人工知能(AI)のマネジメントシステムに関するJISを制定
AIを利用した製品やサービス(AIシステム)を提供または利用する組織の責任や役割を明確に!
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2025年8月20日に人工知能(AI)に関する日本産業規格(以下、JIS)を発行いたしました。

JIS Q 42001:2025
情報技術-人工知能-マネジメントシステム
Information technology-Artificial intelligence-Management system
税込価格:9,240円(税込) A4判 60頁
※規格類は価格が変更される場合がございます。ご了承ください。
【制定の背景】
この規格は、多岐にわたる分野で活用されている組織の人工知能(AI)に関するマネジメントシステムの構築を規定したものです。AI技術は、深層学習のブレイクスルーをきっかけに急速な発展を遂げ、第3次AIブームを巻き起こしました。近年では、生成AIが社会に広く浸透し、その用途はますます拡大しています。各組織のビジネスにおいてAIを利活用することは不可避であり、AIシステムに関する信頼性の高いマネジメントシステムの構築は、組織にとって非常に重要となっています。
また、AI技術がもたらす可能性は、技術者だけでなく、各国の制度や政策担当者からも大きな関心を集めています。EUのレポートによると、AI関連のガイドラインや法令は600を超えている状況です。このように、様々なガイドライン等が乱立していることから、AI技術に関する標準的な組織のマネジメントシステムを規定した規格の作成、およびそれに基づく組織運営が喫緊の課題となっていました。
今回、我が国においても、AI技術に関係したマネジメントシステム規格のニーズが高いことを踏まえ、ISO/IEC42001:2023の国際規格と整合したJIS Q 42001:2025を制定するに至りました。
【規格概要】
この規格は、組織の規模や業種に関わらず、AIを活用する製品やサービス(AIシステム)を開発、提供または利用する全ての組織が、責任を持ってAIシステムを構築・運用するための要求事項を規定しています。具体的には、AIシステムの活用にあたり、信頼性や透明性、説明責任が要求される可能性を考慮し、AIの活用に伴うリスクを回避するための要件を定め、AIの公平性や個人のプライバシーへの配慮などについて、要求しています。

【制定の期待効果】
この規格の制定により、組織は、AI技術に関する信頼性の高いマネジメントシステムを構築でき、これにより適切なリスクマネジメントを行いながら、AI技術を利用して品質の改善、生産性の向上等に貢献することが期待できます。責任をもってAIシステムに取り組んでいることを組織外に示すことで、組織としての信頼性や競争力の向上にも繋がります。
関連情報
AIマネジメントシステムの国際規格の英・日対訳版を発行!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000445.000004052.html

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