JLL、「2020年版グローバル不動産透明度インデックス」を発表

世界的に透明度向上も改善幅は最も低い水準に、日本は16位

東京 2020年9月10日 – 総合不動産サービス大手JLL(本社: 米国シカゴ、社長兼CEO: クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL、以下 JLL)とラサール インベストメント マネージメント(本社: 米国シカゴ、グローバルCEO: ジェフ・ジェイコブス、以下ラサール)は、「2020年版グローバル不動産透明度インデックス」を発表しました。
不動産透明度インデックスは、グローバルでサービスを提供するJLLとラサールが世界の不動産市場に関する情報を収集し、各市場の透明度を数値化した独自の調査レポートです。第11版となる2020年版では世界99ヵ国、163都市、今回新たにサステナビリティ、レジリエンス、健康とウェルネス、不動産テック、オルタナティブ不動産を新たに加えた全210項目を6つのサブインデックス※1において分析しています。

今回の調査結果では世界の70%の地域で透明度が改善している一方で、改善幅は世界金融危機(リーマンショック)以降、最も低い水準となりました。前回から最も大きく進歩した項目はサステナビリティで、企業の社会的責任やサステナブルな建造環境の必要性が認識されたことで、不動産業界でも環境、社会、ガバナンス(ESG)への配慮が主流となりつつあります。また、他業界から遅れていた不動産テックやデジタルツールの導入が拡大し、入手可能なデータや解析が容易となり、積極的に採用している国では透明度が改善しました。特に、データセンター、セルフストレージ、ライフサイエンスなどのオルタナティブセクターでの透明度が向上しており、今後も同セクターに対する投資の増加は、透明度向上のけん引役になると予測しています。

ハイライトは以下の通りです。
【グローバル】
  •  2020年版では、70%の地域で透明度スコアが改善しているものの、全体的な改善幅は1.1%と世界金融危機以降の過去10年間で最も低い水準となり、継続的な透明度の向上が難しくなっていることがわかった。投資家や企業、消費者による不動産への関心が高まる中、他のアセット・クラスと競合し、不動産業界がサステナブルでレジリエントな建造環境を確立することへの期待に応えるには、不動産透明度をより幅広く迅速に改善する必要がある。
  • 2018年版に続き英国(スコア1.31)が1位、前回3位だった米国(1.35)が2位、2位だったオーストラリア(1.39)が3位となり、依然として上位3カ国は英語圏が独占している。一方で、4位フランス(1.44)、9位スウェーデン(1.89)、10位ドイツ(1.93)などヨーロッパの非英語圏が透明度「高」にランクインした。上位10ヵ国は2018年版から新しい基準を確立し、不動産テックや新しいデータソース、サステナビリティへの取り組み、反マネーロンダリング規制、オルタナティブセクターにおける調査の拡大により、透明度が向上した※2。
  • 2018年から2020年で最も透明度が向上した国はアラブ首長国連邦-アブダビ※(3.10)だった。政府による企業や不動産のサステナビリティ改善に向けた取組みがスコア上昇に寄与した。また、透明度が向上した上位10ヵ国中6ヵ国がアジア太平洋地域に位置している。地域内で最も透明度が改善したインド※では、REITの枠組みや、インド・グリーンビルディング評議会(IGBC)やGreen Rating for Integrated Habitat Assessment(統合住宅評価のためのグリーン格付:GRIHA)などで改善がみられ、サステナビリティ分野の透明度では上位20位入りしている※3。
  • 都市別の不動産透明度でも英語圏の都市が上位を占めており、1位ロンドン、2位ロサンゼルス、3位サンフランシスコとなった。上昇傾向にあった不動産サイクルの中で投資先となっていた米国シアトル、デンバー、ポートランド、英国マンチェスター、バーミンガム、グラスゴー、エジンバラなどの第2級都市が上位20位を占めている※4。
【日本】
  • 日本の透明度は16位(2.03)で、2018年版14位(1.98)から後退したものの、「中高」の上位に位置し、シンガポール、香港とともにアジア太平洋地域をけん引している。日本は、CASBEEなどのグリーン認証システムや建築物省エネルギー性能表示制度などサステナビリティにおける透明度は高評価を得ているものの、不動産テックの採用については他の透明度「高」「中高」の国よりも遅れをとっている。
  • 日本のサブインデックス別順位は、不動産リターンや鑑定評価などの「パフォーマンス測定」で7位(1.68)、不動産市場に関わる「規制と法制度」で10位(1.55)、環境不動産などの「サステナビリティ」で9位(2.82)と20位以内にランクインしているが、オルタナティブ不動産を含むデータ整備の「市場ファンダメンタルズ」、財務情報や個別物件の開示といった「上場法人のガバナンス」、実際の不動産取引や商慣習などの「取引プロセス」では昨年と同様に20位圏外の結果となった。
  • 都市別の不動産透明度のうち日本の対象都市をみると、東京56位、大阪63位、福岡64位、名古屋66位となっている。主に市場データへのアクセスにおいて東京と他3都市の差が大きくなっており、東京を対象とした時系列やセクター別のデータは多いものの、その他の都市ではデータが限られている。

JLLリサーチ事業部 ディレクター 大東 雄人は次のように述べています。
「今回の調査は新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの直前に行われましたが、この逆境によって世界の不動産市場が向かうべき方向性がより明確になりました。特にサステナビリティの分野において不動産業界が配慮すべき環境問題や、不動産を取り巻く人々への安全・衛生面、さらには刻々と変化する市場をよりリアルタイムで分析・配信するための不動産テックの普及がより重要になっています。こうしたグローバルの市場変化のスピードに日本の透明度向上が追いつかないことで、今回の調査では16位と順位を落とす結果となりました。しかし、日本の市場は着実に改善しており、今後はサステナビリティや不動産テックの分野での取り組みはもちろんのこと、コロナ・ショックによって各国政府・中央銀行による金融緩和によって拡大している流動性を背景に、投資資金はオルタナティブ不動産という新しい投資先を模索しており、こうした分野でのデータ・サービスの向上が求められます」

■「JLL グローバル不動産透明度インデックス」
JLLとラサールが有するグローバルネットワークを活用して収集した定量的データとアンケート調査を対象項目ごとに検証、数値化した調査レポートです。1999年から調査を開始し、2年ごとに発表。不動産の投資家やデベロッパー、事業会社、また政府や業界団体にとっても国際的なベンチマークとして重要な指標となっています。
第11版となる2020年版では99ヵ国、163都市、項目はサステナビリティ、レジリエンス、健康とウェルネス、不動産テック、オルタナティブ不動産に関する新たな14の項目が追加され、全210項目を対象としています。その項目は14のトピックスにまとめられ、グループ化したうえでウエイト付けし、6つのサブインデックスに分類しています。
  • パフォーマンス測定(25%)
  •  市場ファンダメンタルズ(16.5%)
  • 上場法人のガバナンス(10%)
  • 規制と法制度(23.5%)
  • 取引プロセス(15%)
  • サステナビリティ(10%)

不動産透明度インデックスのスコアは1から5の範囲で採点され、スコアが満点の「1.00」の国・市場が最も透明度が高く、スコア「5.00」は最も透明度が最も低い国・市場を示します。

※ 本調査では、アラブ首長国連邦-アブダビは欧州・中東・北アフリカ(EMEA)に含まれます。

JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。JLLは、最先端テクノロジーを駆使して、お客様や人々、コミュニティーに対し、投資機会や環境に配慮した持続可能な不動産ソリューションを提供することで、不動産の未来をかたちづくり、よりよい世界に貢献します。
フォーチュン500に選出されているJLLは、2020年6月30日現在、世界80ヵ国で展開、従業員約93,000名を擁し、売上高は180億米ドルです。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。https://www.jll.com

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