、理化学研究所に「iPS-NKT細胞」の製造(上図)を依頼。
④ 投与方法を検討し、必要に応じて予め局所麻酔での投与経路作成手術を行います。
⑤ 理化学研究所で製造された「iPS-NKT細胞」が、医師により投与されます。
(7) 本治験の実施体
〇 治験責任医師
千葉大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 飯沼 智久
〇 治験調整医師(代表)
千葉大学大学院医学研究院 免疫細胞医学 本橋 新一郎
〇 治験製品製造及び提供責任者
国立研究開発法人 理化学研究所 生命医科学研究センター 古関 明彦
〇 治験実施支援(調整事務局、モニタリング、データマネジメント、統計解析など)部門
千葉大学医学部附属病院 臨床試験部 花岡 英紀
〇 HLA検査、抗HLA抗体検査及びサイトカイン検査
ジェノダイブ株式会社、株式会社LSIメディエンス
(8) 本研究への支援
本研究は、下記機関及び企業より支援を受けて実施します。
● 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)
・再生医療実現拠点ネットワークプログラム 疾患・組織別実用化研究拠点(拠点B)
「NKT細胞再生によるがん免疫治療技術開発拠点」
・再生医療実用化研究事業
「再発・進行頭頸部がん患者を対象としたiPS-NKT細胞動注療法に関する第1相試験」
研究代表者:国立研究開発法人 理化学研究所 生命医科学研究センター 古関 明彦
● ブライトパス・バイオ株式会社
- 経過
平成27年 2月 4日~ 医薬品医療機器総合機構(以下、「PMDA」)と 「iPS-NKT細胞」の品質、安全性等に関する相談を開始
平成30年 12月27日 PMDAと「iPS-NKT細胞」に関する治験相談を実施
令和 2年 5月20日 千葉大学医学部附属病院治験審査委員会にて承認
令和 2年 5月27日 厚生労働大臣に治験届を提出
令和 2年 6月25日 PMDAの30日調査終了見込み
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