風疹、感染の拡大防止のカギは『かかりつけ医』への相談!?生活習慣病の診療科で実施が拡大!感染のリスク高は40歳以上の男性

全国1万6000人の医師に調査

株式会社インテージヘルスケア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:仁司与志矢)は、全国1万6497人の医師を対象に「MRワクチン(風疹ワクチン)の予防接種の実施状況」を調査しました。


【ポイント】
  1. MRワクチンの予防接種を実施した医師は増加の傾向。特に、生活習慣病を主とする診療科での増加が目立った
  2. 風疹報告数に対してワクチンの予防接種を実施する医師の割合が低い地域では、医師・患者双方の確認が重要

調査結果から、ワクチンの予防接種を実施した医師は、風疹の流行や地方自治体の啓発・助成活動の影響を受け、増加傾向であることがわかりました。特に、生活習慣病を主とする診療科での増加が顕著となっています。さらに、累積の患者報告数とワクチン接種を実施する医師数に、ギャップが見られる地域があることも明らかになりました。

1.生活習慣病を主とする診療科でのMRワクチンの予防接種実施が増加


治療実態(ADM)で、内科系医院に勤務する医師を対象に分析を行ったところ、「MRワクチンの予防接種を実施した」と回答した医師の割合は68.6%となりました。
また、前年同月の調査データと比べて、この割合が7.8ポイント上昇していることもわかりました。

診療科別に見ると、定期接種を行っている小児科や産婦人科での実施割合が高い傾向は変わらないものの、循環器内科や消化器内科、糖尿病内科といった生活習慣病を主とする診療科での実施割合が前年より大きく増えています。これは、風疹の流行に対して地方自治体が啓発・助成活動を行ったことの影響であると推察されます。


2.人口が集中する首都圏を中心に2018年は風疹が流行。患者の81%は男性


国立感染症研究所の発表によると、2018年の風疹報告数は2917人であり、全数届け出が開始された2008年以降、2013 年に次いで二番目に多い結果となりました。

患者の81.0%を男性が占めており、特に「風疹にかかったことがなく、ワクチンも接種していない割合が高い40歳代以上」で多く発症しています。

患者の報告数を地域で見ると、東京都や千葉県、神奈川県などの首都圏で報告が多くなっています。これは、人口が集中する地域で風疹ウイルスとの接触の機会が増え、感染の可能性が高まるからであると考えられます。


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考察
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風疹はウイルスによる発疹性感染症であり、成人が感染した場合には小児より重症化することがあります。また、抗体のない妊娠20週頃までの妊婦が感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性があるため、男女共にワクチンを接種して流行を抑制することが重要であり、医療政策として定期接種の義務化や予防接種が推奨されています。
国立感染症研究所の6月5日現在の発表によると、2019年の風疹感染の累計報告数は1658人となっており、依然として増え続けています。

特に患者数が多い関東地方について、国勢調査データ(2015年)と比較、分析しました。東京都は近接している県からの通勤・通学のための流入人口が多く、神奈川県、埼玉県、千葉県の順に、他県への流出も多いことが確認できました。加えて、東京都への流入人口を年代別で見ると、「風疹ワクチンを一度も接種していない割合が高い」40歳代が最も多いことがわかりました。すなわち、「感染リスクの高い人口」が東京都を起点に集中・分散することで、関東地方で風疹が拡大したと推察されます。とりわけ、東京都へのアクセスがよい路線では、混雑により感染者との距離が近くなるため、特に注意が必要であると考えられます。


治療実態(ADM)2019年2月調査から、内科系医院における「MRワクチンの予防接種を実施した医師の割合」と、2018年の風疹報告数を掛け合わせて確認したところ、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など報告者数が全国水準と比べて多い地域で、「ワクチン接種を実施した医師割合」が低いことがうかがえます。その要因として、何らかの理由でワクチン接種を実施していない医師が存在する可能性がありますが、予防接種を受ける人自体が少ないことも考えられます。
40歳以上の年代は、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を持つ割合が多いと推察されます。生活習慣病を主とする診療科でMRワクチンの予防接種を実施する医師が拡大していることから、かかりつけ医による診療の際に、医師・患者の双方が風疹を話題にすることで、感染の拡大防止につなげられるかもしれません。

分析担当: メディカル・ソリューション部 室伏 俊昭

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調査概要
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調査方法:Webアンケート調査「治療実態(ADM)」
調査地域:全国
調査対象:医師(27診療科)
有効回答数:16,497サンプル
      病院勤務医(20床以上)  12,849サンプル
      開業医(19床以下)         3,648サンプル
調査実施期間:2019年2月
       ※ 2008年より継続調査
       ※ 2017年8月より年2回実施
調査主体:株式会社インテージヘルスケア メディカル・ソリューション部
調査内容:疾患別の薬物療法実態を確認


【株式会社インテージヘルスケア】 https://www.intage-healthcare.co.jp/
株式会社インテージヘルスケアは、ヘルスケア領域のマーケティングリサーチおよび医薬品開発・製造販売後調査・安全性業務支援をコアビジネスと位置付けています。インテージグループのヘルスケア領域を担う各社※と一体となり、ソリューションを提供。それにより、ヘルスケア領域のあらゆる課題に対して、「医療消費者」起点のデータの価値化による、最適な意思決定をサポートしていきます。
インテージヘルスケアは2019年4月、株式会社アスクレップと株式会社アンテリオが経営統合し、スタートしました。
※ 株式会社協和企画、株式会社医療情報総合研究所、株式会社プラメド、Plamed Korea Co., Ltd.


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TEL:03-5294-8393(代)  E-mail:ant-syndicated@intage.com

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会社概要

URL
http://www.intageholdings.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都 千代田区神田練塀町3番地 インテージ秋葉原ビル
電話番号
03-5294-7411
代表者名
仁司 与志矢
上場
東証1部
資本金
16億8140万円
設立
1960年03月