飲食店の95%が感染防止ガイドラインを実践。一律の時短協力金に疑問の声も
飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証一部:3963)は、飲食店.COM会員を対象に、「外食業の事業継続のためのガイドライン」の遵守状況についてアンケート調査を実施いたしました。
<本調査について>
■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:537名
調査期間:2021年1月18日~2021年1月20日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち67.6%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は54.4%(首都圏の飲食店の割合は71.6%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
<調査結果について>
■9割以上の飲食店が営業時間短縮要請に「応じる」と回答。協力金も有効に
1月に入り発表された全国の新型コロナウイルス感染者数は最大で1日7,800人を超えました。7日には1都3県に再び緊急事態宣言が出され、13日には11都府県まで宣言の範囲を拡大。これに伴い対象地域の飲食店に営業時間短縮の要請がなされています。
こうした状況の中、飲食店ではコロナ禍でもお客様に安心して外食を楽しんでもらえるよう、日本フードサービス協会が掲げる「外食業の事業継続のためのガイドライン」に沿って、各店舗に合わせた感染予防対策を徹底し続けています。そこで今回は、実際のガイドラインの遵守状況と、飲食店における新型コロナ感染の発生率について調査を行うため、アンケートを実施いたしました。
はじめに、2020年12月の経営状況について前年同月と比較してもらったところ、最も多かったのは「前年同月より50%以上減った」で、38.5%。続いて「30%減った(16.2%)」、「40%減った(15.1%)」、「20%減った(11.4%)」という結果になりました。
11月の売上の昨年対比では、「前年同月より50%以上減った」との回答が21.2%、次いで「30%減った(18.5%)」、「20%減った(16.2%)」、「40%減った(13.5%)」となっていたことから、11月より下降傾向にあった経営状況はさらに悪化しつつあることがわかりました。これには「第3波」といわれる、11月以降の急激な感染拡大の動きが影響したものと思われます。
次に、本アンケートに回答いただいた各店舗が、再発令された緊急事態宣言の対象地域、もしくは各自治体で独自に出されている営業時間短縮要請の対象地域にあるかどうか聞いたところ、およそ9割が「対象地域にある」と回答しました。
そのうえで、営業時間短縮要請に応じる意向があるかうかがうと、「時短営業を行う」が73.7%と最多。続いて、「臨時休業する」が22.8%となり、96.5%の店舗が何らかの形で要請に応じる意向であることがわかりました。
ちなみに、営業時間短縮要請に「応じる」または「応じない」とする理由について聞いてみると、以下のような回答が寄せられました。
<回答抜粋>
●「応じる(96.5%)」とする理由
感染拡大を抑え、お客や従業員の安全を確保したい
・お客様と従業員の安全を確保するため。少しでも収束に協力したい(東京都/イタリア料理/1店舗)
・感染拡大の要因が飲食店のみとは思わないが、一因であることも事実。まずは拡大の芽を摘み取る上でも、応じるしかないと思う(東京都/和食/2店舗)
・店を開けないことが感染拡大を抑えることにつながると思うから。開けていればお客様はご来店され、飲めば大声になる。従業員を守りたい(東京都/その他/1店舗)
営業するより協力金を受け取った方が賢明
・協力金以上の売上を獲得出来ないから(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・協力金を受け取る方が得だから(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・今のままでは通常営業をしていても赤字の上乗せになってしまう。当社にとって、今回の協力金は休業を検討できる金額であったが、従業員のモチベーション維持などを考慮し、時短営業を選択した(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
世間からの心象を考慮して
・開けていても集客、売上がほとんど見込めないし、世間の目もあるし、協力金がでるから(東京都/その他/1店舗)
・開けても来店は見込めないし評判も悪くなる(京都府/カラオケ・パブ・スナック/2店舗)
・お店の印象にもかかわるため(神奈川県/テイクアウト/1店舗)
●「応じない(2%)」とする理由
・補償されても、入金までが遅すぎてやっていけないため(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
■飲食店の95%が感染防止ガイドラインを実践
日本フードサービス協会による「外食業の事業継続のためのガイドライン」は、コロナ禍の飲食店における、ひとつの衛生管理基準となっています。
そこで、実際にこのガイドラインに沿った感染症対策をどの位実施できているか聞いてみると、59.2%が「ある程度は対策できている」と回答。「十分に対策できている(36.5%)」との回答を合わせると、95.7%の店舗が基本的な対策は講じられていると感じていることがわかりました。反対に、「まったく対策できていない」という店舗は0%でした。
さらに、ガイドラインの各項目に沿って具体的に実施している内容を聞いてみると、お客様の入店時においては「店舗入口に消毒用アルコールを用意する」が最も多く、96.5%という結果に。次いで「店内が混み合う場合は入店を制限する(73.2%)」、「発熱や咳などがある場合は店内飲食を断る(71.3%)」と続きました。いずれの内容でも、5割以上の実施率を示しています。
次に、客席の配慮や接客時の対応において実施していることをうかがったところ、最多となったのは「従業員のマスクまたはフェイスガード着用を徹底する」で89.9%。続いて、「退店のたびにテーブルやカウンターを消毒する(88.3%)」、「お客様の正面を避けて立ち、間隔を保つ(60.5%)」、「会計は非接触型決済を導入、またはコイントレイを介して受け取る(59%)」となりました。
テーブル間をパーティションで区切る、または間隔を空けるといった項目に関しては、物理的に難しい店舗もあると予想されますが、それでも4~5割の飲食店で実施されていることがわかりました。
従業員の衛生管理については、92.7%が「こまめな手洗いを徹底する」と回答しました。また、「発熱や風邪症状がみられる場合は出勤停止とする(88.5%)」、「感染または濃厚接触が確認された場合、就業を禁止する(86.2%)」といった項目についても、9割近くの飲食店で実施されています。
また、店舗の衛生管理について聞いてみると、最も多く実施されていたのが「トイレは毎日清掃する」で89.4%。卓上の備品やトイレのハンドドライヤーなどは、もともと設置されていない店舗もあるだろうことを考慮すると、ほとんどの項目において8割を超える実施率が示されました。
次に、本アンケートに回答いただいた各店舗を利用したお客様において、これまでに新型コロナウイルス感染症(疑いを含む)が発生したことがあるか聞いてみたところ、「ある」と回答した人は2.8%でした。
また、従業員における発生率に関しては4.8%という結果になりました。
■一律の時短協力金に疑問の声
一方、飲食店の営業を行ううえで、新型コロナウイルスによるどのような影響に不安を感じているか聞いてみたところ、以下のような回答が寄せられました。
<回答抜粋>
経営の悪化
・売上減少に尽きる(東京都/フランス料理/1店舗)
・顧客数の減少による店舗継続の危機(神奈川県/カフェ/1店舗)
先行きの不透明さ、長期化
・時短営業要請が延長になった場合、時短協力金が支給されるのかという不安(神奈川県/焼肉/1店舗)
・長期化すればもうもたない(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
今後の顧客の戻り具合
・緊急事態宣言が解除されてもどれだけお客様が戻ってくるか…(東京都/イタリア料理/11~30店舗)
・コロナ収束後の顧客の回復(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
外食需要の落ち込み
・売上の低下と他産業にニーズが移行してしまうこと(東京都/カフェ/11~30店舗)
・飲食業界全体の需要下降(神奈川県/ラーメン/1店舗)
自店からの感染拡大
・自店が原因となるコロナ感染の発生を心配している(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・だんだん感染者が近づいている気がする。いつか当店にご来店するお客様にも、陽性の人が来るかもしれないという不安 (東京都/フランス料理/1店舗)
飲食業界への風当たりの強さ
・飲食業全体に対する風評被害。自店で感染者が発生した場合、休業せざるを得なくなること。その際の風評被害による売上減など (神奈川県/カフェ/1店舗)
・外食産業に対する冷たい視線。現場では感じないが、テレビ(特にワイドショーなど)を見ていると、悪者扱いされていると感じる(奈良県/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
また、営業時間短縮要請に応じない飲食店は店名を公表するという政府の方針について、賛否をたずねたところ、「賛成(21.4%)」と回答した人は2割程度、「どちらともいえない(49.3%)」が半数近くを占めるという結果になりました。
上記の考えに至った理由について改めて聞いてみると、賛否としての結論は様々ながら、それぞれに共通した思いや疑問などを抱いている様子も見えてきました。
<回答抜粋>
●「賛成(21.4%)」とする理由
・個々の目先の経済活動も大事だが、全体として感染拡大を早急に止めて、根本から日本全体の経済活動が再開できる環境作りをすることが大事だと思うから(石川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・コロナウイルスは全員が同じ姿勢で臨んで気をつけることが大事。要請に従わないお店でクラスターなどが起これば、また感染者数の増加に繋がる(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・真面目に従っている側としては、不公平に思えるから(愛知県/フランス料理/1店舗)
●「反対(29.2%)」とする理由
・あくまで要請であり、任意のはず。個々に事情もあるので、やるやらないは自由(神奈川県/専門料理/2店舗)
・応じないのではなく「応じられない」のが実情で、営業規模によっては補償が不十分だと思うから(神奈川県/和食/3~5店舗)
・逆に、遅い時間まで入店できるという宣伝になってしまう(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/101店舗以上)
●「どちらともいえない(49.3%)」とする理由
・従いたくても店を開けなければ生活出来ない人もいるはず。いろんな理由があると思うのでなんとも言えない(東京都/イタリア料理/1店舗)
・従えないのはそれはそれで理由があり、その為にはしっかり現実に見合った補償が必要。ただ、従わないもの勝ちになってしまうのも問題がある。なのできっちり補償をした上であれば応じない店の店名公表は賛成(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・協力金が一律のため、まかなえないお店は営業するしかないのだろうと察します。だけど、対策も必要だと考えているため(埼玉県/イタリア料理/1店舗)
最後に、営業時間短縮要請に応じた場合の協力金について聞いてみると、「大変助かる」、または「足りない」といった声とともに、以下のような意見が寄せられました。
一律の給付に不満
・最初はともかく、未だに一律の給付を行うことに対しては愚策と言わざるを得ません。確定申告より算出し、前年度売上の何%かを補償すればよい。新規参入については坪数に応じればよい(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・狭小店舗においては多すぎ。チェーン店は地獄。給付の速度を考えると、一律給付の形にならざるを得ないのかもしれないが、消費税や売上申告などに基づいた支給が適当(東京都/焼肉/1店舗)
補償対象を広げるべき
・昼営業の飲食店も対象に加えてほしい(東京都/カフェ/1店舗)
・申請範囲や項目を増やし、飲食以外の業種に対しても公助を行うべき(埼玉県/バー/1店舗)
・緊急事態宣言外の地域も実害が出ていることを把握して対策を打って欲しい (福井県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
■調査結果の引用時のお願い
本調査結果の引用時には、以下のご対応をお願い申し上げます。
・クレジットに、「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。
<問い合わせ先>
■飲食店リサーチについて
・URL:https://www.inshokuten.com/research/company/
「飲食店リサーチ」は、飲食店に特化したリサーチサービスです。飲食店出店者・運営者に対してアンケートを実施し、マーケティングデータを取得することが可能です。飲食店向けの新しい商品・サービスの企画や食品・飲料の研究・開発等の際に、ニーズの把握・データの裏付けといった様々な形で、マーケティングデータを活用いただけます。
■飲食業界に向けたマーケティングなら
・URL:https://www.inshokuten.com/promotion/
<シンクロ・フードの直近の飲食店支援の取り組み>
シンクロ・フードでは新型コロナウイルスによる外食業界への影響を鑑み、飲食店の皆さまの店舗運営の一助となるべく新サービスの提供、キャンペーンの実施などを行っております。
■テイクアウト導入支援ツール「テイクアウトサポート」の提供を開始
https://www.inshokuten.com/menu/
■コロナ禍で応募数前年比がバイトで3倍、社員で1.8倍に急増
https://www.inshokuten.com/recruit/
■株式会社シンクロ・フードについて
当社は“食の世界をつなぎ、食の未来をつくる”を経営理念としており、「飲食業界に関わる人々をつなぎ、幸せにしていきたい」という想いを社名に込め、当社を設立いたしました。インターネット、テクノロジーの力を最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・サービス」をタイムリーに結びつけ、今後も食に関わる人々から必要とされるサービスを提供し続けることで、飲食業界の労働生産性を向上させ、業界全体のさらなる発展、成長に貢献したいと考えております。
【本社】東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
【代表者】代表取締役 藤代 真一
【上場市場】東京証券取引所市場第一部
【URL】http://www.synchro-food.co.jp/
【運営サイト】
飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店.COM」(https://www.inshokuten.com/)
飲食業界専門の求人サイト「求人@飲食店.COM」(https://job.inshokuten.com/)
食材仕入業者情報提供サイト「食材仕入先探し」(https://www.inshokuten.com/supplier/)
オンライン食材発注ツール「PlaceOrders」(https://www.inshokuten.com/placeorders/)
店舗デザインのポータルサイト「店舗デザイン.COM」(https://www.tenpodesign.com/)
食の世界をつなぐWebマガジン「Foodist Media」(https://www.inshokuten.com/foodist/)
飲食店専門のM&Aサービス「飲食M&A」(https://www.inshokuten.com/ma/)
居抜き店舗の買取査定サイト「居抜き情報.COM」(https://www.inuki-info.com/)
キッチンカーシェア・マッチングサイト「モビマル」(https://mobimaru.com/)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
株式会社シンクロ・フード(飲食店リサーチ担当)
住所:東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
TEL:03-5768-9522 Mail:support@synchro-food.co.jp
■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:537名
調査期間:2021年1月18日~2021年1月20日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち67.6%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は54.4%(首都圏の飲食店の割合は71.6%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
<調査結果について>
■9割以上の飲食店が営業時間短縮要請に「応じる」と回答。協力金も有効に
1月に入り発表された全国の新型コロナウイルス感染者数は最大で1日7,800人を超えました。7日には1都3県に再び緊急事態宣言が出され、13日には11都府県まで宣言の範囲を拡大。これに伴い対象地域の飲食店に営業時間短縮の要請がなされています。
こうした状況の中、飲食店ではコロナ禍でもお客様に安心して外食を楽しんでもらえるよう、日本フードサービス協会が掲げる「外食業の事業継続のためのガイドライン」に沿って、各店舗に合わせた感染予防対策を徹底し続けています。そこで今回は、実際のガイドラインの遵守状況と、飲食店における新型コロナ感染の発生率について調査を行うため、アンケートを実施いたしました。
はじめに、2020年12月の経営状況について前年同月と比較してもらったところ、最も多かったのは「前年同月より50%以上減った」で、38.5%。続いて「30%減った(16.2%)」、「40%減った(15.1%)」、「20%減った(11.4%)」という結果になりました。
11月の売上の昨年対比では、「前年同月より50%以上減った」との回答が21.2%、次いで「30%減った(18.5%)」、「20%減った(16.2%)」、「40%減った(13.5%)」となっていたことから、11月より下降傾向にあった経営状況はさらに悪化しつつあることがわかりました。これには「第3波」といわれる、11月以降の急激な感染拡大の動きが影響したものと思われます。
次に、本アンケートに回答いただいた各店舗が、再発令された緊急事態宣言の対象地域、もしくは各自治体で独自に出されている営業時間短縮要請の対象地域にあるかどうか聞いたところ、およそ9割が「対象地域にある」と回答しました。
そのうえで、営業時間短縮要請に応じる意向があるかうかがうと、「時短営業を行う」が73.7%と最多。続いて、「臨時休業する」が22.8%となり、96.5%の店舗が何らかの形で要請に応じる意向であることがわかりました。
ちなみに、営業時間短縮要請に「応じる」または「応じない」とする理由について聞いてみると、以下のような回答が寄せられました。
<回答抜粋>
●「応じる(96.5%)」とする理由
感染拡大を抑え、お客や従業員の安全を確保したい
・お客様と従業員の安全を確保するため。少しでも収束に協力したい(東京都/イタリア料理/1店舗)
・感染拡大の要因が飲食店のみとは思わないが、一因であることも事実。まずは拡大の芽を摘み取る上でも、応じるしかないと思う(東京都/和食/2店舗)
・店を開けないことが感染拡大を抑えることにつながると思うから。開けていればお客様はご来店され、飲めば大声になる。従業員を守りたい(東京都/その他/1店舗)
営業するより協力金を受け取った方が賢明
・協力金以上の売上を獲得出来ないから(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・協力金を受け取る方が得だから(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・今のままでは通常営業をしていても赤字の上乗せになってしまう。当社にとって、今回の協力金は休業を検討できる金額であったが、従業員のモチベーション維持などを考慮し、時短営業を選択した(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
世間からの心象を考慮して
・開けていても集客、売上がほとんど見込めないし、世間の目もあるし、協力金がでるから(東京都/その他/1店舗)
・開けても来店は見込めないし評判も悪くなる(京都府/カラオケ・パブ・スナック/2店舗)
・お店の印象にもかかわるため(神奈川県/テイクアウト/1店舗)
●「応じない(2%)」とする理由
・補償されても、入金までが遅すぎてやっていけないため(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
■飲食店の95%が感染防止ガイドラインを実践
日本フードサービス協会による「外食業の事業継続のためのガイドライン」は、コロナ禍の飲食店における、ひとつの衛生管理基準となっています。
そこで、実際にこのガイドラインに沿った感染症対策をどの位実施できているか聞いてみると、59.2%が「ある程度は対策できている」と回答。「十分に対策できている(36.5%)」との回答を合わせると、95.7%の店舗が基本的な対策は講じられていると感じていることがわかりました。反対に、「まったく対策できていない」という店舗は0%でした。
さらに、ガイドラインの各項目に沿って具体的に実施している内容を聞いてみると、お客様の入店時においては「店舗入口に消毒用アルコールを用意する」が最も多く、96.5%という結果に。次いで「店内が混み合う場合は入店を制限する(73.2%)」、「発熱や咳などがある場合は店内飲食を断る(71.3%)」と続きました。いずれの内容でも、5割以上の実施率を示しています。
次に、客席の配慮や接客時の対応において実施していることをうかがったところ、最多となったのは「従業員のマスクまたはフェイスガード着用を徹底する」で89.9%。続いて、「退店のたびにテーブルやカウンターを消毒する(88.3%)」、「お客様の正面を避けて立ち、間隔を保つ(60.5%)」、「会計は非接触型決済を導入、またはコイントレイを介して受け取る(59%)」となりました。
テーブル間をパーティションで区切る、または間隔を空けるといった項目に関しては、物理的に難しい店舗もあると予想されますが、それでも4~5割の飲食店で実施されていることがわかりました。
従業員の衛生管理については、92.7%が「こまめな手洗いを徹底する」と回答しました。また、「発熱や風邪症状がみられる場合は出勤停止とする(88.5%)」、「感染または濃厚接触が確認された場合、就業を禁止する(86.2%)」といった項目についても、9割近くの飲食店で実施されています。
また、店舗の衛生管理について聞いてみると、最も多く実施されていたのが「トイレは毎日清掃する」で89.4%。卓上の備品やトイレのハンドドライヤーなどは、もともと設置されていない店舗もあるだろうことを考慮すると、ほとんどの項目において8割を超える実施率が示されました。
次に、本アンケートに回答いただいた各店舗を利用したお客様において、これまでに新型コロナウイルス感染症(疑いを含む)が発生したことがあるか聞いてみたところ、「ある」と回答した人は2.8%でした。
また、従業員における発生率に関しては4.8%という結果になりました。
■一律の時短協力金に疑問の声
一方、飲食店の営業を行ううえで、新型コロナウイルスによるどのような影響に不安を感じているか聞いてみたところ、以下のような回答が寄せられました。
<回答抜粋>
経営の悪化
・売上減少に尽きる(東京都/フランス料理/1店舗)
・顧客数の減少による店舗継続の危機(神奈川県/カフェ/1店舗)
先行きの不透明さ、長期化
・時短営業要請が延長になった場合、時短協力金が支給されるのかという不安(神奈川県/焼肉/1店舗)
・長期化すればもうもたない(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
今後の顧客の戻り具合
・緊急事態宣言が解除されてもどれだけお客様が戻ってくるか…(東京都/イタリア料理/11~30店舗)
・コロナ収束後の顧客の回復(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
外食需要の落ち込み
・売上の低下と他産業にニーズが移行してしまうこと(東京都/カフェ/11~30店舗)
・飲食業界全体の需要下降(神奈川県/ラーメン/1店舗)
自店からの感染拡大
・自店が原因となるコロナ感染の発生を心配している(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・だんだん感染者が近づいている気がする。いつか当店にご来店するお客様にも、陽性の人が来るかもしれないという不安 (東京都/フランス料理/1店舗)
飲食業界への風当たりの強さ
・飲食業全体に対する風評被害。自店で感染者が発生した場合、休業せざるを得なくなること。その際の風評被害による売上減など (神奈川県/カフェ/1店舗)
・外食産業に対する冷たい視線。現場では感じないが、テレビ(特にワイドショーなど)を見ていると、悪者扱いされていると感じる(奈良県/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
また、営業時間短縮要請に応じない飲食店は店名を公表するという政府の方針について、賛否をたずねたところ、「賛成(21.4%)」と回答した人は2割程度、「どちらともいえない(49.3%)」が半数近くを占めるという結果になりました。
上記の考えに至った理由について改めて聞いてみると、賛否としての結論は様々ながら、それぞれに共通した思いや疑問などを抱いている様子も見えてきました。
<回答抜粋>
●「賛成(21.4%)」とする理由
・個々の目先の経済活動も大事だが、全体として感染拡大を早急に止めて、根本から日本全体の経済活動が再開できる環境作りをすることが大事だと思うから(石川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・コロナウイルスは全員が同じ姿勢で臨んで気をつけることが大事。要請に従わないお店でクラスターなどが起これば、また感染者数の増加に繋がる(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・真面目に従っている側としては、不公平に思えるから(愛知県/フランス料理/1店舗)
●「反対(29.2%)」とする理由
・あくまで要請であり、任意のはず。個々に事情もあるので、やるやらないは自由(神奈川県/専門料理/2店舗)
・応じないのではなく「応じられない」のが実情で、営業規模によっては補償が不十分だと思うから(神奈川県/和食/3~5店舗)
・逆に、遅い時間まで入店できるという宣伝になってしまう(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/101店舗以上)
●「どちらともいえない(49.3%)」とする理由
・従いたくても店を開けなければ生活出来ない人もいるはず。いろんな理由があると思うのでなんとも言えない(東京都/イタリア料理/1店舗)
・従えないのはそれはそれで理由があり、その為にはしっかり現実に見合った補償が必要。ただ、従わないもの勝ちになってしまうのも問題がある。なのできっちり補償をした上であれば応じない店の店名公表は賛成(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・協力金が一律のため、まかなえないお店は営業するしかないのだろうと察します。だけど、対策も必要だと考えているため(埼玉県/イタリア料理/1店舗)
最後に、営業時間短縮要請に応じた場合の協力金について聞いてみると、「大変助かる」、または「足りない」といった声とともに、以下のような意見が寄せられました。
一律の給付に不満
・最初はともかく、未だに一律の給付を行うことに対しては愚策と言わざるを得ません。確定申告より算出し、前年度売上の何%かを補償すればよい。新規参入については坪数に応じればよい(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・狭小店舗においては多すぎ。チェーン店は地獄。給付の速度を考えると、一律給付の形にならざるを得ないのかもしれないが、消費税や売上申告などに基づいた支給が適当(東京都/焼肉/1店舗)
補償対象を広げるべき
・昼営業の飲食店も対象に加えてほしい(東京都/カフェ/1店舗)
・申請範囲や項目を増やし、飲食以外の業種に対しても公助を行うべき(埼玉県/バー/1店舗)
・緊急事態宣言外の地域も実害が出ていることを把握して対策を打って欲しい (福井県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
■調査結果の引用時のお願い
本調査結果の引用時には、以下のご対応をお願い申し上げます。
・クレジットに、「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。
<問い合わせ先>
■飲食店リサーチについて
・URL:https://www.inshokuten.com/research/company/
「飲食店リサーチ」は、飲食店に特化したリサーチサービスです。飲食店出店者・運営者に対してアンケートを実施し、マーケティングデータを取得することが可能です。飲食店向けの新しい商品・サービスの企画や食品・飲料の研究・開発等の際に、ニーズの把握・データの裏付けといった様々な形で、マーケティングデータを活用いただけます。
■飲食業界に向けたマーケティングなら
・URL:https://www.inshokuten.com/promotion/
<シンクロ・フードの直近の飲食店支援の取り組み>
シンクロ・フードでは新型コロナウイルスによる外食業界への影響を鑑み、飲食店の皆さまの店舗運営の一助となるべく新サービスの提供、キャンペーンの実施などを行っております。
■テイクアウト導入支援ツール「テイクアウトサポート」の提供を開始
https://www.inshokuten.com/menu/
■コロナ禍で応募数前年比がバイトで3倍、社員で1.8倍に急増
https://www.inshokuten.com/recruit/
■株式会社シンクロ・フードについて
当社は“食の世界をつなぎ、食の未来をつくる”を経営理念としており、「飲食業界に関わる人々をつなぎ、幸せにしていきたい」という想いを社名に込め、当社を設立いたしました。インターネット、テクノロジーの力を最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・サービス」をタイムリーに結びつけ、今後も食に関わる人々から必要とされるサービスを提供し続けることで、飲食業界の労働生産性を向上させ、業界全体のさらなる発展、成長に貢献したいと考えております。
【本社】東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
【代表者】代表取締役 藤代 真一
【上場市場】東京証券取引所市場第一部
【URL】http://www.synchro-food.co.jp/
【運営サイト】
飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店.COM」(https://www.inshokuten.com/)
飲食業界専門の求人サイト「求人@飲食店.COM」(https://job.inshokuten.com/)
食材仕入業者情報提供サイト「食材仕入先探し」(https://www.inshokuten.com/supplier/)
オンライン食材発注ツール「PlaceOrders」(https://www.inshokuten.com/placeorders/)
店舗デザインのポータルサイト「店舗デザイン.COM」(https://www.tenpodesign.com/)
食の世界をつなぐWebマガジン「Foodist Media」(https://www.inshokuten.com/foodist/)
飲食店専門のM&Aサービス「飲食M&A」(https://www.inshokuten.com/ma/)
居抜き店舗の買取査定サイト「居抜き情報.COM」(https://www.inuki-info.com/)
キッチンカーシェア・マッチングサイト「モビマル」(https://mobimaru.com/)
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本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
株式会社シンクロ・フード(飲食店リサーチ担当)
住所:東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
TEL:03-5768-9522 Mail:support@synchro-food.co.jp
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