WHAT MUSEUM、2025年9月28日(日)に画家・諏訪敦と脳科学者・中野信子によるトークイベントを開催
「諏訪敦|きみはうつくしい」関連イベント。「ゾンビ化する社会」から絵画を読み解く
寺田倉庫株式会社(東京都品川区 代表取締役社長:寺田航平)が運営する現代アートと建築のミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」は、9月28日(日)にトークイベント「『ゾンビ化する社会』で絵画を考える」を開催いたします。本企画は、2025年9月11日(木)より開催する「諏訪敦|きみはうつくしい」に関連したトークイベントです。

「諏訪敦|きみはうつくしい」は、諏訪敦にとって約3年ぶりとなる大規模な個展で、2025年9月11日(木)から2026年3月1日(日)まで開催します。新作の静物画や肖像画を含む約80点を展示し、現在に至るまでの制作活動の変遷を多角的に紹介します。諏訪は、美術史や技法・材料の研究にとどまらず、歴史学、民俗学、臨床医学など多様な分野のリサーチを作品に取り入れてきました。本展では、その活動をより深く読み解くため、ゲストを招いたトークイベントを展開してまいります。
本イベントでは、脳科学者の中野信子をゲストに迎え、「ゾンビ」と「閃輝暗点(せんきあんてん)」という2つのキーワードから、絵画と社会、そして視覚の関係性について掘り下げます。
諏訪は自身の写実的な絵画表現を「ゾンビ化した絵画様式」と形容します。どんなに表面をなぞっても本質には触れられないと悲観しながらも、徹底したリサーチを行い、不在の対象をも描き続けています。一方、中野は2025年7月に刊行された共著「ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする」(著:中野信子/岡本健)において、「ゾンビ」というメタファーを通じて、現代社会における人間の行動や思考パターンを読み解いています。両者がそれぞれの専門分野から「ゾンビ」という概念をどう捉えているのか、そしてそれが芸術や社会の問題といかに接続されうるのかについて、分野を越えた対話を展開します。
さらに、両氏に共通する視覚現象「閃輝暗点」にも注目します。諏訪は長年この現象に悩まされ、それが絵画制作に大きな影響を与えてきたと語っており、中野も同じ症状を経験する立場から共感を示しています。視覚の変容が知覚や創作にどう作用するのかを考察します。
イベントには、本展の展示構成を担当した宮本武典をモデレーターに招き、中野の本展への所感や、展示空間がどのように見えているのかを深堀りします。異なる分野の第一人者である2人の対話を通じて、本展をより深く楽しんでいただく機会を提供いたします。
【開催概要】
タイトル:「ゾンビ化する社会」で絵画を考える
日時:2025年9月28日(日)18:00〜19:30
登壇者:中野信子、諏訪敦、宮本武典(モデレーター)※敬称略
参加費:無料*
定員:40名(事前申込制・先着順)
会場:WHAT MUSEUM(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)
主催:WHAT MUSEUM
公式サイト:https://what.warehouseofart.org/events/youarebeautiful_talk
*イベントの参加には、別途WHAT MUSEUMのセットチケット(「諏訪敦|きみはうつくしい」入場料+建築倉庫入場料)2,000円 の購入が必要です。詳細は公式サイトをご確認ください
【中野信子(なかの のぶこ)プロフィール】
脳科学者/医学博士/認知科学者。1998年東京大学工学部応用化学科卒業。2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2008年フランス国立研究所にて博士研究員として勤務。2010年に帰国。研究・執筆を中心に活動。2015年東日本国際大学教授に就任、2020年京都芸術大学客員教授に就任、2022年森美術館理事就任。現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。

【諏訪敦(すわ あつし)プロフィール】
画家。1967年、北海道生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了。1994年に文化庁芸術家派遣在外研修員としてスペインに滞在。1995年にスペインの第5回バルセロ財団主催 国際絵画コンクールにて大賞受賞。2018年より武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授。主な展覧会に「諏訪敦絵画作品展 どうせなにもみえない」(諏訪市美術館、2011年)、「諏訪敦 HARBIN 1945 WINTER」(成山画廊、2016年)、「諏訪敦 眼窩裏の火事」(府中市美術館、2022年)ほか。

【宮本武典(みやもと たけのり)プロフィール】
キュレーター。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻准教授。アーツ前橋チーフキュレーター。1974年奈良生まれ。キュレーションした主な展覧会に「石川直樹 異人 the stranger」(2012)、「隈研吾 石と木の超建築」(2020)、「new born 荒井良二」(2023~)、「山縣良和 ここに いても いい」(2024)などがある。現在、アーツ前橋で2026年1月開幕の「向井山朋子 Act of Fire」をキュレーション中。「山形ビエンナーレ」など芸術祭の立ち上げも手がけており、前橋国際芸術祭2026プログラムディレクターに就任。

【「諏訪敦|きみはうつくしい」について】
現代日本の絵画におけるリアリズムを牽引する画家、諏訪敦。卓越した描画技術で対象に肉薄する諏訪の作品は、徹底した取材に裏付けられ、近年では戦争で亡くなった人々や、神話や古典文学の登場人物など、不可視な存在を描くリサーチプロジェクト型の絵画制作が高く評価されています。本展は、最新の大型絵画「汀にて」を中心に、そこに至るまでの画家のクロニクルを、過去の主な作品群とともに物語っていきます。
コロナ禍にはじまったアトリエでの内省と孤立、戦争や災害で揺らぐ外界をよそに、母を介護し看取るまでの静かな日々の中で、「人間を描きたいという気持ちを徐々に失っていった」と語る諏訪。本展は、稀代の肖像画家が再び人間を描けるようになるまでの克服の過程を開示するドキュメンタリーであり、精緻な眼と指を持つ故に「見ること、描くこと」を己に厳しく問い続けてきた諏訪の、現在進行形の思索と創造を紹介する展覧会です。
公式サイト:https://what.warehouseofart.org/exhibitions/suwa-atsushi

【関連プログラム】
本展の展示構成を手がける宮本武典によるギャラリートークを行います。展示作品について、ツアー形式で解説します。
日時:2025年10月25日(土)、12月20日(土)、2026年2月21日(土)
各日14:00~15:20
参加費:無料*(事前申込不要)
会場:WHAT MUSEUM(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)
*イベントの参加には、別途WHAT MUSEUMの入場券の購入が必要です。詳細は公式サイトをご確認ください
【音声ガイドのご案内】
WHAT MUSEUM公式アプリをダウンロードすると、無料で音声ガイドをご利用いただけます。本展では、俳優・門脇麦が日本語の音声ガイドナビゲーターを務めます。展示作品の解説や展覧会の見どころを分かりやすくご紹介します。
門脇麦(かどわき むぎ)プロフィール
2011年にデビュー後、2015年に第88回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞を受賞。その後、エランドール賞新人賞、ブルーリボン賞主演女優賞、ヨコハマ映画祭主演女優賞を受賞し、映画、ドラマ、舞台とジャンルを問わずに活躍中。近年の主な作品に映画「ほつれる」「あのこは貴族」、ドラマ「厨房のありす」「ながたんと青とーいちかの料理帖ー」「秘密〜THE TOP SECRET~」、舞台「未来少年コナン」「陽気な幽霊」がある。

【WHAT MUSEUMについて】 https://what.warehouseofart.org
寺田倉庫が運営する「WHAT MUSEUM」は、倉庫空間を現代アートや建築との出会いの場へと昇華させた、倉庫会社ならではのミュージアムです。倉庫内で静かに光を放つ文化的価値を暗示した、WHAT(WareHouse of Art Terrada)の名のもとに展示されるのは、平面や立体のアート作品をはじめ、建築模型、写真、映像、文学、インスタレーションの数々。寺田倉庫が作家やコレクターからお預かりしている作品も紹介することで、作品の保管、展示、交流の場を繋ぎます。さらに、天王洲という国際的なアートシティのハブとして、地域のアートコミュニティの核となり、倉庫空間から世界へ芸術文化を発信しています。
【寺田倉庫について】
社名:寺田倉庫株式会社(Warehouse TERRADA)
代表者:代表取締役社長 寺田航平
所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-10
設立:1950年10月
天王洲アートポータルサイト:https://warehouseofart.org

【本イベントに関するお問い合わせ先】
WHAT MUSEUM E-MAIL:info.what@terrada.co.jp
※2025年9月3日13:00追記
プロフィール情報に一部誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。
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