木造寺院・ホテル・商業施設一体型複合施設の開発事業 日本不動産学会長賞を受賞

「歴史ある建造物の保存」「地域の賑わい創出」「日本文化発信」を同時実現

東京建物株式会社

東京建物株式会社は、「東京建物三津寺ビルディング」開発事業(宗教法人三津寺(本拠:大阪府大阪市中央区、三津寺住職 加賀 俊之)との共同事業、以下「本事業」)が、日本不動産学会業績賞「日本不動産学会長賞」を受賞しましたので、お知らせします。「日本不動産学会長賞」は、学術研究分野である不動産学の観点から見て特に優れた業績を公益社団法人日本不動産学会が表彰するものです。

東京建物三津寺ビルディング 建物外観

● 受賞概要

受賞名

「本堂 曳家×ホテル 複合開発 ~繁華街の狭隘な敷地における①歴史ある建造物の保存②地域の賑わい創出③日本文化発信の同時実現~」

受賞理由

本事業は、大阪市都心部に立地する寺院の境内地全体に一般定期借地権を設定し、築後200年余を経過した本堂の現地保存を前提に、三津寺と東京建物が借地権を準共有したうえで、借地上の高層区分所有建物の専有部分(庫裏とホテル等)をそれぞれが区分所有する複合開発を行った事例である。敷地分割して本堂と新築する区分所有建物を並列する広さがないことから、区分所有建物の低層部・3層吹き抜けピロティ空間に本堂を納める縦列配置で課題を解決し、縦列配置実現のために本堂を3回曳家して残す工夫をしている点は複合事業として高く評価できる。加えて、人通りの多い御堂筋に面する位置に配置された本堂は東京建物が区分所有して賃貸するホテルのエントランス部分にあり、インバウンド観光客が日本文化に触れる機会を提供し周辺地域のにぎわい創出を図ろうとしている点も社会性を有する事業であると判断できる。

● 本事業の特徴

三津寺本堂の保存

・ 三津寺は744年に開創したと伝わる歴史ある真言宗寺院であり、現在の本堂は1808年に再建。

・ 3度にわたる本堂の曳家を実施し、既存本堂を損傷させることなく、原形を維持したまま敷地内(新築建物の3層吹抜のピロティ空間内)に保存。

※曳家工事動画(https://tatemono-dam.jp/guest/f1uo76xm0q/asset-detail/82979/82979

・ 土地の有効利用として未活用となっていた既存本堂の上部の容積を活用することで、ホテル・店舗と都市型寺院の共存により収益性を確保し、経済的にも持続可能な運営を実現。

・ さらに、既存本堂である木造建築物を新築建物である耐火構造物で覆う構造をとることで、建物および周辺地域への防災力向上も同時実現。

3度にわたる曳家工程

地域の新たなにぎわい創出

・ 三津寺は、御堂筋と三津寺筋が交わる立地にあり、特に御堂筋では、大阪市の御堂筋将来ビジョンにより、側道の廃止と歩道の拡張、沿道エリアの活性化と歩行者の滞留空間の整備が行われ、2037年をターゲットイヤーとしてフルモール化(完全歩行者専用化)される予定※。

・ 本事業では、寺院とホテルともに御堂筋からのアクセスを可能とし、御堂筋からの人流を呼び込み、地域社会と繋がりを創出するとともに、まちに開かれた境内として日中開放することで、仏教を身近に感じられる空間を実現。

・ 境内では護摩行などの宗教儀式が行われるだけでなく、講演会や音楽ライブ等、さまざまなイベントを開催し、地域のにぎわいを創出。文化の発信地、地域の居場所として機能。

※ 出典:大阪市「御堂筋将来ビジョン」(https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000464479.html

各建物の配置図

寺院とホテル一体の空間を活かした日本文化発信による国際交流への貢献

・ 寺院の上部にホテルを配置し高度利用するとともに、寺院の来訪者だけでなく、ホテル利用者も境内を通り、ホテルロビーにアクセスする動線とする等、寺院とホテルを物理的にも一体的な空間として整備。

・ 本堂の天井には、100を超える色とりどりの花卉図が描かれており、三津寺を象徴する江戸美術として、対外発信。本事業にあたり、天井に新たにスプリンクラーの設置が必要な箇所があり、当該花卉図の文化的価値が損なわれる可能性があったが、京都市立芸術大学の協力により、花卉図の一部を模写で保存する等、対策を講じた。

・ あわせて、「写経」と仏の姿を写す「写仏」を融合させた「絵写経」体験等、観光を通して日本文化を身近に感じられる体験価値を提供する宿泊プラン(提供:三津寺、カンデオホテルズ大阪心斎橋)を設けており、日本文化の発信により国際交流にも貢献するという相乗効果をもたらしている。

境内とホテルエントランスを兼ねたアプローチ
日本文化を発信する宿泊プラン(「絵写経」体験)
スプリンクラー設置個所の花卉図を模写により保存

● 物件概要

名称

東京建物三津寺ビルディング

所在地

大阪市中央区心斎橋筋二丁目7番12号

用途

寺院、ホテル、物販店舗

建築主

東京建物株式会社

設計者

大成建設株式会社関西支店一級建築士事務所

施工者

大成建設株式会社関西支店

着工

2021年1月6日

竣工

2023年9月29日

● 位置図

【ご参考】

本事業紹介コラム「開創約1300年の寺院に寄り添い、歴史・文化を次世代に継承」

(出典:DO for Sustainability. with東京建物)

前編:https://tatemono.com/doforsustainability/dfs/post25.html

後編:https://tatemono.com/doforsustainability/dfs/post26.html

                                            以上

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会社概要

東京建物株式会社

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URL
https://tatemono.com/
業種
不動産業
本社所在地
東京都中央区八重洲1-4-16 東京建物八重洲ビル
電話番号
-
代表者名
小澤 克人
上場
東証プライム
資本金
924億円
設立
1896年10月