ブラザー、水素柱上パイプライン輸送実証事業を今年度も開始
2022年度の社会実装実現に向けた具体的な検討フェーズへ
ブラザー工業株式会社(社長:佐々木一郎)は、今年度も福島県浪江町における水素エネルギー活用促進に向けた水素柱上パイプライン輸送実証事業を福島県浪江町より受託。2021年度における実証実験場の準備を完了し、10月5日より本格的な実験を開始する。
ブラザーでは、2018年に水素を燃料とする燃料電池市場へ参入し、製品の開発に取り組んでいる。2020年には、燃料電池を開発する企業としての知見を生かしながら、株式会社巴商会と国立大学法人横浜国立大学とともに3者共同企業体として本実証事業を推進し、水素柱上パイプラインのシステム提案を行い、性能や安全性の検証や法規制の整理、活用モデルの検討などを行った。
2年目となる今年度は、2022年度の社会実装を目標として、昨年度同様3者共同企業体でさらなる実証実験を行う。燃料電池の稼働台数を1台から5台に増やし、パイプラインを360mから1080mに延長する他、実装を想定して分岐を設けることなどが予定されている。さらに、課金方法の検討やリスクアセスメント、敷設コストの検討など、社会実装の実現に向けた具体的な検討フェーズへ移行する。
水素柱上パイプラインは、水素を安全かつ安価に輸送するための最適なしくみとして考えられた。上空にパイプラインを敷設して低圧の水素を送ることで、災害等で配管が破断した際も、空気より軽い水素は生活圏より上で拡散されるため、爆発に至る可能性は低く、人や生活に影響が及ぶリスクは低いと考えられている。
浪江町では、震災復興計画の一つとして、新規産業を創出するためのRE100*産業団地の実現を目指しており、浪江町内で作られた地産水素を水素柱上パイプラインで輸送し、RE100産業団地内で活用することを視野に入れている。加えて同町は、「ゼロカーボンシティ」を宣言すると同時に、浪江町駅周辺に駅前の利便性の向上と居住人口の拡大を目指す「なみえ水素タウン構想」を公開している。ブラザーは、こうした水素利活用のさまざまな取り組みとその社会実装における安価で安全な水素の輸送という重要な役割にも貢献していくという。
*・・・事業運営を100%再生可能エネルギーで行うことを目標に挙げる企業が加盟する、国際的な取り組み。具体的には、化石燃料や原子力に頼らない発電を目指している。
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