アクセンチュア ライフ トレンド2025を発表―「信頼」が生活者と企業の関係を再構築すると予測
アクセンチュア ソングによる年次レポートで、5つの世界的なマクロトレンドとそれらを裏打ちする生活者のインサイト、企業への示唆を提示
【ニューヨーク発】今年で18回目を迎えるアクセンチュア(NYSE: ACN)の年次レポート「アクセンチュア ライフ トレンド2025」によると、世界の半数以上の人々が、以前よりもオンラインで目にするコンテンツの真偽に対して疑念を抱くようになったと回答しています。また、62%の人々が「信頼」がブランドを選択する際に重要な要素であると答えています。
急速な技術の進歩に対する生活者の反応はさまざまです。AIや生成AIの活用が進む中で、こうした技術革新は社会における人々の体験に大きな影響を及ぼしています。生活者はデジタル技術がもたらす便利さを享受しながらも、一度立ち止まり、人生におけるテクノロジーとの向き合い方をリバランス・再考するようになっています。その過程で、目にする情報や信じる内容をより慎重に精査する必要性を強く感じています。
アクセンチュア ソングのクリエイティブチェアパーソンであるニック・ロウ(Nick Law)は次のように述べています。「生成AIを含む新たな技術が生活者の日常体験を変えている中で、人々は自身の主導権を保つために、テクノロジーとの向き合い方を見直しています。誰もが見聞きする情報をより慎重に吟味するようになっている今、オンライン上での信頼獲得は急務です。この変化は当然のことながら、顧客が企業とどのように関わるかにも影響を与えています」
世界中から集められた知見をもとに、アクセンチュア ソングはテクノロジーと生活者の関係がどのように変化するか、そしてブランドがその変化にどう対応すれば良いかを予測する、5つのマクロトレンドを特定しました。
1. ためらいのしわ寄せ
オンライン詐欺の増加により、コンテンツの真偽を見極めることが一層難しくなり、オンライン体験への信頼性が揺らいでいます。生成AIはこの疑念をさらに深め、人々のデジタルプラットフォームへの信頼を揺るがしています。アクセンチュアの調査によれば、半数以上の人々がオンラインコンテンツの信ぴょう性に疑問を抱いています。また、過去1年間で33%の人々がディープフェイクや詐欺被害に遭ったと回答しており、信頼の低下はオンラインショッピングやブランドとの関わりにも影響を与えています。ブランドは顧客が安心できるよう、コミュニケーションや商取引、商品において信頼性を確保することが求められています。
2. 親子間ギャップ
親世代は、子どもたちがデジタル技術と健全で良好な関係を築くためにサポートが必要だと感じています。これは時に若者たちの意向に反することもありますが、インターネットやソーシャルメディアへの無制限のアクセスは、極端な行動を引き起こしたり、さまざまな危険に巻き込まれたりするリスクが伴います。この問題を喫緊の課題と認識する親たちは、政府がトップダウンで講じる対策に加えて、自らも積極的に対応しています。アクセンチュアの調査では、18歳から24歳の若者は、55歳以上の人々と比べて、ソーシャルメディアが自分のアイデンティティに影響を与えていると感じる割合が2倍以上高いことが判明しました。また、Z世代とミレニアル世代の約3分の2(それぞれ67%と64%)が、望む以上にオンラインで時間を費やしていると回答しています。若者たちがこのようなインターネットやソーシャルメディアの負の影響に苦しむ中で、適切なバランスや保護策を見つけるための議論と行動が求められています。
3. せっかちエコノミー
多くの文化において、教育、努力、そして強い意志が希望の未来を形作る要素として強調されています。しかし、昨年の「成功神話の解体」と題されたトレンドは、人々の目標や優先事項が急速に変わりつつあることを浮き彫りにしました。現在では、生活者の4人に3人が「企業が自分たちのニーズの変化にもっと迅速に対応してほしい」と望んでいます。また、世界の半数以上の人々が、素早い回答や解決策を求めてSNSなどで不特定多数からの情報に頼ることが多くなり、その結果、自身の健康やお金に関するリスクの高い選択をすることもあります。特に今では、インフルエンサーがファッション、旅行、音楽だけでなく、健康やお金、ウェルビーイングといった生活の基本にも影響を与えるようになっています。このような状況下で、企業が期待に応えられない場合、生活者はオンラインコミュニティに頼るようになります。そのため、ブランドは人々からの愛着や忠誠心を維持するために迅速な対応が求められています。
4. 仕事の尊厳
業務のプレッシャー、技術の進歩、そして環境の変化により、仕事における尊厳がますます重要視されるようになっています。生成AIが職場に導入される中で、その活用においては従業員の尊厳を考慮することが不可欠です。生成AIツールについて、75%の人が仕事で役立つと感じており、44%が作業効率を高め、38%が作業の質を向上させると答えています。しかし、14%は創造性が制限されると懸念し、15%は仕事がより事務的になると感じ、11%は雇用の安定に不安を抱いています。経営幹部は、質の高い成果を生み出すために、従業員がモチベーションと裁量を感じられる職場環境を醸成する必要があります。
5. つながりの再野生化
人々は、体験の中でさらなる深さや本物らしさ、感覚的な豊かさを求め、充実感をもって社会と関わりたいと考えています。自然環境や他者との接点を再構築する新たな欲求が芽生えており、テクノロジーの活用と日々の幸せやウェルビーイングの追求との間で揺れ動いています。調査によると、42%の人々が過去1週間で最も楽しかった体験を実生活での出来事と回答しており、デジタル上での体験を挙げた人はわずか15%でした。この変化は、組織にとって自らの提供価値を再考し、より没入感のある「本物の」体験を求める生活者の欲求に応えるチャンスを提供しています。
アクセンチュア ソングのCEOであるデビッド・ドロガ(David Droga)は次のように述べています。「人間とテクノロジーの関係は確実に変わりつつあり、その複雑さも増しています。企業は、事業成長と顧客との親和性を高めるために新技術を導入する一方で、信頼と人間らしさの醸成を怠ってはなりません」
アクセンチュア ライフ トレンド2025の詳細はこちらを参照ください。
調査方法
「アクセンチュア ライフ トレンド2025」は、グローバルで活躍するアクセンチュア ソングのデザイナー、クリエイター、テクノロジーの専門家、社会学者、人類学者の洞察や知見、また、2024年7月に日本を含む22カ国24,295人に対して実施したアンケート調査をもとに作成されました。来たるデジタルトレンドを定義し、企業がまず取るべき施策を提案しています。
アクセンチュアについて
アクセンチュアは、世界有数のプロフェッショナル サービス企業です。アクセンチュアは、世界をリードするさまざまな企業や行政機関などの組織の中核にデジタル技術を実装することで、組織運営を最適化し、収益を拡大させ、また市民サービスの向上にも貢献するなど、お客様に対して目に見える成果を圧倒的な規模とスピードで創出しています。 アクセンチュアでは、優れた才能でイノベーションを主導する799,000人もの社員が120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。 また、テクノロジーが変革の成否を分ける時代において、世界中のエコシステム・パートナーとの緊密な連携を図りつつ、クラウド、データ、AIおよび業界ごとの比類のなき知見、専門知識や、グローバル規模のデリバリー能力を最適に組み合わせてお客様の変革を支えています。アクセンチュアは、ストラテジー&コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズ、インダストリーX、ソングの領域をまたぐ、幅広いサービス、ソリューションやアセットを活用して成果につなげています。アクセンチュアでは、成功を分かち合う文化や、360度でお客様の価値創造を図ることで、長期にわたる信頼関係を構築しています。またアクセンチュアは、お客様、社員、株主、パートナー企業、社会へ提供している360度での価値創造を、自らの成功の指標としています。
アクセンチュアの詳細は www.accenture.com/us-en を、
アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jp-ja をご覧ください。
アクセンチュア ソングについて
アクセンチュア ソングは、顧客との価値ある関係を作り続けることで、お客様の成長を加速させ、企業価値の向上に貢献します。成長戦略、製品、顧客体験の設計から、テクノロジーを活用した顧客体験のプラットフォームやクリエイティブ、メディア、マーケティング戦略、さらに、キャンペーン、コンテンツ、チャネルの編成など、アイデアを生み出し、形づくるまで一貫したサービスを提供します。お客様との強い信頼関係と業界に関する卓越した知見とノウハウを掛け合わせ、絶えず変化する世の中において、想像力、テクノロジー、インテリジェンスがもたらす無限の可能性を通じて、お客様の成長を支援します。
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