衣類についている「タグ」をチェックするだけで、見違えるほどの洗い上がりに！ NHKテキスト『まる得マガジン洗濯表示でバッチリおうちで極上！洗濯術』、2月21日（月）にNHK出版より発売。

きちんと洗ったはずなのに、なぜか汚れやにおいが残っている……。そんな悩みを洗濯のプロが解決します！

株式会社ＮＨＫ出版

2022年2月21日 10時10分

毎日の暮らしのなかで、決して欠かせないのが衣類の洗濯。しっかり洗っているはずなのに「汚れがすっきり落ちない」「においが取れない」などの悩みを持っている人も多いはず。
そんなときは、いつもの洗い方をちょっとだけ見直してみませんか？

衣類を洗濯する際は、まずタグをチェック！

衣類を洗濯する前に、タグを確認していますか？衣類についているタグには、洗濯の方法や取り扱いの注意点などが記号で表示されており、実は衣類のケアにとって大事な情報源。これを「洗濯表示」といいます。
2016年、その洗濯表示が国際規格に合わせたものに変更になりました（JIS L0001：繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法）。そこでは、従来の記号の中にあった「手洗イ」「ドライ」などの日本語表記はなくなり、洗濯の方法が絵と数字のみで示されるようになっています。

多種類のマークが並んでいてちょっと難しそう……。そう思うかもしれませんが、表示の仕組みさえわかれば読み解くのは簡単。ベースになる記号は5つだけ。そこに、付加記号と数字を組み合わせることで、洗い方の強さ、漂白剤の選び方、乾燥方法、アイロンの温度、クリーニングの種類など、衣類を正しく取り扱うための大切な情報を簡潔に教えてくれているのです。

これらの洗濯表示をあらためて見てみると、「今までの洗濯より、もっといい方法があった！」ということに気づくかもしれません。なぜその表示なのかという意図をくみ取り、洗いたい服に合わせた最適な洗濯方法を選びましょう。本誌では、それぞれの洗濯表示の意味をわかりやすく解説し、どのように洗濯すればよいか、楽しく具体的に学んでいきます。

おうちの洗濯機の「標準コース」でよりきれいに！

今の洗濯機は、スタートボタンを押せば終了までほったらかしでOKの機種も少なくありません。とくにふだん着を「標準コース」で洗うのにテクニックが必要なの？と思う人も多いはず。
でもちょっと待って。洗濯はなんとなく行うのと、洗い方を確認しながら行うのとでは、汚れの落ち方はもちろん、衣類の傷みの程度にも差がついてくるのです。
1回の差は少しでも、毎日の積み重ねで考えるとその差は歴然。衣類を長く気持ちよく着るために、基本の洗い方をきちんと覚えておくことが大切です。

本誌では、洗濯機の標準コースでよりきれいに洗濯を行う方法を詳しく紹介していますが、その一番のポイントが、「洗いの水量を増やす」ということ。
最近は、洗い・すすぎの水量が少なめな洗濯機が増えているため、自動だと汚れを落とすのに十分な給水がされない場合もあります。たとえばふだんの洗濯で、汚れがすっきり落ちていない、なんとなくにおい残りがあるなどと感じることがあるとしたら、それは水量が足りていない可能性があるのです。
そこで、自動給水が終わったら、洗いが始まる前に一度運転を止め、洗濯槽内を確認します。もし、中の衣類にまだぬれていない部分があるような状態なら、水位変更のボタンを使うなどして、手動で水量を増やしましょう。洗濯物がしっかりつかり、繊維全体に水分が行き渡るような十分な洗濯液の中で、衣類をしっかり動かして洗えば、汚れもすっきり。
このとき最初の水量で設定したままだと、洗剤の量が足りなくなってしまいます。水量に合わせて洗剤を増やすことを忘れずに！
※操作方法は機種によって異なりますので、各種の設定変更などは、お使いの製品の取扱説明書に従って行ってください。

洗濯物がしっかり洗濯液につかるように

洗濯から始める気持ちよい毎日

このように、毎日の洗濯にほんの少しの注意を加えるだけで、洗い上がりが見違えてきます。
本誌ではさらに、デリケートなアイテムを洗濯機の「やさしいコース」で洗う際の注意点や、特に大切な衣類を「手洗い」する方法、また漂白・乾燥・アイロンがけの上手なやり方など、よりよい洗濯のためのヒントが満載です。
「うまく汚れが落ちない」という悩みや、「洗ったら縮んでしまった」といった失敗を解消し、衣類を長もちさせながら、より気持ちよく着られるように洗っていきましょう。

（写真：山本あゆみ）

講師紹介

中村祐一〈なかむら・ゆういち〉

洗濯家。国家資格クリーニング師。テレビ、雑誌、講演、動画配信等で、正しい洗濯の知識を楽しくわかりやすく伝えている。近年は住宅関連メーカーやアパレル関連企業などに洗濯にまつわるアドバイスやアイデア提案も行う。洗濯の側面から、よりよく暮らせる社会の実現を目指し、活動の範囲を広げている。

はじめに
　衣類を傷めずきれいに洗う基本の洗濯のポイント／洗濯機について
PART 1　洗う前の準備
　自分の衣類のタグを見てみましょう／洗濯表示を見ながら実際に洗濯物の仕分けをしましょう　ほか
PART 2　標準コースで洗う
　洗剤の特徴を知り、上手に使い分けましょう／実際に洗濯をしていきましょう　ほか
PART 3　やさしいコースで洗う
　デリケートな衣類にはおしゃれ着用洗剤を／洗濯ネットを上手に使って衣類へのダメージを軽減しましょう　ほか
PART 4　手洗いをマスター
　ウールのセーターを手洗いしてみましょう　ほか
PART 5　漂白をマスター
　漂白剤の特徴を知り、上手に使いましょう／Tシャツのシミ・ワイシャツの黄ばみを落としましょう　ほか
PART 6　乾燥をマスター
　仕上がりに差がつく3つのポイント／アイテムに合った干し方で乾燥させましょう　ほか
PART 7　アイロンの使い方
　アイロンでシワが伸びる仕組みを知りましょう／アイテム別にアイロンがけのコツを覚えましょう　ほか
PART 8　究極の洗濯に挑戦　白いシャツを白く
　白いものだけをまとめて洗ってみましょう　ほか
おわりに