電通総研と日本ファクトチェックセンター、「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」結果を発表

- 信頼できる情報空間の構築に向けて -

株式会社電通総研

テクノロジーで企業と社会の進化を実現する株式会社電通総研(本社:東京都港区、代表取締役社長:岩本 浩久、以下「電通総研」)と日本ファクトチェックセンター(編集長:古田 大輔、以下「JFC」)は、2026年4月2日(木)、「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」の主なファインディングスを発表します。

電通総研のシンクタンク組織である、ヒューマノロジー創発本部 Quality of Societyセンター(以下「QoSセンター」)は、クオリティ・オブ・ソサエティをテーマに、「人びとの意識の変化がどのような社会を形づくっていくのか」を捉えるため、「電通総研コンパス」と称した定量調査を実施しています。第17回となる本調査は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口 真一教授監修の下、昨年4月2日に発表した「電通総研コンパス vol.15」に続き、「情報インテグリティ」を取り上げました。

本調査の詳細レポートは、こちらからご覧いただけます。

■ 調査の背景と目的

「情報インテグリティ」とは、情報の正確性、一貫性、信頼性を指します。人びとの日々の暮らしから国の安全保障にも関わるテーマであり、国際的にも情報インテグリティを確保するための取り組みが進められています。日本国内でも近年、ネット上の偽情報や誤情報、差別表現や誹謗中傷による社会への影響が深刻化している状況を踏まえ、本調査では、人びとの意識から現状と課題を把握し、情報インテグリティの向上に資するヒントを探りました。

【 「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」 - 主なファインディングス 】

1. 安心できるデジタル空間の環境づくりを担うべき主体として「公的機関(33.5%)」「マスメディア(30.4%)」「デジタル・プラットフォーマー(28.1%)」が挙げられたが、 「わからない・あてはまるものはない(35.7%)」が最多。

2. 57.7%が「政府・自治体や市民団体による公共性の高いネットサービス」を必要と回答。

3. 偽・誤情報を検証すべき主体としては「公的機関(28.4%)」「検索サービスを提供する企業(26.8%)」「テレビ局(25.0%)」の順で挙げられた。一方で、「真偽を確かめたいとは思わない」が31.9%で最多。

4. 「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」などの概念の理解度は1割未満と低い。

5. 生成AIによる悪意ある偽情報について、作成者以外には、「情報を拡散したユーザー(35.1%)」「情報が拡散されるプラットフォーム(27.2%)」「生成AIを提供している企業(25.5%)」など、複数主体が責任を担うことを期待している。対策として68.6%が「利用者自らが正しい情報を見極める力を養うべき」と回答。

6.「情報を適切に活用できる能力」を学ぶべき場として、「学校教育」が62.3%、「家庭」が50.7%。

1. 安心できるデジタル空間の環境づくりを担うべき主体

デジタル空間において、安心して情報を利用できる環境づくりを担うべき主体として、「政府・自治体などの公的機関(33.5%)」、「マスメディア(30.4%)」、「デジタル・プラットフォーマー(28.1%)」が挙げられた。

一方で、35.7%が「わからない・あてはまるものはない」と回答した。公的機関やメディアに対して、安心できるデジタル空間の環境づくりを期待しているものの、その割合は決して高くなく、社会的合意が形成されていないことが明らかになった。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」:安心できるデジタル空間の環境づくりを担うべき主体

2. 公共性の高いネットサービスへの期待

「民間企業によるネットサービス(SNS・コミュニティ・ECサイトの口コミなど)だけでなく、政府・自治体や市民団体による公共性の高いネットサービスも必要だと思う」と回答した割合は、57.7%(「そう思う」「ややそう思う」の計)となった。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」:公共性の高いネットサービスへの期待

3. 偽・誤情報を検証すべき主体

社会で広まっている情報・ニュースの真偽を確認・検証する主体として、「政府・自治体など公的機関(28.4%)」、「検索サービスを提供する企業(26.8%)」、「テレビ局(25.0%)」の順で挙げられた。

しかし、これらよりも多い31.9%が「とくに情報・ニュースの真偽を確かめたいとは思わない」と回答しており、偽・誤情報を検証することへの関心が低いことがうかがえる。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」:偽・誤情報を検証すべき主体

4. デジタル情報空間の特徴や構造に関わる概念の理解度は限定的

情報インテグリティに関連する用語の理解や認知について尋ねたところ、「フェイクニュース(66.2%)」や「偽・誤情報(50.1%)」は半数以上が概念を理解しているが、「フィルターバブル(6.8%)」や「エコーチェンバー(8.6%)」などは1割未満と、デジタル情報空間の特徴や構造についての理解度※は限定的である。

※理解度:「人に説明できる程度に詳しく知っている」「人に説明はできないが、概念を理解している」の計。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」:デジタル情報空間の特徴や構造に関わる概念の理解度は限定的

5. 生成AIによる偽情報への対応

生成AIで生成された悪意ある偽情報(文章、写真、動画、音声など)の拡散防止について、作成者以外の責任所在として、「情報を拡散したユーザー」が35.1%だった。偽情報の拡散防止には、利用者一人一人の情報の取り扱いに対する慎重さが求められている。次いで、「SNSなど、情報が拡散されるプラットフォーム(27.2%)」、「生成AIを提供している企業(25.5%)」が挙げられた。一方で、「わからない・あてはまるものはない」と36.8%が回答している。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」:生成AIによる偽情報への対応 - 1

また、「生成AIで生成された悪意ある偽情報(文章、写真、動画、音声など)について、利用者自らが正しい情報を見極める力を養うべきだと思う」との回答は68.6%(「そう思う」「ややそう思う」の計)と過半数を占め、生成AIによって生成された偽情報に対して自衛する力が必要だと考えられている。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」:生成AIによる偽情報への対応 - 2

6. 情報活用能力の習得方法

情報を適切に活用できる能力(ニュースの読み方やSNSの使い方など)は「学校教育で教えるべきだと思う」と回答したのが62.3%(「そう思う」「ややそう思う」の計)。また、「家庭で学ぶべきだと思う」と回答したのは50.7%(同)だった。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」:情報活用能力の習得方法

◇ まとめ:情報インテグリティの向上に向けて

本調査から、偽・誤情報に対する私たちの抵抗力の弱さが、改めて浮き彫りになりました。偽・誤情報がまん延しやすいしくみについての理解が乏しく、情報の真偽を検証すべき主体を尋ねた質問では「真偽を確かめたいとは思わない」という回答が、公的機関や報道機関を上回りました。情報を見極める力を養うことへの意識は高い一方で、実際の行動との間には未だ隔たりがあります。さらには、公共性の高いネットサービスや学校や家庭での教育の必要性が過半数に認識されているものの、具体的な行動にはつながっていないことが確認できました。

デジタル情報空間は急速に複雑化し、情報を見極める負担が個人に重くのしかかっています。利用者の情報リテラシーは個人単位で高めつつも、安心して利用できるデジタル情報空間の構築が急務となっています。

◇ 調査監修・山口 真一教授によるコメント

本調査は、情報インテグリティの重要性が広く認識される一方で、その担い手や責任の所在について明確な共通認識が形成されていない現状を示しています。政府、メディア、プラットフォーム事業者に対する期待は分散し、「わからない・あてはまるものはない」との回答も多いことは、単独主体による統治モデルが現実的でないことを示唆しています。同時に、「真偽を確かめたいとは思わない」層が3割を超える点は、現在のデジタル情報空間の課題を浮き彫りにしています。生成AI時代においては、多様なステークホルダーの協働モデルを構築し、制度の整備、技術設計の改善、そして教育の充実の三つの取り組みを包括的に進めることが求められています。

「電通総研コンパス vol.17 情報インテグリティ調査2026」概要

2026年1月総務省人口推計概算より性年代別人口構成比に合わせて割り当て、本調査を実施。

調査時期

2026年1月30日~2月1日

サンプル数

5,000

対象者

全国15~69歳の男女

調査主体:電通総研・日本ファクトチェックセンター

監修:山口 真一教授(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)

調査会社:電通マクロミルインサイト

調査方法:インターネット調査

調査データURL:以下より、本調査の全体レポートをご覧いただけます。

https://societe.dentsusoken.com/wp-content/uploads/2026/03/compass_survey_202604.pdf

※ グラフ内の各割合は全体に占める回答者の実数に基づき算出し四捨五入で表記しています。また、各割合を合算した回答者割合も、全体に占める合算部分の回答者の実数に基づき算出し四捨五入で表記しているため、各割合の単純合算数値と必ずしも一致しない場合があります。

※ 本調査(5,000サンプル)の標本サイズの誤差幅は、信頼区間95%とし、誤差値が最大となる50%の回答スコアで計算すると±1.4%となります。

<ご参考資料>

電通総研 Quality of Societyセンター

2026年3月17日

電通総研、「電通総研コンパス vol.16 デジタルコミュニケーションと感情労働に関する意識調査」結果を発表

2025年4月2日

電通総研と日本ファクトチェックセンター、「電通総研コンパス vol.15 情報インテグリティ調査」結果を発表

■日本ファクトチェックセンター(JFC)について https://www.factcheckcenter.jp/

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、一般社団法人セーファーインターネット協会によって2022年10月に設立された、偽・誤情報の対策をおこなう機関であり、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の認証を受けています。国内外のファクトチェッカーやメディア、専門家と連携し、政治、経済、社会問題など幅広い分野での事実確認(ファクトチェック)をおこなうことで、正確で信頼性の高い情報を提供し、情報の透明性と健全な情報環境の構築を目指しています。また、一般市民やメディア関係者に向けたメディア情報リテラシー教育や啓発活動も積極的に展開し、情報社会における信頼性の向上に貢献しています。

■電通総研について https://www.dentsusoken.com

電通総研は、「HUMANOLOGY for the future~人とテクノロジーで、その先をつくる。~」という企業ビジョンの下、「システムインテグレーション」「コンサルティング」「シンクタンク」という3つの機能の連携により、企業・官庁・自治体や生活者を含めた「社会」全体と真摯に向き合い、課題の提言からテクノロジーによる解決までの循環を生み出し、より良い社会への進化を支援・実装することを目指しています。

テクノロジーや業界、企業、地域の枠を超えた「X Innovation(クロスイノベーション)」を推進し、これからも人とテクノロジーの力で未来を切り拓き、新しい価値を創出し続けます。

* 本リリースに記載された会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

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会社概要

株式会社電通総研

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URL
https://www.dentsusoken.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区港南2−17−1
電話番号
03-6713-6100
代表者名
岩本 浩久
上場
東証プライム
資本金
81億8050万円
設立
1975年12月