日立、フィジカルおよびインダストリアル分野のアプリケーションにおけるAIトランスフォーメーションを加速

協業開始から1年で、新製品や先見的なアプリケーションフレームワークの開発から、効率性や信頼性、パフォーマンスに大きな影響を与えるテクノロジーの確立まで、さまざまな成果を獲得

株式会社 日立製作所

本件は、アメリカ西海岸において、3月18日(火)午後1:30(日本時間19日午前5:30)に発表しました。

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、1年前に発表したNVIDIAとの協業を通じ、新製品のローンチや先進的なプロトタイプの開発、専門家による協議会の設置など、イノベーションを加速し、フィジカルAIの実現を推進する、さまざまな成果をあげました。日立のフィジカル世界における専門知識とNVIDIAの最先端AI技術の融合を通じて、このパートナーシップは新たな道を切り開いています。

 日立とNVIDIAは、2024年3月に、エネルギー、モビリティ、コネクテッドシステムなどの業界を変革するAIソリューションを開発することにより、社会イノベーションを推進することを発表しました*1。本パートナーシップは、デジタルツインによるシミュレーションとアセット最適化の強化、日立のインダストリアルAIソリューションとNVIDIA AI EnterpriseおよびNVIDIA PhysicsNeMoプラットフォームの統合、AIインフラストラクチャーおよびソリューションの包括的ポートフォリオの構築という3つの重点分野を定めています。

 米国子会社の日立デジタルは、AI導入を指揮して顧客と社会にインパクトのあるソリューションを提供するための専門協議会「Industrial AI Advisory Council」を設立しました。また、2024年の早い段階で、日立デジタルは、日立とNVIDIAのAI技術を使用した革新的なソリューションの定義に重点的に取り組むAI Center of Excellence(AI CoE)を立ち上げました。AI CoEは、工場組立ライン設計を支援するLine Builderや送電網運用を最適化するPower Grid Optimization Solverなど、エネルギー、産業、モビリティの各分野における先進的なプロトタイプの試験運用に成功しています。

 日立製作所執行役常務兼日立デジタルCEOである谷口潤は、「私たちは長年にわたり、フロントラインワーカーの能力向上、エネルギーソリューションの進化、モビリティの向上を中心としたAIの次の波を構想してきました。そのビジョンが今、現実のものとなりつつあります。私たちは、NVIDIAとともに歩んできたことを誇りに思うとともに、インダストリアルAI市場の未来をけん引していくことを楽しみにしています。」と述べています。

*1 ニュースリリース(2024年3月19日)「日立とNVIDIAが協業し、生成AIによるDXを加速」

 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/03/0319.html

日立のAIに関する具体的な成果は以下の通りです。

■インダストリアルAIに関する協議会を設立

 日立デジタルは、さまざまな業界の第一人者やソートリーダーで構成される招待制の協議会として「Industrial AI Advisory Council」を設立しました。メンバーは、大企業や革新的なソフトウェア企業、急成長しているスタートアップ企業、アカデミアからの専門家で構成されており、大規模なプラットフォーム開発やオープンソースLLMアプリケーションからインテリジェントソフトウェア、フィジカルAIアプリケーションに至るまで、幅広いトピックについてアドバイスを行っています。この協議会は、インダストリアルAIのカテゴリーを形成し、日立がAIの導入を加速させるとともに、お客さまや社会に高度でインパクトのあるソリューションを提供するための取り組みを指揮、後押しすることを任務としています。

■AI Center of Excellence(AI CoE)の発足

 2024年初頭に発足した日立のAI Center of Excellence (AI CoE)は、さまざまな業界で日立やその他企業の先進AI技術を活用した統合ソリューションの探索、改良、実装に注力しています。現在までに、CoEは、エネルギー、産業、モビリティの各分野において、いくつかの先進的なプロトタイプの試験運用に成功しています。その代表例が以下の2つです:

 Line Builder

 AI CoEと日立グループの製造・流通分野向けオートメーション・テクノロジー・ソリューション企業

 であるJR Automationが共同開発したLine Builderは、NVIDIA Omniverseを搭載し、AIによる可視

 化により、工場組立ラインのコンセプト開発を支援するソリューションです。既存の接続されたデー

 タセットを活用することで、エンジニアリングデータを参照しながら将来のソリューションを生成

 し、視覚化します。このアプローチにより、デザイン設計の探索が強化され、効果的なソリューショ

 ンの開発がスピードアップします。

 日立エナジーのPower Grid Optimization Solver

 NVIDIA cuDSS上に構築されたソリューションで、電力負荷の複雑化や予測不可能なエネルギー需要

 の変動によって引き起こされる、複雑で大規模な電力潮流の管理を簡素化します。本ソリューション

 は、実世界の電力網において典型的である大規模な数理モデルを、膨大な計算資源を必要とすること

 なく効率的に処理します。同時に、電力潮流の計算を高速化することで、送電網の運用を最適化し、

 クリーンでコスト効率の良い電力への移行をサポートします。

■Hitachi iQの提供

 Hitachi Vantaraが昨年発表したHitachi iQポートフォリオは、卓越したスケーラビリティとコスト効率を備えた最先端のAIインフラストラクチャーとソリューションを提供するものです。NVIDIAのアクセラレーテッド コンピューティングを活用したこのポートフォリオは、多様かつ変動するデータサイズ、データタイプ、ワークロードに適応する柔軟性をお客さまに提供します。これにより、企業はリソースを効率的に割り当てることができ、コンピューティングやストレージを過剰に用意するのではなく、必要に応じて拡張し、不要なコストを削減することが可能になります。

 Hitachi Vantaraは、本日、Hitachi iQポートフォリオに新たに加わった「Hitachi iQ Mシリーズ」*2の提供を開始すると発表しました。本製品は、組み込みの柔軟性と拡張性により、より低い導入コストで顧客ニーズの進化に対応できます。Hitachi iQ Mシリーズは、高速化されたコンピュートサーバと堅ろうなネットワーキングを統合し、日立のストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform One (VSP One)」や、統合されたファイルシステム、オプションのNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアを組み合わせて、拡張性、適応性、コスト効率の高いAIインフラストラクチャーソリューションとして提供します。

 さらに、エンタープライズAIエージェントの時代をけん引するために開発された新しいリファレンスデザインであるNVIDIA AI Data Platformに、Hitachi iQが新たに選ばれました。これにより、Hitachi Vantaraのクラス最高のエンタープライズストレージをNVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティング、ネットワーキング、AIソフトウェアと統合し、AIエージェントにほぼリアルタイムのビジネスインサイトを提供します。

*2 国内向けには2024年10月よりHitachi iQミッドレンジ・エントリーモデルを展開済み

■HMAXの提供

 日立レールが発表したHMAXソリューション群は、鉄道業界向けに提供する、列車や信号システム、インフラを含む鉄道エコシステムの包括的なデジタルアセットマネジメントソリューションです。産業用のエッジAIプラットフォームであるNVIDIA IGXと、センサー処理プラットフォームであるNVIDIA Holoscanを搭載したHMAXは、大量のデータをエッジでリアルタイムに処理することを可能にします。列車、信号システム、インフラを最適化することで、メンテナンスとエネルギー効率を改善し、従来の鉄道システムをインテリジェントなエコシステムに変えることが期待されています。

■日立のコーポレートベンチャーキャピタルファンド

 日立のコーポレートベンチャーキャピタルファンドである「HV Fund」に参画する38社の中には、イノベーションの限界を押し広げる10社以上の画期的なAIスタートアップ企業が含まれており、AI分野における先進的な取り組みへのコミットメントを強化しています。これらのスタートアップ企業は、業務上の安全性の向上や高度な大規模言語モデルの活用から、次世代ロボットプログラムの開発、エッジコンピューティングソリューションの提供、救命に貢献する新薬開発に至るまで、多様な領域でのAI技術の活用に取り組んでいます。

 2025年2月には、HV Fundは第4号のコーポレートベンチャーキャピタルファンドを4億米ドルで設立することを発表*3し、運用資産総額は10億ドルとなりました。この新しいファンドは、最先端のデジタル技術と新興のフロンティア技術を持つスタートアップ企業に投資します。これらの投資を通じて、日立は革新的なテクノロジーへのアクセスを戦略的に加速させ、複雑な産業および社会課題の解決における日立の役割をさらに強化します。

*3 ニュースリリース(2025年2月5日) 「技術の変化点を捉え、成長機会の獲得に繋げる第4号コーポレートベンチャーキャピタルファンドを設立」

 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2025/02/0205a.html

NVIDIA GTC 2025での出展情報

 日立は、世界最高峰のAIカンファレンスであるGTC 2025のゴールドスポンサーとして、3月17日から21日まで、革新的なインダストリアルAIソリューションを出展します。日立ブース(ブースエリア#1236)では、エネルギー、産業システム、モビリティの各分野における先端技術を体験することができます。また、日立は、上記のソリューションの中から厳選した3つのプレゼンテーションを行い、より深いインサイトを提供します。:

・米国西海岸時間3月18日 午後2時

 センサーとしての列車:高耐久性環境におけるリアルタイムビジョンAIシステム (S72653)

・米国西海岸時間3月19日 午後3時

 次世代の効率性を実現する高速コンピューティングと最適化されたソルバー (EXS74248)

・オンデマンド型バーチャルセッション

 産業アプリケーションにおけるフィジカルAIの実現 (S74264)

■日立製作所について

 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。

以上

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。


会社概要

株式会社 日立製作所

49フォロワー

RSS
URL
http://www.hitachi.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
小島 啓二
上場
東証1部
資本金
-
設立
1920年02月