国内で前例のない3社連携の検証で、Oracle Database@Azureにおけるミッションクリティカル用途のパフォーマンスを実現し、クラウド移行サービスとして提供

マルチクラウド環境での基幹DBの構築・運用のベストプラクティスにより、確実で効率的な移行を支援

株式会社 日立製作所

クラウド移行支援サービス for Oracle Database の特長

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、Oracle Databaseを利用した基幹DBシステムの確実で効率的なクラウド移行を支援する「クラウド移行支援サービス for Oracle Database」(以下、本サービス)を3月11日から販売開始します。本サービスで活用するベストプラクティスを確立するため、日本オラクル株式会社(以下、日本オラクル)、日本マイクロソフト株式会社(以下、日本マイクロソフト)、日立の3社が国内で前例のない取り組みとして*1 Oracle Database@Azure*2環境で3社連携の検証(以下、本検証)を実施しました。具体的には、基幹業務でのDBアクセスパターンを、証券取引などのオンライン処理、料金計算などのバッチ処理、売上分析や監査などの大量データ抽出の3つに類型化し、これらのミッションクリティカル用途で必要な可用性を加味したパフォーマンスを引き出すシステム構成のベストプラクティスを確立しました。また、データ移行や運用開始後の監視ツールの使い分けなどのベストプラクティスも拡充*3していきます。お客さまは、本サービスを通じて、基幹DBシステムのクラウド移行要件の技術的な実現性を確認できるとともに、移行に関する工数を削減し、効率的に移行を推進できます。

 さらに本サービスに加え、お客さまのニーズに適したオファリングメニュー*4を組み合わせることで、データ利活用、ITモダナイゼーション、セキュリティ対策、クラウド運用の最適化などを、各分野のプロフェッショナル人財とともに、推進することができます。

 日立は今後もパートナー各社と連携し、最新のクラウド技術やグローバルな事例の取り込みや、生成AIと基幹データの連携などベストプラクティスの拡充を続け、お客さまのデジタル変革に貢献していきます。

*1 Oracle Database@Azure環境を活用し、日本オラクル・日本マイクロソフトを含む3社が連携して、基幹業務を想定した検証を実施したことは、国内で前例がない。日本オラクル、日本マイクロソフト、日立調べ。

*2 Oracle Cloud Infrastructure (OCI)で稼働するOracle DatabaseのサービスをMicrosoft Azureのデータセンター内で提供するサービス。

*3マルチクラウド運用の検証は3月末まで実施し、サービス提供は6月末予定。

*4 クラウド&DXオファリング:https://www.hitachi.co.jp/products/it/CloudDX/?NR=20250311 

■背景

 近年、基幹システムにおいてもビジネス環境の変化へ対応するアジリティ向上やAIサービスとの連携などを見据え、クラウド移行を検討する企業が増加しています。また、基幹システム用途にOracle Databaseのクラスタリング構成(Oracle Real Application Clusters: Oracle RAC)を利用する企業を想定した新しいマルチクラウドサービスも出現し、選択肢が広がっています。特に、2024年10月から国内リージョンでサービス提供が開始されたOracle Database@Azureは、Microsoft Azure(以下、Azure)のデータセンター内に設置したOracle Databaseを利用できるため、ネットワーク遅延が起こりにくいなど基幹システムの移行先として期待が高まっています。一方で、異なるクラウドのサービスを1つのシステムとして活用するために、業務パフォーマンスや運用方法の確立などが課題となっています。


 日立は、日本オラクル、日本マイクロソフトと、それぞれ長年の連携にもとづき、両社の製品・サービスの提供やミッションクリティカル・システムを支える高度サポートを実現するための技術協力を継続しています。また、2023年11月にOCI - Azureのマルチクラウド環境の共同評価*5を行い、基幹システムに適したベストプラクティスを公開したことをきっかけに、多くの企業の移行評価や移行支援を行っています*6。今回、日立がOracle Database@Azureの検証のとりまとめと顧客へのサービス提供を担い、日本オラクルと日本マイクロソフトは、日立に対する技術支援およびグローバル事例や最新情報の提供を行います。

*5 2023年11月10日お知らせ:日本オラクルと実施した基幹業務向けマルチクラウド構成の共同検証結果をもとに、クラウド移行支援を強化

*6 2024年9月27日ニュースリリース:日立、「2024 Oracle Partner Awards」のグローバルで最も優れたパートナーを表彰する「Regional Bestin Class Award in Customer Success」を受賞

■3社連携の検証について

 本検証では、日本オラクル、日本マイクロソフトが提供するOracle Database@Azureの環境で稼働する基幹システムを想定して、大量のオンライン処理や大規模バッチ処理などの性能や可用性に関するベンチマークテストを実施しました*7。大量オンライン処理では秒間数千のオーダーのトランザクションを問題なく処理できることを確認、大規模バッチ処理では単一クラウド内部に比べて一定の遅延が認められるものの、従来のAzureとOCI間で確認した遅延に比べて改善することを確認しました。また、これらの性能や可用性は、DBサーバーとAPサーバーを可変ゾーンやネットワーク上にどのように配置するかにより、変化することを確認しました。本検証の第2フェーズとして、マルチクラウド運用における監視ツールの使い分けポイントや、障害切り分けなどに関する検証を3月31日まで実施し、本サービスの運用支援内容を拡充する予定です。

*7 本検証の第1フェーズが完了。第2フェーズを3月31日まで実施し、検証レポートも3月31日までに「Qiita」で公開予定。

■本サービスの特長

(1) 検討フェーズ:移行対象の基幹システムに必要な要件を漏れなくアセスメント

 お客さまが利用中のOracle Databaseの現在のシステム要件や運用体制と、移行先の候補や希望要件について、ヒアリングを実施し、プラットフォームエンジニアが、コストバランスを含めたアセスメントを提示します。これにより、お客さまの要件の実現性と優先順位を明確化し、適切な環境や構成の選定を進められます。本アセスメントには、日立のミッションクリティカル・システムの経験や本検証の成果にもとづくベストプラクティスを活用しているため、検討漏れを防ぐことができます。また、アセスメントの後、お客さまの固有の業務を想定した検証を実施する場合も、インフラ関連の検証を省力化し、お客さまは業務観点に注力して効率的に検証を推進可能です。

(2) クラウド環境構築・移行:DB環境の設計・構築・テスト工数と移行時の業務影響を最小化

 これまでの基幹システムやマルチクラウドの構築および本検証時の試行錯誤の経験から、基幹DBシステム用途のクラウド環境の設計・運用に関するベストプラクティスを確立し、最新クラウド技術に対応して更新していきます。これにより、お客さま自身で設計や設定を検討する項目が最小化され、設計・構築・テストの品質を確保しながら工数を削減できます。また、本番環境をクラウドへ切り替える前に、必要となる大量の基幹データ移行も、ベストプラクティスにもとづき停止時間や業務影響を最小化できます。さらに、DB移行に伴う業務アプリケーション改修についても、プラットフォームエンジニアの支援で効率化できます。

(3) マルチクラウド運用:複雑になりがちな障害時の対応などをワンストップで支援

 クラウドの責任共有モデルにおいてユーザ責任となる運用監視や問題発生時の切り分けは、マルチクラウド環境では特に複雑になります。日立は、運用者向けに監視ツールの使い分けを支援するほか、運用開始後の問題解決についても、日本オラクルと日本マイクロソフトそれぞれの技術提携スキームに基づき、日立がワンストップで支援し、お客さまの運用の確実さと効率を向上します。

■今後の取り組み

 日立は基幹業務へのAI適用に向け、2024年から基幹データを活用したAIユースケースの検証を開始しています。例えば、注文情報や在庫情報といった基幹システムにある業務データを、AIがリアルタイムに検索して回答するユースケースの実装方法の検証を行いました*8。現在、クラウド上に分散した様々な形式の企業データをAIでシームレスに分析する取り組みも進めており、今後も、お客さまのデジタル変革に貢献するサービスを拡充していきます。

*8 2024年10月30日お知らせ:日立、日本オラクルと生成AIを活用した協創プロジェクトを実施

   https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000399.000067590.html

■パートナー企業のコメント

・日本オラクル株式会社 常務執行役員 アライアンス統括 佐野 守計氏

 日立製作所様と日本オラクルは、長年にわたり各社の製品技術を応用した共同検証プロジェクトを進めてまいりました。このたび、「Oracle Database@Azureの共同検証」を新たに実施できましたことに、心より感謝申し上げます。本検証により、日立製作所様のお客様の基幹システムに求められる処理性能に対して、3社のソリューションがその要件を十分に満たすことが明確となりました。今後、日立製作所様がお客様の基幹システムを適材適所のマルチクラウド環境へ移行される際に、今回の検証結果および得られた知見を活用して推進いただけることを大いに期待しております。

・日本マイクロソフト株式会社 執行役員 常務 パートナー事業本部長 浅野 智氏

 日立製作所様がOracle Database@Azureへの移行支援サービスを発表することを心から歓迎します。これまで多くのお客様のミッションクリティカル環境を支えられてきた日立製作所様、日本オラクル様と共にOracle Database@Azureの3社連携による検証を行うことで、多くのお客様に安心してお使いいただけることを証明頂きました。Oracle Database@Azureは日立製作所様の高度な技術力とMicrosoft Azureの強力なクラウドプラットフォームを融合させることで、お客様に対してより柔軟でスケーラブルなデータベース管理を提供します。今後、日立製作所様がお客様の基幹システムのマルチクラウド環境移行を初期検討する際の技術的な不安を解消し、スピーディーな移行と安定運用を実現するサービスを拡充し、お客さまの基幹データと生成AIなどを連携したDXの推進に寄与されることを期待しています。

■クラウド移行支援サービスfor Oracle Databaseの価格と提供開始時期

■関連Webサイト

・日立のクラウド:パートナー連携

https://www.hitachi.co.jp/products/it/harmonious/cloud/partner/?NR=20250311 

・日立のOracle関連サイト

https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/oracle/?NR=20250311 

・日立のMicrosoft Azure関連ソリューション

https://www.hitachi.co.jp/products/it/harmonious/cloud/service/azure/?NR=20250311 

■商標注記

・Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。NetSuiteは、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。

・Microsoft、Azure は、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

・その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

■日立製作所について

日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト( https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。

■お問い合わせ先

株式会社日立製作所 クラウドサービスプラットフォームビジネスユニット

マネージド&プラットフォームサービス事業部

お問い合わせフォーム:https://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/

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会社概要

株式会社 日立製作所

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URL
http://www.hitachi.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
小島 啓二
上場
東証1部
資本金
-
設立
1920年02月