厚生労働省の「歯周病等スクリーニングツール開発支援事業」に採択
カラーマネジメント技術を活かして歯周病等のリスク検査キットを開発
*1 国民皆歯科健診:政府が2022年・2023年の「骨太の方針」で掲げた取り組みの一つ
【歯周病等スクリーニングツール開発の背景】
近年の研究で、口内の健康と心臓病・脳卒中・糖尿病等に関連があることがわかってきており、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながると言われています*2。しかし、歯周病の罹患率は高い一方で、歯科健診の受診率が低いことや歯科健診を実施する歯科専門職の不足等が課題になっています。この課題の解決に向けて今回、厚生労働省が推進する「歯周病等スクリーニングツール開発支援事業」において、DNPの取り組みが採択されました。
*2 日本臨床歯周病学会「歯周病が全身に及ぼす影響」 → https://www.jacp.net/perio/effect/
【歯周病等スクリーニングツールおよび関連サービスの特長】
○ 九州歯科大学西原達次名誉教授が監修した歯周病原因菌酵素測定試薬「アドチェック®」について、これまでの疫学調査研究成果を外国専門誌に投稿した結果、科学的根拠に基づく歯周病リスク検査として高く評価され、誌上発表されています。このキットを活用し、画像データの色調チェックや補正等を行うDNPのカラーマネジメント技術を掛け合わせ、スマートフォンを用いて容易に歯周病のリスクを評価できるスクリーニングツールを開発します。「アドチェック®」は、採取した舌拭い液*3に含まれる歯周病原因菌が産生する歯周組織破壊酵素の量によって変化する検出部の色でリスクを判定します。従来は、個人でチェックする場合、利用者が検体を郵送し、歯周病の進行度に即した判断基準に基づいてスコア化していましたが、結果を送付するための処理にかかる時間や人件費などが課題でした。こうした課題に対して、今回開発するスクリーニングツールは、利用者が色の変化した検出部をスマートフォンで撮影し、会員登録したWebサイトのシステムにアップロードすることで自動的にスコアが表示され、その場で判定結果を見ることができます。この際、画像の色補正等を行うDNPのカラーマネジメント技術により、情報端末ごとの色調の差や撮影環境による影響を抑えることで、より的確なリスク判定を実現します。
*3 舌表面を傷つけない程度で擦過して、適度に湿潤した舌表面から採取した検体
○ DNPは、検査前の問診票や検査を促す啓発用の動画など、本ツールの活用促進につながる仕組みやコンテンツの開発も行います。また、自治体等が行う健康診断の運用支援の実績やノウハウを活かし、検査や通知等に関連したデータの処理やコールセンター業務、診療が必要な場合のオンライン歯科保健相談などのサービス開発も行います。
○ 自治体や健康保険組合等が歯科健診を実施する場合や、利用者がドラッグストア等で本ツールを購入し自宅などで実施する場合など、さまざまなパターンを想定して、適切なフローの開発や必要機能を検討します。それによって、事業主・利用者・医療機関それぞれにとって利便性の高いパッケージサービスの開発・提供を目指します。
【今後の展開】
DNPは、「P&I」(Printing & Information:印刷と情報)の独自の強みを掛け合わせ、安全で心豊かな生活を支え、生涯にわたる健康維持を支援する価値の創出に取り組んでいます。その一環として、「歯周病等スクリーニングツール」および運用支援の仕組み等を含む関連サービスの開発を進めていきます。また、実証実験なども行って社会実装を目指し、生活者の歯科医療機関での早期受診も促すなど、社会全体の健康増進に貢献していきます。
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