冷凍中食の米国販路開拓事業と連携した需給マッチングプラットフォームの実証を実施
西日本電信電話株式会社富山支店(富山県富山市、支店長:東山真也、以下、「NTT西日本富山支店」)は、株式会社KKTエンタープライズ(熊本県熊本市、代表取締役社長:平田 毅、以下、「KKT-EP」)と株式会社J・MADE(東京都中央区、代表取締役:吉川正晃、以下、「J・MADE」)が実施する冷凍中食の米国販路開拓事業と連携し、水産業DX推進の一環として、9月19日、25日の両日、需給マッチングプラットフォームの実証を行いました。
※中食(なかしょく):惣菜店やコンビニエンスストア・スーパーなどでお弁当や惣菜などを購入したり、外食店のデリバリーなどを利用して、家庭外で商業的に調理・加工されたものを購入して食べる形態の食事(参照:「厚生労働省 e-ヘルスネット」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-010.html)
1.背景・目的
日本の水産業は約70年ぶりに漁業法が大改正され、科学・定量的な資源評価をベースにした漁獲規制と資源保護の促進へ向け、大きな転換期を迎えております。同時に水産庁は2027年までに「スマート水産業」を実現し、資源の持続的な利用と水産業の成長産業化の両立をめざしており、その実現にはDX化の実装が必要不可欠です。
そのような状況下、NTT西日本富山支店では水産業の持続的成長のため、水産業界のサプライチェーン最適化を目的としたバリューチェーン(需給マッチングプラットフォーム、コールドチェーン、越境ECの3機能から構成)構築の検討を進めており、この度需給マッチングプラットフォーム(ver.1.0)を完成させました。
また同時期に、共にバリューチェーン構築検討を行っていたJ・MADEが、全国商工会連合会の共同・協業販路開拓支援補助金活用プロジェクト「冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ」を主体として推進するKKT-EPとパートナーとして取り組むこととなったことから、当該事業での活用を通して、需給マッチングプラットフォームの実証の実施に至りました。
※実証実施イメージは「図1. 『冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ』事業における需給マッチングプラットフォーム実証」を参照
2.めざすバリューチェーン像
現在国内の多くの市場で行われている、漁獲から卸売、輸送、販売までの一連の水産業フローは、水産物の国内需要が高く、鮮度を保てば適正価格がついた時代に最適化された仕組みであると考えています。その特徴は、「獲れた魚をどこに売るか?」というプロダクトアウト型ビジネスであり、販売は仲買事業者の既存販路中心であり、かつ輸送方式の大半が生鮮輸送であるため、水産業をビジネスとして捉えた場合のリードタイムは24時間であることなどが挙げられます。
これに対し、NTT西日本富山支店がめざすバリューチェーンは、マーケットイン志向なオープンマーケットを構築し、儲かる水産業を実現するものです。具体的には、需給マッチング機能を活用したマーケットイン志向の導入、冷凍機械・冷凍保管・冷凍輸送を繋げたコールドチェーンの導入で製品寿命を長延化し、在庫型ビジネスや輸出ビジネスへの対応、越境ECによるボーダーレスなビジネスを実現したいと考えています。
※めざすバリューチェーンイメージは「図2. バリューチェーンイメージ」を参照
3.需給マッチングプラットフォームの機能
生産者様の商品と国内外バイヤー様の需要をマッチングし、「生産者様にとっては販路拡大」を「バイヤー様にとっては仕入れ先拡大」を実現します。
生産者様の抱える、「新しい販路を拡大したいが、どうやって良いか分からない」、「海外販路の開拓をしたいが、海外の商習慣、言葉が分からない」、「海外ビジネスにおいても為替リスクを排除し、日本円での商取引をしたい」といった課題に対し、国内外の商社様ならびに輸送事業者様と需給マッチングプラットフォームが連携することでそれらの課題を解決いたします。
また、バイヤー様の「隠れた名産品を探したい」、「商品開発をしてくれる生産者を探したい」、「既存商品のアレンジをして欲しい」といったニーズに対しても、開発リクエスト機能や商談機能により対応いたします。
◆需給マッチングプラットフォーム(ver.1.0)の主な機能
・需給マッチング機能
・商品動画閲覧機能
・受発注機能
・商品開発リクエスト機能
・商品アレンジリクエスト機能
・商談機能
・自動翻訳機能
今後、オークション機能、SNS連携、レコメンド機能、決済機能等の追加を検討していきます。
4.実証内容について
(1) 概要
J・MADEとKKT-EPが実施する「冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ」事業で実施される米国商談会(9/19ニューヨーク会場、9/25ロサンゼルス会場)において、NTT西日本富山支店が開発した需給マッチングプラットフォーム(ver.1.0)をデモ提供し、商談会に出品される日本の商品を掲載するとともに、米国バイヤーの皆さんにご利用頂き、その使用感等を確認いたしました。
(2) 商談会の状況
① 開催日時、場所等
ニューヨーク商談会:9/19(木)14:00~17:30、THE NIPPON CLUB
ロサンゼルス商談会:9/25(水)14:00~17:30、JAPAN HOUSE LA
② 出品数(出品者数)
NY会場:22品(17社)/LA会場:22品(17社)
主な出品商品:鮨蒲(富山・河内屋)、蒸し牡蠣(三重・丸善水産)、魚生ハム(岩手・ゑん工房)等
③ 参加者
海外バイヤー:NY会場:18社/LA会場:10社
ホールフーズマーケット、Hマート、ビバリーヒルズホテル、現地レストランオーナー 等
その他、メディア関係者、インフルエンサー等も参加
(3) 実証項目と結果
① プラットフォームの基本動作(表示、デザイン等)確認
② 言語翻訳表記の正確さ確認
③ プラットフォーム各機能動作の適正さ確認
④ 外国人バイヤーの使用感確認
⑤ プラットフォーム開発コンセプトに対する外国人バイヤーの反応調査
基本動作確認ならびに各機能の動作確認、言語翻訳に関する実証結果については、すべて問題なく正常動作していることを確認いたしました。外国人バイヤー様の使用感や開発コンセプトに対する反応は、『冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ』事業主催者より別途報告されるアンケート結果をもとに詳細分析を進め、今後のプラットフォーム開発に活かしていきます。
また、現時点での速報として以下の「参加者の声」が届いています。
・プラットフォームのリクエスト機能(バイヤーから生産者へのリクエスト)は特長的で面白い。
・パンフレット、映像、HP、プラットフォームにより、地域性、特徴、ストーリーがわかりやすい。
・これまでの日本食の試食会、商談会の中でも印象的なイベントだった。
・はじめての食材も多く、冷凍とは思えない食感とコクがある。
※『冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ』事業における商談会模様は、以下の「図3.商談会模様」参照。また詳細な情報は、以下のホームページでご確認下さい。
JAPAN・Oホームページ:http://www.japan-o.com
5.今後の展開について
本実証で使用いたしました需給マッチングプラットフォームは、今後もアンケート結果等のユーザーニーズを踏まえて機能追加を検討し、将来的なサービス化をめざします。
また、この需給マッチングプラットフォームの開発を含めたバリューチェーン構築について、NTT西日本富山支店と共にご検討頂けるパートナー企業様も募集いたします。ご興味をお持ちいただける方は、以下の問い合わせ先までご連絡をお願いいたします。
図1. 『冷凍中食でニッポンの『旬』を『瞬』でアメリカ市場へ』事業における需給マッチングプラットフォーム実証
図2.バリューチェーンイメージ
図3.商談会模様
<本件に関するお問い合わせ先>
西日本電信電話株式会社 富山支店 地域活性化推進室
MAIL: v-toyama@west.ntt.co.jp
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
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